骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

武蔵高萩駅を骨で聴く

2008-04-24 11:48:17 | 骨で聴く鉄道駅

 JR武蔵高萩駅は、1日の乗車人員が平均3,047人といいますから、首都圏の駅としては小規模といえる駅です。都心からの直線距離だけで見れば、もう少し乗降客が多くても不思議ではなさそうですが、JR川越線の駅だということも影響しているでしょう。実際、周囲はまだまだのどかな雰囲気を十分に残しています。

 武蔵高萩駅の現在の駅舎は2代目で、実は以前の駅舎、取り壊されてしまった駅舎にこそ大きな特徴がありました。
 開業以来の瓦葺の地上駅舎には貴賓室があったのです。

 貴賓室?

 不思議に思うのも当然です。この地域に皇族の御用邸はありません。
 時代は昭和初期です。
 昭和天皇が豊岡(現在の入間市)の陸軍士官学校の卒業式に昭和16年から昭和19年までの間に合計3回、行幸されていたのです。そのお召し列車が武蔵高萩駅に着いたというわけです。このときに使用された貴賓室が設けられていたちうことです。
貴賓室を持つということで豪華な駅だったといえます。
 しかし戦後から貴賓室としての利用はありませんでした。部屋の中のシャンデリアなども撤去され、取り壊される前は駅の倉庫的な役割しかなかったといいます。

 現在の駅舎は機能的になり、当時をしのばせる雰囲気はまったくありません。
 
 軍隊の町だった場所の中心駅は現代の駅舎に変貌し、走る列車も電化され、時代の流れをそのまま感じます。昭和初期を思い出す旅として訪れたとしても、面影だけが浮かぶだけかもしれません。でも、それだからこそわざわざ武蔵高萩駅に行く価値はあるのかもしれません。
 骨で聴きましょう。骨伝導です。⇒ 骨伝導について

       



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