超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

エレファントカシマシ「CONCERT TOUR 2012 “MASTERPIECE”」@Zepp Tokyo 12.6.28

2012-06-29 23:01:45 | ライブレポ





昨日はエレファントカシマシのライブを観に東京はお台場まで。





新作「MASTERPIECE」を携えてのワンマンツアー、東京公演は富永さんの急病で延期になりましたが
見事元気でパワフルなドラムを見せ付けて非常に良い具合で復活してくれた印象のライブ
初期のナンバーの演奏も嬉しかったんですが
それ以上に新譜の曲がいちいち新鮮で楽しくて、
勿論定番曲でも最高に盛り上がってた印象ですが新譜の曲の盛り上がり方もまた個人的には印象的で
またこんな内容のライブを観に行きたくなる様な、それくらい素晴らしい内容のライブでした。
今も昔も宮本浩次の存在感とエネルギーは伊達じゃないレベルだなあと実感。
そして当たり前だけど歌がめちゃめちゃ上手くて感銘も受けました。
そんな夜の話、
一応セトリは毎回変えてるみたいですがツアー中であるのは確かなので、ネタバレは注意ですよ。では以下。






この日はいつもより一時間早く着いちゃって、何故かと言えばチケットの時間と
延期後の時間設定が違っていたのでそのまんま来てしまった自分の浅はかさを呪いつつも(笑)。
まあお台場なんて滅多に来る場所じゃないので適当にブラブラ歩きつつ
時間になって会場に入場
やっぱりエレカシともなると正直周りに若者少なめで
でも、そんないつものライブとは違う客層もまた新鮮ではあった
今のエレカシってやっぱり若者向けの音楽とは違って来てるのかしらん。普通に聴いて楽しいとも思うけど。
ただ、自分が若者かどうかは定かではないんですけどね(笑)。時間が来てライブ開始です。


「大地のシンフォニー」から地に足の着いた演奏と歌声で魅せるメンバー、
からの「優しい川」という正にオルタナティブそのものと言った感じの流れにビビる
この曲の歌詞は聴いてるだけで泣けてくるから不思議です。
その後に大好きな「化ケモノ青年」、
これもちょっと圧倒されるくらいに格好良かった。具体的に書くと、宮本浩次のオヤジ的な部分
それが洗練された感触で届けられてたから・・・かな?「酒持って来い」の連発がどうにも堪らず(笑)。
引きつったような歌い方と、それでも堂々としてるような佇まいが同時に味わえるのが最高だった。
元々好きな曲だけに、更にお気に入りになったような感覚があります。

これもまた大好きな「東京からまんまで宇宙」、若干テンポが上がって
微妙に疾走感すら感じるアレンジに仕上がってました。ジャキジャキと刻まれる鉄の音に魅せられる。
「約束」「ココロをノックしてくれ」と新譜の中でも特に沁み入るバラッドを連発
特に後者は切実な感情がフルに表現されてて、
更にサビもライブで聴くと思った以上に盛り上がってて素敵だった
前者に関しては「馬鹿だね俺は・・・」の歌詞の部分が特に沁みて沁みてしょうがなかった(笑)。
男性的にツボに来る部分を押しまくって来るから宮本浩次の歌は厄介でそれが素晴らしい。

アコギを持って若干ムーディな雰囲気で奏でられた「Darling」や
ライブではスピード感アップの上に、小気味よいカッティング&ロングバージョン化と
アルバムとは違う表情を見せていた「穴があったら入いりたい」に関しても最高で
特に後者はアルバムの中でも随一の盛り上がりを演出
「全部バレてるぜ御同輩」って歌詞
指摘のようで開き直りへの道標にもなってる最高の歌詞だと思う。自分もちょっと救われた部分、ある。
何度も繰り返し歌われるフレーズの気持ち良さ、ノリノリのメンバーと観客という条件も相俟って
中盤のハイライトとも言って良いくらいのカタルシスがこの曲にはありました。
最後、「今日はThursday」と呟く宮本さんも若干キュートで(笑)。


今や懐かしい部類に入る「眠れない夜」はセッションっぽいテイストが増幅されてて尚ベターに
初期の名曲「てって」はその歌詞の通りに自由に気ままに心リセット出来る様な
そんな豊かなメッセージ性、感情の吐露が魅力的な楽曲
続く「珍奇男」は・・・
完全にプログレ、オルタナの域ですね(笑)。多分10分以上演奏してたと思うんだけど
そんな自由気ままな宮本浩次の立ち振る舞いに普通に付いて行けるメンバーの力量もまた凄い。
半分ZAZEN BOYSのライブを観てるかのような感覚にもなりつつ、曲自体のインパクトも相当にデカい。
最近のファンが見たら確実に度肝抜かれる曲であったのは間違いないと思う。

「ご心配をお掛けしました・・・」という宮本さんのMCの後に
これまた爽やかで十分に気持ち、というか感情が伝わって来た「ワインディングロード」の心地良さ
そしてちょっと涙腺くすぐられた「七色の虹の橋」の宮本さん弾き語りも情景が見える出来、
やっぱり最新アルバムは名盤だと確信、
そんな思いの中で暴走奇天烈ナンバー「世界伝統のマスター馬鹿」を披露
ライブ向けなのは音源からして間違いないけど、生で聴くと迫力も段違い!
歌詞の意味不明さも更に研ぎ澄まされて聴こえて(笑)。「ボケナス」の部分はセリフで言ってました。

宮本さんがキーボードを弾きながらバンドと一緒に演奏した「飛べない俺」も雰囲気が良くて
本編最後の「我が祈り」ももう歌じゃなくて完全に汚い叫びになってる
それを今の年齢の宮本浩次がこなすっていうのも良い
迫力も衝撃も相応に
最後の最後まで観客を圧倒させる事に余念がない、そんな正しくロックバンドの洗礼を受けられたライブ
言葉にするまでもなく最高で、「MASTERPIECE」の楽曲の素晴らしさも改めて実感出来た出色の一夜でした。


アンコールでは、
名曲「今宵の月のように」を熱唱、
からの「so many people」はまるで若手バンドのライブみたいな盛り上がりと一体感!
宮本さんも富永さんのドラムを指して「絶好調!」と言ってましたがこの曲のドラムは特に最高
ただ迫力があるってだけでなく激しいリズムと若々しいスピード感が耳について
その上で聴き手を煽りまくるボーカリゼイションもまた恍惚
その流れで「ガストロンジャー」、
いつもの如く暴力的でライブ独自のアレンジもあって、他メンバーとの絡みもあって(笑)。
今じゃ完全に奇天烈な飛び道具からファン全員の黄金アンセムになってるその感覚も狂ってて面白いです。

最後の最後は「ファイティングマン」を文字通り戦うように熱唱して終了
宮本さんステージを去る時に観客に向かって全身を使って投げキッスしてたりとお茶目でした。
でも、石森さんのギターもまた若手なみの熱量でそこもまた凄かったな。
バースデイのフジイケンジもギターで参加
高緑さんの鉄壁のベースプレイと併せてアンサンブルの調子は正に絶好調、
好調が途切れないって意味合いでは本当に、正に!って感じのライブでしたね。
いつ聴いてもエレカシは凄いと感じる。






セトリ
1.大地のシンフォニー
2.優しい川
3.化ケモノ青年
4.東京からまんまで宇宙
5.約束
6.ココロをノックしてくれ
7.Darling
8.穴があったら入いりたい
9.眠れない夜
10.てって
11.珍奇男
12.ワインディングロード
13.七色の虹の橋
14.世界伝統のマスター馬鹿
15.飛べない俺
16.我が祈り
encore
17.今宵の月のように
18.so many people
19.ガストロンジャー
20.ファイティングマン





とにかく「世界伝統のマスター馬鹿」「東京からまんまで宇宙」「Darling」、
この辺りの曲が聴きたくて参加したライブでもあった訳ですが
蓋を開けてみると「穴があったら入いりたい」「ココロをノックしてくれ」「七色の虹の橋」等
そこまでライブ向けじゃないだろう、って思ってた曲が自分の中で意外にもグッと来たりで
そういう予想外な楽しさ、感動も大いに味わえた素晴らしい出来のリリースライブ
改めて「MASTERPIECE」ってアルバムを気に入れるには磐石の出来だったので
その意味でも参加は大正解だったかな、と。

あと、旧譜曲の選曲もまた今の自分の心境にピッタリな感じでそこもまた良かった
特に序盤の「優しい川」「化ケモノ青年」の流れは精神的にハッとせざるを得ないクオリティでした。
勿論「眠れない夜」「珍奇男」のインパクトも十分
そしてアンコールの「so many people」の磨き上げられっぷりもまた最高に響いた一夜
エレカシの魅力や特徴が最大限に発揮された抜群のライブだったかと思います。是非また近い内に行きたいです。

そして、何気に、意外な事にエレカシのライブレポって初めてでした。でもまた書きたいッスね。