アベノミクスという言葉が新聞紙面に毎日のように登場しています。どれほど素晴らしい経済政策でも、必ずと言っていいほど悪い副作用があります。それは抗がん剤と似ています。
この副作用という問題は、経済や医療ばかりでなく心の問題も同じことがあります。
欲望を抑えようとすると愚痴が出るし、愚痴を抑えようとすると怒りが出ます。そのように何か良いことを行うと、その副作用が出てきます。
昨日、午後、車の中でラジオ放送「放送大学」を聞いていると、次のような講義が聞こえてきました。
サルとチンパンジーの違いは、自己所有意識のあるか、ないかです。サルは芋を拾って食べ腹がいっぱいになると、芋をそこに捨てていきます。チンパンジーは、食べ残した芋は、持ち帰って仲間に配ったりします。これは自己所有意識があるからです。(以上)
そのような内容でした。副作用の話です。自己所有意識が生まれると、その自己所有物を他にとられると、腹が立ちます。自己所有意識という思いがあるから腹が立つという副作用が生まれるのです。
以下は、ネットで見たのですが、このチンパンジーの自己所有意識があるから、チンパンジーは物々交換をするのだそうです。ところが人間とちがって、チンパンジーには、“自らの利益が最大限になるような交換は行なわない”のだそうです。
すなわち量の多少、最大限の交換利益を願いは未発達なのだそうです。
二歳にして貪瞋(とんじん)の苦あり涙して姉と争う
欲しい欲しいと
(西東京市 青柳妙子)
ー2009年9月7日 朝日歌壇ー
人間は、自己所有意識があり、最大限の交換利益を求めます。ここにチンパンジーよりも、大きな副作用(苦しみ)が生まれます。
人間の自己意識は、ワロンの説によると
1. (生後6ヶ月~11ヶ月)鏡に映った自分の像を「他者」だと見る。
2. (生後15ヶ月~24ヶ月がピーク)鏡を避ける反応が見られる。
3. (生後21ヶ月~24ヶ月に始まる)自己認知ができる。恥かしそうに鏡を見たり、当惑したような表情が見せたり、おどけた顔をしてみせたりする。口紅をつけられた部分をよく見ようとしたり、手で触れたりする反応も見られるようになる。
のだそうです。
以前、動物行動学作家の竹内久美子さんの『そんなバカな!』(文春文庫)で次のような文面を紹介したことがあります。
チンパンジーを鏡のある部屋に入れておくと、ほどなく彼は鏡の中の毛むくじゃらの動物に興味を示し始める。最初は戸惑った様子を見せているが、だんだん理屈が飲み込
めてきて、ポーズを取ったりするようにもなる。(以上)
チンパンジーの自己認識力は、2歳児と同じということになります。自分と他人の区別を知る。ここに苦しみの根源があり、同書にチンパンジーも嘘をつくという話が紹介されていましたが、心の世界だけではなくその副作用は身体に及ぶのでしょう。
この副作用という問題は、経済や医療ばかりでなく心の問題も同じことがあります。
欲望を抑えようとすると愚痴が出るし、愚痴を抑えようとすると怒りが出ます。そのように何か良いことを行うと、その副作用が出てきます。
昨日、午後、車の中でラジオ放送「放送大学」を聞いていると、次のような講義が聞こえてきました。
サルとチンパンジーの違いは、自己所有意識のあるか、ないかです。サルは芋を拾って食べ腹がいっぱいになると、芋をそこに捨てていきます。チンパンジーは、食べ残した芋は、持ち帰って仲間に配ったりします。これは自己所有意識があるからです。(以上)
そのような内容でした。副作用の話です。自己所有意識が生まれると、その自己所有物を他にとられると、腹が立ちます。自己所有意識という思いがあるから腹が立つという副作用が生まれるのです。
以下は、ネットで見たのですが、このチンパンジーの自己所有意識があるから、チンパンジーは物々交換をするのだそうです。ところが人間とちがって、チンパンジーには、“自らの利益が最大限になるような交換は行なわない”のだそうです。
すなわち量の多少、最大限の交換利益を願いは未発達なのだそうです。
二歳にして貪瞋(とんじん)の苦あり涙して姉と争う
欲しい欲しいと
(西東京市 青柳妙子)
ー2009年9月7日 朝日歌壇ー
人間は、自己所有意識があり、最大限の交換利益を求めます。ここにチンパンジーよりも、大きな副作用(苦しみ)が生まれます。
人間の自己意識は、ワロンの説によると
1. (生後6ヶ月~11ヶ月)鏡に映った自分の像を「他者」だと見る。
2. (生後15ヶ月~24ヶ月がピーク)鏡を避ける反応が見られる。
3. (生後21ヶ月~24ヶ月に始まる)自己認知ができる。恥かしそうに鏡を見たり、当惑したような表情が見せたり、おどけた顔をしてみせたりする。口紅をつけられた部分をよく見ようとしたり、手で触れたりする反応も見られるようになる。
のだそうです。
以前、動物行動学作家の竹内久美子さんの『そんなバカな!』(文春文庫)で次のような文面を紹介したことがあります。
チンパンジーを鏡のある部屋に入れておくと、ほどなく彼は鏡の中の毛むくじゃらの動物に興味を示し始める。最初は戸惑った様子を見せているが、だんだん理屈が飲み込
めてきて、ポーズを取ったりするようにもなる。(以上)
チンパンジーの自己認識力は、2歳児と同じということになります。自分と他人の区別を知る。ここに苦しみの根源があり、同書にチンパンジーも嘘をつくという話が紹介されていましたが、心の世界だけではなくその副作用は身体に及ぶのでしょう。