10月24日
安西水丸『鳥取が好きだ。』(河出書房新社、2018年)
なんてあからさまなタイトルなんだろう! 鳥取県出身者にとって、なんて嬉しいタイトルなんだろう! 鳥取が好きだ、なんて!
安西水丸といえば、私には朝日新聞の日曜版に連載していた低山の山登り紀行でしか知らなかったので、絵のうまいハイカーかなんかだと思っていた。その筋では有名なイラストレーターだったんだね。
そんな人がなぜ鳥取を好きになったのか。一にも二にも、鳥取の民藝運動を創った吉田璋也という人の功績だ。柳宗悦が始めた民藝運動に鳥取から参加した吉田璋也は、医者をしながら、鳥取県内(といっても主に東部中心)の陶芸、木工、織物などの職人たちと試行錯誤をしながら、芸術品ではない民芸品を創っていった。
それが昭和40年ころサラリーマンを始めたばかりの安西が東京銀座に鳥取の「たくみ工芸店」の支店を見つけて、鳥取民芸にハマったということらしい。
安西の話のいいところは、彼が生活視点で民芸品を買い求め、それをずっと仕事場や家で日常使いしているところだ。机、椅子、整理棚、カレーライス用の器、コーヒーカップ、湯呑など。こうした日常使いこそ柳宗悦や吉田璋也の目指した民藝運動の基本線であったことを考えれば、安西はまさにそれの実践者でもある。
私はこの本で、私の知らなかった鳥取のいいところをたくさん知ることができた。コロナが終わったら、またたびたび行くことになるだろうから、米子だけでなく、ちょと足を伸ばして、倉吉や鳥取を訪れてみよう。
『鳥取が好きだ。: 水丸の鳥取民芸案内』へはこちらをクリック
安西水丸『鳥取が好きだ。』(河出書房新社、2018年)
なんてあからさまなタイトルなんだろう! 鳥取県出身者にとって、なんて嬉しいタイトルなんだろう! 鳥取が好きだ、なんて!
安西水丸といえば、私には朝日新聞の日曜版に連載していた低山の山登り紀行でしか知らなかったので、絵のうまいハイカーかなんかだと思っていた。その筋では有名なイラストレーターだったんだね。
そんな人がなぜ鳥取を好きになったのか。一にも二にも、鳥取の民藝運動を創った吉田璋也という人の功績だ。柳宗悦が始めた民藝運動に鳥取から参加した吉田璋也は、医者をしながら、鳥取県内(といっても主に東部中心)の陶芸、木工、織物などの職人たちと試行錯誤をしながら、芸術品ではない民芸品を創っていった。
それが昭和40年ころサラリーマンを始めたばかりの安西が東京銀座に鳥取の「たくみ工芸店」の支店を見つけて、鳥取民芸にハマったということらしい。
安西の話のいいところは、彼が生活視点で民芸品を買い求め、それをずっと仕事場や家で日常使いしているところだ。机、椅子、整理棚、カレーライス用の器、コーヒーカップ、湯呑など。こうした日常使いこそ柳宗悦や吉田璋也の目指した民藝運動の基本線であったことを考えれば、安西はまさにそれの実践者でもある。
私はこの本で、私の知らなかった鳥取のいいところをたくさん知ることができた。コロナが終わったら、またたびたび行くことになるだろうから、米子だけでなく、ちょと足を伸ばして、倉吉や鳥取を訪れてみよう。
『鳥取が好きだ。: 水丸の鳥取民芸案内』へはこちらをクリック