東北復興支援として被災地へのボランティアと、周辺地の経済復興としての観光を支える旅を、骨伝導とともに実施しています。「骨で聴く鉄道駅」のシリーズでも、被災地の駅を取り上げることにしました。
JR東日本・三陸鉄道・岩手開発鉄道のターミナル駅である盛駅です。東日本大震災の津波の被害を受けた岩手県大船渡市盛町にある駅です。
駅の規模に対して、盛駅は重要な接続駅となっていて、JR東日本の大船渡線、三陸鉄道の南リアス線が乗り入れ、さらに岩手開発鉄道の日頃市線と赤崎線が乗り入れています。もっとも岩手開発鉄道の2路線は現在は貨物列車のみの運行ですが、1992年(平成4年)までは、日頃市線は旅客営業を行っていました。
震災直後の大船渡市の被災状況は、
(1)人的被害
死者 173名
不明者 58名
負傷者 5名
(2)避難者数
7,545人
(3)家屋被害
住家全壊2556
床下浸水多数
(4)その他被害情報
マイヤ本店屋上53名→救助
プラザホテル15~30名→救助
まるごビル3名(1名歩行不能)→救助
ただの旅館3名→救助
北日本ブライウッド屋根に2名→救助
盛駅まで浸水
末崎、細浦被害甚大
末崎太田団地被害甚大、建物倒壊被害甚大
三陸の園では30名流された
三陸ヘリポート利用不可
市内倉庫1,2棟火災あるも鎮火状態
引用:2011/03/13(日)岩手県大船渡地方の被害状況
震災当日の14時45分、大船渡線の列車は盛駅の隣の大船渡駅を出発し、一ノ関駅に向けて出発しましたが、その後大津波警報が発令され、大船渡魚市場付近で列車は停止することになりました。
⇒ 一ノ関駅を骨で聴く
乗務員の迅速な対応により乗客は無事避難することができました。丁度この地点は海側よりも少し高い部分を走る区間だったことで、車両は津波にのまれることを免れました。それでも気動車なので、下回りエンジン・機械等は海水を被ってしまったようです。
盛駅でも構内の線路にまで水が襲ってきました。1番線ホームに止まっていた車両「キハ100」は「特休」の張り紙が貼られ、後日「一休」に変わりました。
しかし盛駅は大船渡港の奥にあるせいで、幸いなことに、駅そのものは津波被害を大きく受けているわけではありません。駅舎も以前のままで、被災した他の駅と比較すると深刻な被害はない方でしょう。ただ鉄道が通常に稼動していない駅は、やはり寂しいといえます。そして何より盛駅からたった数百メートルで津波被災エリアになります。ここでは全く異なる世界になります。景観はまさに地獄絵図です。
骨伝導が活躍する場面は、復興を待たなければならないのかもしれません。ただ被災したことで補聴器を失った方も多いでしょう、そんな方に気軽に使える骨伝導機器は意味があるかもしれません。特に非難している方には有効だと思います。大船渡の隣に位置する陸前高田市には、特許保有メーカーのテムコジャパンより骨伝導きくちゃんが10セット贈られました。
⇒ 陸前高田ボランティアセンターを骨で聴く
大船渡市には残念ながら贈呈できませんでしたが、今後そのような機会はあるかもしれません。東北復興のために出来ることは限られていますが、できることを確実にしていきたいものです。骨伝導が果たす役割もより大きくなるのかもしれません。
⇒ 特許技術の骨伝導
盛駅が往年のターミナル機能が戻る日がいつなのか分かりませんが、震災がなければ旅情満天の駅ですので、ぜひとも復活して欲しいものです。