超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

bloodthirsty butchers@Shibuya O-nest 10.2.26

2010-02-27 12:44:57 | ライブレポ


昨日は雨の中ブッチャーズ久々のワンマンへ。
久々という事もあってチケットはソールドアウト。満員の中での参加でしたが
ご存知の通りブッチャーズファンは紳士が多いので非常に落ち着いて観れました(笑)。
こういうのが自分には一番合ってるかもしれないね。
APOGEEとかTHE NOVEMBERS、OGREもそうだけど。
 あと外人の方が結構多かった。


入り口付近では新曲のPVと楽曲が流れていました。「ocean」。すでに口ずさめるレベル。




「満員御礼あざーす!」という吉村秀樹の挨拶と共に新曲「フランジングサン」。
ゆったりとボートを漕ぐようなアンサンブルに
「フランジングサン~」というサビの決めフレーズがアクセントになっている非常に彼ららしい楽曲。
一曲目にはぴったりな感じ。

その後の「襟がゆれてる。」と比べても全然色褪せてないメロディ。
てかいきなり古い曲来てビックリ(笑)。
しかも今日も小松さんのドラミングが尋常じゃないレベルで。
小松さんはもっと超絶ドラマーとして評価されてもいい気がする。
小松さんの動きを見てるだけでも面白いです。

そこから新曲「散文とブルース」。これがまたグッと揺さぶられるような切実さが前面に出た楽曲。
サビのフレーズが非常にシンプルで良い。
ちょっと覚えてないけれど。

もう一つ新曲をやってから(これも軽快な感じで良かった)、
新曲「ノイズ」も披露。ここまでの新曲の傾向を考えると、結構じっくりと聴く曲が多いような。
良い意味でいかついというか、ゴツゴツしてるというか。
次のアルバムはガッツリと聴けるものになりそうな。


んで中盤からは懐かしの名曲も披露、「プールサイド」はイントロ鳴っただけで歓声が上がるほど人気!
メランコリックなメロディと爆音の調和が何ともいえない感情を引き起こす。
懐かしいような、でも今にも通じるような。
 ついでに言えばこの曲個人的に大好きだったんで、それも嬉しくもあり。
向井秀徳がカバーしてたのも良かったなあ。

そこから「ALLIGATOR」で上がり調子に。
続く「Dischordman」といい、中々に面白い選曲だなあと思いつつ。
アリゲーターは、ここでも小松さんのドラムがちょっとヤバすぎた。
もう職人芸としか言い様のない繊細かつダイナミックなドラミング。叩き方。
一瞬バッサリ止めてからバシバシと畳み掛けて叩く部分は観ててちょっと感動するくらい格好良かった。


ここからライブも後半戦へ。
MCで「真央ちゃんの分まで頑張ります!」とタイムリーな宣言をする田渕ひさ子。
この人いつ観てもスッキリした顔立ちしてるなあ。いつまでも若い感じがする。
 「この物販のTシャツ、完全に「ターミネター」のパクリだから。完全にパクってるから!」
と何故かパクってるという部分を強調して話す吉村秀樹。この日はずっと鼻をすすってました。
「ターミネーター~」の下りはもしかして2だったかもしれない。うろ覚えですいません。

ここから再び新曲披露。
タイトル分かんなかったけど、これがメンバーみんな楽しそうに演奏してて
特に吉村秀樹の顔が演奏してる最中にみるみる変わっていくパートがあって、
鬼のような表情になったかと思えばいきなり大笑いしてるような表情になったりと
色々と驚かされる立ち振る舞いだったのが印象的。

もう一つ新曲、「幼少」。
これはメロの強さが前面に出てたかな?
個人的にはブッチャーズの新曲でタイトルが「幼少」、ってだけでもグッと来る部分があったり。
だってピッタリだと思うから。音楽性的に。

田渕ひさ子と良い具合にデュエットする「アハハン」は明るさが前に前に出ていて
この日のライブの中でも一番賑やかだったのでは。
「僕らの人生は続く」と吉村秀樹に歌われると、言葉以上の深さがあるなと。曲調は明るいんだけどね。

最後は新曲「ocean」で締め。
入り口で既に一度聴いていたので他の新曲よりも素直に乗れた。
メロディーラインが王道のブッチャーズという感じで、これまた素直に気持ちいい楽曲です。
「オーシャンが~♪」って脳内でリフレインしてしまう。


アンコールがこれまた濃ゆい内容で。
MCで「最近色々インタビュー受けてるので良かったら読んでみて下さい。
それ読んだら「無題」がどうして出来たのとか、よく分かるはず。「kocorono」の事も語ってます」
と言った後、その「kocorono」から2曲披露。
「12月」と「2月」だったんですが、
今聴いてもこれらのリズム感は独特なものだったんだなー、って思いつつ。
今でこそブッチャーズっぽさを髣髴とさせるバンド一杯入るけど
当時は「2月」なんてかなり新しい楽曲として響いてたんじゃないかと思う。
そんな事を思いつつじっくりと聴き入る。
ここでもこまっちゃんのドラムが最高。

「ギタリストを殺さないで」は、逆に演奏よりも吉村秀樹の歌が印象に残った。
あの頃聴いてたよりも随分ストレートな歌いなったような。
こういうの聴いてるとやっぱりブッチャーズは日本人ならではのバンドなんだなあ、って思う。
オルタナだしエモだけど、きちんと郷愁感と歌心がある感じが。


2回目のアンコールにも応えて、
これ個人的に一番テンション上がったんだけど、「JACK NICOLSON」!
この曲去年からずっとヘビロテしてた曲だし
当時よりも曲の価値が分かってきたところだったので
このタイミングで鳴らしてくれたことは私的にとても嬉しかった。
やっぱこの曲、相当の名曲だわ。
この曲もイントロの時点で歓声大きかったけど、やっぱ人気曲なんだろうな。
2回目のアンコールということでメンバーの演奏も熱い熱い!

しかしそれ以上に振り絞って演奏してたのが最後の最後、「時が止まる」。
もうあまりに音が厚すぎてトリップしてしまうぐらいのカタルシス、迫力。
でっかい音の塊をひたすらに投げつけられている感じ。
それを投げつけているメンバー達は、正に大樹のような感じ。
最後の最後でまたも最高沸点更新して大盛況の中ライブは終了。全17曲、2時間弱の公演でした。



総評としては、まず単純に新作のモードが垣間見れるライブでした。
結構「ブッチャーズっぽさ」というか
「ブッチャーズってこうなんだよ」ってのを提示していた新曲群だったような。気がする。
ライブで聴く限りでは。
音源で聴いたらまた違った感触もあるだろうけれど。
中でも「ocean」が一番キャッチーな感じかな?

もう一つ思ったのは、新曲多目のライブでも旧曲が違和感なく溶け込んでいるというか
端的に言うと表現の変わってなさを味わったというか。
「襟がゆれてる。」とか「Dischordman」とか、正にそう。
演奏も職人的な格好良さがありますが、楽曲に関してもブッチャーズ節一筋、オルタナ一筋みたいな
そういったこだわりを強く感じられる、そういうライブでもあったと思う。
何よりもプロとはこうである!ってことを強烈に。


そんなブッチャ-ズの新譜は3月10日発売。正しく「ロック」な作品に仕上がっているはず。
心して聴きたいと思う。


最後にセトリ
1.フランジングサン
2.襟がゆれてる。
3.散文とブルース
4.新曲
5.ノイズ
6.プールサイド
7.ALLIGATOR
8.Dischordman
9.新曲
10.幼少
11.アハハン
12.ocean
encore
13.12月
14.2月
15.ギタリストを殺さないで
encore
16.JACK NICOLSON
17.時が止まる

新曲と表記している曲は、多分新譜からだと思われます。


にしても帰ってからピープルとかノベンバを聴いてたら、やっぱブッチャーズに影響受けた部分あるのかな、
ってふと考えてしまった。
年齢的にも世代なんだろうなあ。勝手な推測だけど。
でもそう思えるのってなんだか嬉しいな。遺伝子が受け継がれているようで。