先日、テレビで、トルストイとその妻の日記を交互に朗読する番組を放送していました。
広大な領地をもつロシア貴族の子弟に生まれたトルストイは、裕福な生活をしていました。愛する人と結婚し、13人の子どもにもめぐまれた。作家としての名声もたいへんなものでした。
若くして富と名声と家族にめぐまれたトルストイは、身内の何人かの不幸を契機に、人生とは何かを真剣に考え始めました。そして、次第に奴隷のように悲惨な農民たちに共感し始めました。
トルストイは、やがて、自分の全財産を貧農たちに与えようと考え始める。家族は、理解できません。そして、その時から家族に亀裂がはいりはじめる。
自分だけでもすべてをすてて、貧農たちとくらそうとするトルストイは、妻の精神に異常がおきはじめてそれもできない。
トルストイを理解したのは、たった一人の娘だけでした。
ヒンズー教やバラモン教では、人生を4つの時期にわけて生きようとする。第三の林住期には、家族も富も名声もすてて、ただ一人林に分け入り解脱をめざします。バラモン教の社会システムでは、妻も家族も社会もそれを理解する。
本だけをもって、林の中でただ一人生きる。なまなましい人間の生き方を肯定するバラモン教には、さまざまな教義に強くひかれる部分があります。
『人生論』など、トルストイの本を何冊か購入して読んでいます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます