骨伝導とともに駅を「聴く」旅は、今回、世田谷線の上町駅です。
三軒茶屋と下高井戸を結ぶ東急世田谷線の中心駅で、無人駅ばかりの路線にあって、途中駅で唯一駅員のいる駅でもあります。
相対式ホーム2面2線は、世田谷通りをわずかに外れた位置にあり、二つのホームは踏切を挟んで斜向かいに設置されています。しかも駅の地点で線路が大きくカーブしているため、独特な駅の構造になっています。
しかし、かつては三軒茶屋方面のホームの向かい側に下高井戸方面のホームがありました。これが移動したのは、車両基地の設置が要因です。現在では三軒茶屋方面行きのホームからはそれぞれのカラーの世田谷線車両を見ることもできます。
三軒茶屋方面のホームにのみ駅事務所や改札(?)があり、特筆すべきは世田谷線駅唯一のトイレもあります。このトイレはユニバーサルデザインの一環として車椅子やオストメイトなどの使用に対応しています。
世田谷線は都電荒川線とともに東京都内に残っている路面電車形式の軌道線ですから、鉄道ではあってもバス感覚にも近い路線です。この上町駅だけが始発と終点を除けば唯一鉄道の駅らしさがあります。それだけに駅周辺は、他の世田谷線各駅と異なり「駅前」らしさも感じたりします。
世田谷通りの交通量の激しさと、世田谷線の音が混ざり、米軍で採用された特許技術の骨伝導は大いに活かされる場所です。
⇒ 特許技術の骨伝導製品
でも、難聴でない方を除き、この駅周辺の音は騒音と感じない雰囲気があります。