超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

9mmの髭とNICOのASSHOLE 9mm×HiGE編@赤坂BLITZ 10.4.30

2010-05-02 01:42:20 | ライブレポ

という訳で昨日行ってきたHiGEのマンスリーライブのレポートです。
4~6月に掛けて行われる今シリーズ、
その名も「9mmの髭とNICOのASSHOLE」。
・・・改めて見返しても酷いタイトルですね(笑)。
案の定、会場に着いたらこのタイトルに関する話し声がチラホラと耳に入ってきました。
特に「NICOが不憫」ってのがよく聞かれたような。
別に聞き耳立てていた訳じゃないですけど。
でも、まあ、確かに。
ですね。


●9mm Parabellum Bullet
1.Cold Edge
2.Invitation
3.Vampiregirl
4.Psychopolis
5.Lovecall From The World
6.Sleepwalk
7.intercepter
8.悪いクスリ
9.砂の惑星
10.Termination
11.命ノゼンマイ
12.The Revolutionary
13.Living Dying Message
14.Black Market Blues
15.Punishment

これはなかなかの好セトリじゃないでしょうか。
まず「intercepter」「砂の惑星」が入ってる時点で個人的に嬉しい。
それから、全体的な流れも激しさ一辺倒にならずに
割と緩急を図っている感じで
そこら辺はHiGEファンを意識して組まれていたのでしょうか。
 実際MCを聴く限り、本格的な対バンはこれまであまりなかったみたいで、
そういう意味じゃちょっと初々しさも感じれて良かったですね。
HiGEとはそこまで接点なかったらしくて、
ちょっと菅原さんのMCがたどたどしかったですからね。
そこも味だなあ、と思いつつ。

取り敢えず、アルバムの新曲はどれも最高に気持ちが良い。
「Invitation」はあのドカドカなるリフの時点で問答無用にアガるし、
「Lovecall~」は既に鉄板な感じ。
なにより「The Revolutionary」の後半のサウンドの迫力がもの凄くて、
ここまでやってくれるか!みたいな気持ちに。
数年前、同会場で時雨との対バンで9mm観てたんですが
あの時と比べると単純にテクが上がったように思います。
や、あの時はあの時で超最高だったんですけどね。
未だに記憶に焼きついてるくらい。
でも、今の9mmも全然負けてはいませんね。

ってのを「悪いクスリ」で実は思ったり。
この曲以前よりもどんどんと踊れるようになってますね。
もちろん激しく、ではなくゆらゆらと踊る感じですけど。
ムーディな雰囲気のアンサンブルも、HiGEとの2マンという舞台には相応しかったのではないかと。
何気にこの曲がハイライトだったかもしれない。
 と言いつつ、実は大好きな「砂の惑星」でちゃっかりテンション上がってたり。
上がるような曲でもないんですけどね。
この曲は歌詞が特に好きなんで、歌に集中して聴いていました。
「捨てるべきものを~」の部分はやっぱり好きだなあ。ロックバンドらしくて。
 後何気に「Sleepwalk」の最後のドラム音が格好良すぎでしたね。


最後のBMB~Punishment区間はあまりの激しさにちょっとクラクラしつつ、
それでも最高沸点を刻んでスパッと去っていく9mmのステージ上の姿勢はやっぱり気持ち良いな、って
この日も感じました。
前回9mmを観たのが武道館の時だったんで、久々に近くで観れて嬉しかった。


数少ないMC。
「死ぬまで演奏してたらいいんじゃないかと思う(9mmが)」
「去年の夏、フェスティバルに出た時に須藤さんが俺等のライブを観てて、終わった後に「かっこいいね!」って。
・・・なんだか自慢話みたいになってるけど(笑)」
「9mmの髭って、髭が9mmなのか、それとも俺たちの髭の事なのか、どっちなんだろ?」
「今日は本当にどうもありがとうございます。残りのシリーズも是非楽しんでいって下さい」

全部うろ覚えですが、ニュアンス的にはこんな感じだったかと思います。
しかし改めて9mmの曲って覚え易いし、
メロディが良いんだなーって事を改めて感じました。
久々のライブ、という事で非常に楽しそうでもありました。
尚、打ち上げは翌日のアラバキで行うんだとか。



●HiGE
1.なんとなくベストフレンド
2.ロックンロールと五人の囚人
3.ネアンデルタールPunks Fuck Off!
4.溺れる猿が藁をもつかむ
5.ランチ
6.サンシャイン
7.ミートパイ フロム ロシア
8.D.I.Y.H.i.G.E
9.青空
10.ドーナツに死す
11.髭は赤、ベートーヴェンは黒
12,黒にそめろ
13.ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク
14.テキーラ!テキーラ!
15.ギルティーは罪な奴
encore
16.白い薔薇が白い薔薇であるように
17.下衆爆弾


なんという豪華なセトリ・・・!
いや、というか、一発目でここまでやっちゃっていいの?(笑)。
これ完璧すぎると思うんですけど。
聴きたい曲全部演ってくれたようなもんですよ。
ちょっともう、出し惜しみなさすぎで素晴らしいです。
そして5月と6月のセトリが早くも楽しみです。
どう変えてくるのかなー。

で、ここからが肝心な部分、セトリ自体ももちろん素晴らしかったんですが
それ以上にHiGEのパフォーマンス自体が素晴らしかったんですよ。
もう、どの曲もいちいち迫力がありすぎだし、
ただただ気持ちの良いロック・ミュージック、だけとして機能していたため
そりゃもう最高に踊れるロックンロール・パーティ状態。
対バンが9mmということもあってか、終始テンションは高め、
基本的にアゲ気味なセトリも手伝って、最高の快楽空間に仕上がっていました。
直前までお酒を飲んでいたのも大きかったかもなあ。
シラフであったとしても、超気持ち良かっただろうけど。

これはどこでも書かれていると思うんですけど、
やっぱりアイゴンの存在って大きいですよ。
まず安心感があるし、
単純に音の厚みも凄いことになっていて。
ツインドラムとトリプルギターって編成が如何に凄いか、ってことを実感しつつ
それでいてベースの存在感もそれらに負けてなくて。
その演奏力の高さは正直自分が思ってたよりずっと上で、
今のHiGEってかな~り良い感じなのでは?ってのをまじまじと感じる事が出来ました。
やっぱり今年は恐らく勝負の年だけあって、メンバーの気合も半端じゃないですね。
中でもボーカル須藤のテンションはず~っとハイだったような。


もう1~4曲目の時点で絶頂に達するくらい磐石のライブだったんですが、
何気に「ランチ」「サンシャイン」などメロウな曲の存在感も中々あって。
後者は奥田民生プロデュースの新曲なんですけど、
ちょっとキュートな感触とかもあったりして、
新鮮味のある方向を目指しているんだな、ってのが良く伝わってきました。

で、それの極みであったのが中盤披露された「青空」。
CMでしか聴いた事がなかったんですが、
これかなりの名曲ですよ・・・!!
思わず泣きそうになってしまったくらい、
じっくりと聴き入ってしまいました。
普段意味のない事を進んで歌ってるだけに、たまにこういう曲やられるとギャップで泣けてきます。
この曲っていつ音源化されるのかなあ。
って事も思いつつ。
てか望みつつ。

ハイライトは、やっぱり「ハリキリ坊や~」かな?
曲が始まる前に須藤寿が思いっきり、「ギャーッ!!」みたいなバカでかい咆哮を上げまして、
そのままのテンションで演奏されたこの曲は、
そりゃもう当然相応の突き抜けっぷりで鳴らされていましたよね。
その後の「テキーラ!テキーラ!」の「イェーイ!」ってお客さんに何度も呼びかけるコールも、
良い意味でイッちゃってる感じで面白かった。
「ミラーボール~」って歌詞の部分で本当に天井のミラーボールが回り出したり、粋な演出も。

でもアンコールの「白い薔薇~」「下衆爆弾」の盛り上がりも負けてはいません。
この曲の最中に9mmの事にも触れていまして、
須藤曰く「俺が9mmで良いと思うことは、まず、上手い!(演奏が)」と高らかに宣言、
拍手が起きつつ、
続けて「でも何より好きなのは彼らの心意気なんだよ!!」
と、9mmの心意気を絶賛。
その後「この曲は俺たちにとって始まりの曲なんだ。
またここから再び俺たちが始まるんだYO!!」と、
新生HiGEのスタートを堂々と宣言。
ここら辺の須藤さんのノリノリっぷりは半端じゃなかった。
あと、メンバー紹介の時にギターの斉藤さんが弾いたフレーズがかなり渋かったような。
「ここから誰一人減らず、増えず、来月再来月逢おうぜ!」と
よっぽどこの日のライブが手応え十分だった様子。
確かに全体的にポテンシャル高かったですもんね。
そんなゴキゲンなテンションのままに一気に奏でられた「下衆爆弾」は、正に威力満点!って感じでした。
こうして、怒涛のライブは終了。
気がつけばワンマンを2回観たかのような感触でした。
帰り際思わずニンマリと。



この日のライブって結構お互いがお互いを尊重し合ってたというか、
そういったムードが要所要所で流れていたんですけど
それを考えるとこのマンスリーライブの意図って
ただただ自分が好きなバンド、気になってるバンドを誘って最高の音楽を奏でる、ってのが目的なのかなって
終わった後少し思ってしまいました。
正直、思った以上に楽しくてバッチリなライブでした。
 特にアイゴン加入後のHiGEのアンサンブルの厚みをいち早く体験できた事は
個人的にかなり嬉しかったというか、得したなというか。
今のHiGEは観といて損はないと思いますよ。
9mmの新曲群もどれもきっちりとキマって響いていたし、
そういう意味じゃ最新の衝動を沢山感じ取れたライブ、とも形容できると思います。


「9mmの髭とNICOのASSHOLE」、初日は正しくバッチリ!な公演に仕上がっていたと感じました。
次は5月のORGEですね。
こちらもまた、ディープな一夜になりそうで楽しみなのです。
オルタナ対決!みたいな感じになれば面白そう。