歌田年『紙鑑定士の事件ファイル-偽りの刃の断罪』(2022年、宝島社)
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同じシリーズで第18回「このミステリーがすごい」大賞を受賞した作家の作品なので、期待して読んでみた。
文章は上手い、作りも手が込んでいる。しかし手が込んでいるだけに、こんな都合のいい話はないだろう、というのが第一印象で、この印象も、ある意味、私のような読者の勝手な言い分なのだろうとは思う。
例えば本のタイトルにもなっている短編の「偽りの刃の断罪」にしても、張本が妻の貴理の四歳の娘(ただし親権は元夫にある)が白血病で海外のドナーとの手術にかかる多額の費用を自分の死による保険金でまかなえるようにするために殺人を偽装して自死したという話。
しかも自死を特定されないように、鋭利なペーパーナイフで自分を切ってから、死ぬまでの短時間にそれを燃やすようにバーナーを使ったとかいうトリックや、警察から容疑者にされたコスプレ仲間や妻との関係などが明らかになる。
それを70頁くらいの短編で作り上げるのだから、まぁそんなにトントン拍子に話が進むわけないだろうという印象を持つのも無理からぬ話だね。
私って、気が短いわりに、こういうミステリーには反発してしまう。先ごろ読んだ648頁もある奥田英朗『リバー』のほうがいいと思ってしまうのだから、人間って、ええ加減なものやなと自嘲する。
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文章は上手い、作りも手が込んでいる。しかし手が込んでいるだけに、こんな都合のいい話はないだろう、というのが第一印象で、この印象も、ある意味、私のような読者の勝手な言い分なのだろうとは思う。
例えば本のタイトルにもなっている短編の「偽りの刃の断罪」にしても、張本が妻の貴理の四歳の娘(ただし親権は元夫にある)が白血病で海外のドナーとの手術にかかる多額の費用を自分の死による保険金でまかなえるようにするために殺人を偽装して自死したという話。
しかも自死を特定されないように、鋭利なペーパーナイフで自分を切ってから、死ぬまでの短時間にそれを燃やすようにバーナーを使ったとかいうトリックや、警察から容疑者にされたコスプレ仲間や妻との関係などが明らかになる。
それを70頁くらいの短編で作り上げるのだから、まぁそんなにトントン拍子に話が進むわけないだろうという印象を持つのも無理からぬ話だね。
私って、気が短いわりに、こういうミステリーには反発してしまう。先ごろ読んだ648頁もある奥田英朗『リバー』のほうがいいと思ってしまうのだから、人間って、ええ加減なものやなと自嘲する。
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