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ちょっと気になる話

2011年03月17日 | 日々の雑感
ちょっと気になる話

インターネットであれこれの文献を探すのってけっこう面白い。ある本を探していたところ「日本図書館協会選定図書」と書いてあって、たしかによく目にする、というか、これが付いていてもとくにどうというふうには思わないのだが、いったいなんだろうという疑問が頭をもたげてきたので、早速調べてみたところ。

読んで字のごとく、日本図書協会というところがあって、様々な形態の図書館に新刊図書を推薦するため、選定委員によって選ばれた図書がこの「日本図書協会選定図書」の印を押してただけるということらしい。

日本図書協会のサイトによると

「日本図書館協会の図書選定事業は公共図書館・学校図書館・公民館図書室などの読書施設に選定図書情報を提供することを目的としています。戦後間もなく新刊図書情報が乏しい、1949年から図書館向けに新刊情報という性格と共に、公共図書館に備えるのに望ましい図書を選定して、発信してきております。
 現在は、年間6万点にも及ぶ新刊書籍の中から、図書館がどの本を蔵書として選ぶかを決める図書の選択は、図書館にとって最も重要な仕事であり、子どもたちに大きな影響を与えるだけに非常に大切です。
 協会の選定図書は、各専門分野の選定委員約50名が、実際の書籍を一冊一冊に必ず目を通し、公共図書館に適している本として選択されたものです。」

とある。
とりあえずなるほど納得。で、またあれこれ探していたら、自分の出版した本が選定図書に選ばれたよ!という喜びの声を書いているサイトやらブログがけっこうあって、その中に興味深い記述を見つけた。

そのサイトの主は、自分の本の中に、つい勢いで差別語的な、非常に汚い言葉を書いてしまったのだが、選定委員の人はきちんとこれを読んで了解した上で、「選定図書」に選定してくれたのだろうかという心配をしている。どうやら公共図書館に推薦していただくには、この文章があるのにいいのだろうかと、喉に骨が刺さったみたいに、気になって仕方がない様子なのだ。

この人は、でも図書館協会のサイトには、「各専門分野の選定委員約50名が、実際の書籍を一冊一冊に必ず目を通し」た上で選定していると書いてあるのだから、実際に読んでくれたのだろうと無理やり心配ごころを抑え込んでいるみたいなのだが、はたしてどうなのだろうか?

6万冊にもおよぶ新刊図書を50人の選定委員が読む。一人あたり1200冊。たしかにこのサイトの人も書いているように、「一冊一冊端から端まで読んで」とは書いてない。「一冊一冊に必ず目を通し」てと書いてある。読むのと目を通すのでは...

まぁこれ以上つっこみを入れるのは、野暮ってものか。


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