今日の『産経新聞』、「論説委員の日曜に書く」に「看護婦」に触れていた。その部分だけ転載します。
文中で「あえて、看護婦さんと表記した」と断ったが、やはり読者から「看護師と書くべきだ」との指摘があった。これについて先輩の清湖口敏論説委員は自らのコラム「国語逍遥」に 「『看護婦』への思慕」と題して以下のように書いた。
(「看護婦と呼ぶのは不適切」との誤解はまず、平成11年の「改正男女雇用機会均等法」の施行で生じたのではないかと思われる。同法によって求人募集の際は、特例を除き男女の別を問うてはならないことになったため、「看護婦募集」は「看護婦・士募集」などと改めるようになった。14年の「保健師助産師看護師法」の施行で「看護師」が一気に定着していく。法上の資格名が「看護婦」から「看護師」に変わったからだ。
ただそれはあくまで法律上の話で、厳密に人事採用や資格に言及するような場合を除いては、一般生活のなかで慣用的に用いられている「看護婦」の使用は何ら制限されていない。法律上の呼称である「教諭」を 「先生」と、「警察官」を「おまわりさん」と呼んだりするのと同じことである。