これは完全版がリリースされると決まった時からやろうと思っていたんですが、
bloodthirsty butchersの「kocorono」を全曲レビューしようと思います。
それも毎月。
月一で。
何故かというと、この作品は完全なコンセプト・アルバムで曲目が全部月の名前なんですよね。
2月~12月まで全11曲入っていて。
で、来月10日に出る完全版でオリジナル版には今まで未収録だった「1月」が入るという事で。
良い機会なんで、是非シリーズでやろうかと。
去年「Ghost Apple」全曲レビューと称して、月曜日から日曜日まで一曲ずつレビューをやったことがありましたが、
(あれ個人的にやってて面白かったです。自分だけかもしれませんが)
それのパワーアップ版みたいなものです。
という訳で今回は「2月」。
このシリーズは不定期ではなく毎月の月末に決まって更新するつもりです。
冒頭の一曲。
この曲はドラミングが独特で、馬が駆けて行くような、パカッとした感じでリズムが刻まれるのがミソ。
それに吉村秀樹の虚ろなボーカルが合わさって
何ともいえない雰囲気の楽曲に仕上がっています。
今でこそこういう楽曲って若手オルタナバンドでよく聴かれると思うんですけど
ある意味それの先駆者的楽曲、または存在ですかね。バンド自体が。
と、いっても私がこのアルバムを初めて聴いたのはリリースされてから数年後の2000年ごろだったと思うんで
この記述が確かなものなのかは定かではないですね(笑)。
勝手に思っているだけで。当時を経験してないわけですし。
ただやっぱりこういう白黒がはっきりしてない感じ、
曖昧な感じっていうのは今の若手にも受け継がれてると思うんですよね。それこそ前述のPeopleとかね。
それを考えるとこのアルバムを象徴する「2月」って楽曲の存在感は大きいんじゃないかと思います。
なんせ一番盛り上がらないのがサビですからね。
普通逆でしょ、っていう。
こんな構成してたら普通売れないわ。
それでも自分はこの曲に流れる虚ろな感じ、行く宛てもなくフラフラしている感じがとても好きなのです。
「できすぎの姿に あこがれもなく」
この部分は後々の「未完成」に繋がる部分とも思えますね。そして何気に核心を突く良い詞。
「なぐさめ合うわけでもないし ただ夜もぼくも一人で ブルーにつつまれる」
ここの部分、サビなのにかなりトーン落として歌ってるから非常に盛り下がるんですが、
その分じっくり聴きこめる感じがとてもブッチャーズらしいと思います。
基本キャッチーさを重視してないバンドですからね。
2月っていうのは冬篭りというか、なんとなく寂しい季節なのかな、って思いますね。
丁度高校3年の時なんかにこの時期はずっと自宅待機だった訳で
これから自分はどうなるんだろうか、なんて漠然とした不安を抱いていた事を思い出した。
子供じゃいられなくなる怖さ。
「今を生き抜くために」って詞も、その時期にはピッタリなんじゃないかと思います。
という訳で「2月」、でした。では来月「3月」に、また。
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