東日本大震災で被災し、大津波によって甚大な被害を受けた陸前海岸北部の中核を成す陸前高田市は、隣の大船渡市とともに旧・陸前国気仙郡になります。
東日本大震災による大津波は、市中心部を完全に壊滅させました。市庁舎も含め市の全世帯中の7割以上が被害を受けたほどの規模です。市内のJR東日本の5駅のうち4駅までもが駅舎の流失を招いたほどでした。当然、線路も大きな被害を受けました。具体的にはJR大船渡線の竹駒駅・陸前高田駅・脇ノ沢駅・小友駅です。
GPSによる国土地理院の調査が行われ、この震災により岩手県・宮城県・福島県の広範な沿岸地域において、著しい地盤沈下があったことが明らかとなりました。最大は牡鹿半島の-120cmでしたが、陸前高田市も小友町西の坊が-84cmという驚くべき数値が出ています。
リアス式海岸が続く三陸海岸南部に位置する陸前高田市は、西の唐桑半島と東の広田半島に挟まれた広田湾の北奥に小さな平野が広がっています。この広田湾に気仙川が流れ込み、川が運ぶ土砂で形成された砂浜は高田松原と呼ばれていました。テレビでも松原が消失し、1本だけ残ったことが報道されています。この高田松原の北側が市の中心部で、リアス式海岸が続く沿岸部の中では広い平野部といえます。
それがこの大津波で災いしてしまいました。平野部が広いということは他の町のように、すぐに山が迫っているわけではなく、避難場所までの道のりが長いことを意味します。
市街地は重機が入り、瓦礫の撤去が続いています。そのせいか広大な遺跡のような光景となっています。ここに都市があったことが想像できないような状態です。
しかし少し内陸部に入ると、まだまだ瓦礫の山で、斜面に沿って、被災した家と免れた家との境界線があらわれます。その見えない境界線に瓦礫が堆積しているのです。ボランティアの方がやれることも限度があり、まだまだ復興の光は射していない印象です。
この壊滅的被害の陸前高田市には、骨伝導の特許保有メーカーである株式会社テムコジャパンが、国内の販売企画を担当する株式会社ピーエムコーポレーションと訪れ、骨伝導音声増幅器のきくちゃんを10セット寄贈しました。
避難所で生活される高齢の方のために、社会福祉協議会・ボランティアセンターを経由して贈られました。
⇒ 陸前高田ボランティアセンターを骨で聴く
⇒ 被災地に「聞え」のプレゼント
ここまでの悲劇を経験した陸前高田市が今後、どのように復興していくのか、骨伝導が果たす役割は何のか、改めて考えたいと思います。
⇒ 復興に協力する特許技術の骨伝導