いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

さあ、岸田さん、これからどうしますか。 now, Mr.kishida, what to do in future

2022-05-25 20:20:26 | 日記
 (1)今回のバイデン大統領の初来日は「逆風」と書いたが、中国封じ込めクアッド首脳会議に日本を取り巻く事情もあり台湾有事で米軍関与を「yes」と明言して中国の反発を買い、主目的の日米豪印4か国(クアッド)首脳会議も露、中への直接的な非難、決議を明示できなかった。

 クアッド会議を主催した岸田首相は豪新政権、印の露との深い関係、立場を考慮して同会議をとりまとめて、来年G7日本での広島開催を公表して一定の成果、役割を果たしたといえる。

 (2)バイデン大統領に対して防衛費増額を約束して、反撃能力を排除しないことを述べて野党、国民には必ずしも理解が得られていない領域の米国依存の姿勢をみせたが、直近のメディアのアンケート調査ではそれらの国民の支持は高い結果を示している。岸田首相にとっては今回の4か国クアッド会議は「追い風」となった。

 (3)この追い風に乗って7月の参院選に臨みたいところで、これに立ちはだかるのが13年振りの物価上昇2.1%の軒並み続く物価値上げで国民の生活、家計を圧迫している社会だ。成長と分配の好循環による新しい資本主義を目指しているが、それを支える大企業では2.7%程度の賃上げがみられるが社会全体としては物価値上げが帳消しにして苦しい国民生活だ。

 (4)岸田自民党の参院選には不利な条件が続くが、参院選予想では「1人区」の3分の2の21選挙区で野党系の競合が予想されて岸田自民党にとっては有利な選挙戦が予想される。露のウクライナ軍事侵攻、中国の海洋進出、北朝鮮の核、ミサイル軍事圧力で日本国民にも防衛意識の高まりがみられて政治の安定を求める志向もあり、物価高騰が早くから既定事実のように受け取られて国民意識も保守意識の小市民的意識(the petite bourgeoisie)に変わっている。

 (5)これまでの岸田首相の政権運営をみていると何かを突破する力は感じられずに同調、協調姿勢が際立ち、ウクライナ戦争での露に対する自由主義圏の協調、結束が必要な世界情勢に適合しているともいえて岸田首相には追い風になっているともいえる。

 しかし当初は安倍元首相、菅前首相の保守思想の強い権威主義、官邸主導政治とは違う国民の声をよく「聞く耳」の特性を持っていると自賛していた岸田首相だが、目指す新しい資本主義が何だかわからないうちに自民党の本来の持つ保守思想の強い理念、政策、方針に方向転換する姿勢が強くなり、強いものに巻かれる政権安全運営姿勢も目立つようになっている。

 (6)参院選は政権選択選挙ではないがコロナ後、ウクライナ戦争後の変化の時代で目指す岸田政治、政権の具体的な道筋、政策、方針を国民に示して評価、判断を求める時代的要請、必要がある。大きな外交日程も終わって、さあ、岸田さん、これからどうしますか(now, Mr.kishida, what to do in future)。

 

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台湾有事の「yes」。 'yes' speech in time of emergency of Formosa

2022-05-24 20:16:07 | 日記
 (1)来日中のバイデン大統領が岸田首相との日米首脳会談の後の共同記者会見で米国記者から「有事には台湾の防衛に軍事的に関与する意思があるか」と質問され、即座に「yes」と直入に答えた。記者からさらに「意思があるのか」と確認されると「我々が約束した責務だ」と念を押した。

 (2)米国は一つの中国を認め台湾とは外交関係を持たずに、しかし同じ自由主義陣営として台湾現政権とも軍事面でも協力関係にあり、これまで台湾防衛義務をするともしないとも意図的に明確にしない「あいまい戦略」をとっている。中国を刺激しないで、しかし友好関係にある台湾も見捨てない米国の意図のあらわれだ。

 (3)バイデン大統領はこれまでも2回同様の台湾有事の際の米国の軍事的関与発言をしてその都度ホワイトハウスは釈明に追われて、今回もバイデン大統領は「台湾に対する政策は全く変わっていない」と先に念押ししての冒頭の「yes」発言だ。

 バイデン大統領の台湾擁護の強い思い入れのある発言で、台湾海峡有事は日本にとっても有事だとする意見は自民党内にもあり米国との「核共有論」もあり岸田首相はこれまでの日本の非核三原則を堅持すると明言して否定しているが、バイデン大統領の「yes」発言はこうした日本訪日の事情、背景もあってのことが考えられて日本ではかねがね日米安保条約で米軍に日本防衛義務(第5条)が規定されているが、いざという時に本当に米軍は日本を守るのかの疑念は潜在的にあり、台湾とは日米政治、外交、軍事、防衛の本質的な違いがあるがこうした日本での事情を考慮した今回のバイデン大統領の「yes」発言という意味合いを強くする。

 (4)バイデン大統領の「台湾に対する政策は全く変わっていない」と念押ししての台湾有事に軍事的に関与するバイデン発言は確信的であり、中国の台湾海峡軍事けん制に対抗する強い姿勢を示したものであり、本日開催された中国封じ込め、対抗策の自由で開かれたインド太平洋日米豪印4か国(クアッド)首脳会議を意識したものともいえる「yes」発言だ。

 (5)日米首脳会談では岸田首相は「防衛力の抜本的な強化を行う。防衛費の相当な増額を確保する決意を述べた」、「反撃能力を含めてあらゆる選択肢を排除しない旨も述べた」(共同記者会見岸田発言)といわれる。

 (6)自民党内からもGDP2%の防衛費増額の要求があり、敵基地攻撃能力(その後反撃能力と変更)に応えたものだが、メディアの国民アンケート調査でも防衛費増額について大幅に増やすべき26%、ある程度は増やすべき50%と「76%」が防衛費増額に賛成し、自衛隊の反撃能力の保有に賛成「66%」と反対22%を大きく上回った。

 (7)ウクライナ戦争を背景に中国、北朝鮮の軍事的脅威に対する警戒、防衛力強化の意識が国民に高まっており、それはまた過去の日本のアジア植民地支配による歴史認識問題からアジアからの強い警戒感を呼び起こすものだ。

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バイデン大統領の逆風訪日。 visit to japan of a contrary wind of president Biden

2022-05-23 20:19:49 | 日記
 (1)バイデン大統領が初来日した。日本訪問が主目的でなく日米豪印(クアッド)首脳会議を日本で開催するのに合わせた来日だ。岸田首相とは初めての対面での日米首脳会談となる。これまでは日本の首相が交代すればまず日本の首相が訪米して米大統領と首脳会談を行うことが慣例であったが、コロナ感染拡大に露によるウクライナ侵攻があり、またバイデン大統領がEU重視の外交政策を掲げたことも影響しているとみられる。

 (2)米国の保守的共和党政権に比べてリベラル民主党政権は従来から日本に対しては形式主義的で関係が浅いともいわれて、米民主党バイデン政権としても要所で日本を頼りにしながら日本の協力は取りつけてもバイデン政権は日本とは直接的な深い関係構築とはいえない状況だ。

 バイデン政権は中国を唯一の競争相手と位置づけて中国との対立姿勢を鮮明にしており、また核、ミサイルで米国を挑発する北朝鮮対策としても日米韓同盟、協力関係は重要であり、G7日本との同盟、協力関係は必要とみられる。

 (3)しかし、沖縄返還50年を迎えて沖縄米軍基地問題では沖縄県が辺野古移設への反対行動を続けており、岸田首相は被爆地広島県選出の首相として国連の核兵器禁止条約には米国に同調して参加していないものの「核兵器のない世界」をテーゼとしており、基本的なところで米国とは一枚岩といえる関係ではない。

 (4)日本が主導するTPP経済協定でも米国は参加せずに独自の2国間経済協定を優先して、中国を念頭にインド太平洋経済圏構想(IPEF)を今回の日本訪問で立ち上げてこれに日本も参加する意向だ。

 (5)米国にとっては中国封じ込め、対抗の日米豪印4か国会議(クアッド)だが、露、中国を巡ってはこちらも一枚岩とはいかない。露への経済、金融制裁でも露との兵器供与で深いつながりのある印は参加せずに、豪も今回の日本でのクアッド首脳会議直前の総選挙でこれまで中国に対立姿勢を強めていたモリソン首相の与党保守連合が中国に理解をみせる労働党のアルバニージー党首に敗北して直前に政権交代となり、果たしてバイデン大統領の中国封じ込め、対抗手段のクアッド4か国の半数の印、豪の思惑違いが出ることになれば結束に問題もある。

 (6)今回のクアッド開催国の日本の岸田首相としては結束、取りまとめに苦労することも考えられ、豪アルバニージー新首相の方針がどう打ち出されるのか、バイデン大統領にとってもいい話ばかりではない初来日の逆風(a contrary wind)といえる。

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誤って送金のセオリー。2 theories of mistaken remittance

2022-05-21 20:10:33 | 日記
 (1)山口県阿武町で起きた町役所がコロナ対策給付金4630万円全額を誤って名簿リスト最上位の住民に振り込まれた事件は、コンピューター処理だから起きた事件で安全確認システムが欠如していた。

 PCは通常はキータッチひとつで取り返しのつかない誤作動が勝手に動き出す決定力があり、たとえば手作業手続き処理で行うものであれば故意、意図的でなければ「絶対」に起きない誤りだ。

 (2)これまでも自治体でこうした誤作動による送金業務で問題が起きた事例はあり、安全確認システムの構築は必要だった。ただ、自治体としてもあきらかに誤って送金したものは本来受け取るはずのない住民が返金することを前提として考えているので(多分)、その後の対応には町長が言うように「油断」があった。

 (3)受け取った住民にも本来受け取るべき金額でもなく、それを故意に利得、隠蔽すれば事件当事者となることは明白なもので、今回冒頭例では送金額を全額他の口座に移し替えて海外オンラインカジノで使ったと犯罪性を自覚し、証言している。

 入金から不正使用までエビデンス(evidence)がそろっている事件を起こして、当の住民はいいのがれもできずに人生自暴自棄で大阪で起きたクリニック放火事件の精神構図に似ている。

 (4)ところが、誤入金された現金を引き出す行為については、刑事と民事裁判で正反対の判例がみられる。最高裁の刑事裁判では不当利得として詐欺罪と同じ10年以下の懲役刑判例があり、同民事裁判では誤入金でも正当な取引として扱い、現金を引き出す行為を認める(返還を求める権利は認める)判例がある。

 (5)現在当の住民は電子計算機使用詐欺容疑で逮捕されており、刑事事件として扱われている。誤送金でも正当な取引として扱う判例は手続論、形式論重視で、自ら要請したわけでもなく勝手に送金、振り込みされた受け取り側の「迷惑利益」を守る判断であり、口座金額から「どれにあたる」カネを引き出したのかわからない場合もあり、「善意の第三者」の立場を守る法理論もある。

 (6)自治体の給付金となれば国民投資(税負担)が原資であり、誤送金で受け取るはずがない人が受け取るということがあれば国民投資(税負担)が不利益を受けることであり、返還義務は当然の論理だ。

 (7)コンピューターが社会規律をつくっているわけではなく、間違いを起こす人間がつくるパラダイム(paradigm)社会となれば安全確認システム(本当に実行していいですか)の構築は必要だ。

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電力自由化の設計破たん。a design collapse of liberalization of power

2022-05-20 20:31:20 | 日記
 (1)政府は財政規律維持から民間にできることは民間にの方針で国鉄(JR)、たばこ(JT)、電電(NTT)、郵政の民営化を進めて、「JR」は全国を6ブロックに分けて基幹会社に運営、営業を委ねて私鉄とのスミ分けをしてJRの民営化は軌道に乗ったといえる。

 新幹線の全国縦断化、拡大路線もJR民営化の成功につながった。交通の経済、社会構造改革を進めた結果だ。NTTはインターネット、ケイタイ、スマホの経済、社会構造革命の時流に乗って成長した。

 (2)電力事業はJRと同じ手法で全国10ブロック化でスミ分けされて水力、火力発電から原発電力稼働で電力安定供給を目指したが、東日本大震災の福島第一原発事故で「原発神話」が崩壊して原発電力供給体制の見直しに迫られて、火力発電は日本政府が世界の温室効果ガス削減目標に沿って50年カーボンニュートラル実現を目指す中で将来廃止が求められて、再生可能エネルギーへの転化が緊要な課題、対策となっている。

 (3)日本の電力料金が海外に比較して高いとの指摘を受けて、政府は競争市場原理の電力の自由化をはかり民間の「新電力」の参入が相次いだ。今回世界的な原油高騰に露のウクライナ戦争に対する経済制裁強化で露からの石油、ガスの天然資源の禁輸を実施したことで新電力企業が石油、ガスの供給不足に陥って電力事業からの撤退が相次いで電力の自由化(liberalization of power)は破たんしている。

 (4)JR、通信事業のように新技術開発、長期展望に最先端技術開発、IT、ケイタイ、スマホ時代の市場拡大もなく、電気料金の値下げ、安定だけでは電力事業の将来成長が見込まれずに新電力企業の潜在能力にも限りがあり、電力の安定供給に不安はつきまとっていた。

 ガス料金とのタイアップなど料金値下げだけでは電力市場の成長には限りがあり、将来市場開発にはつながらない。

 (5)インターネット、ケイタイ、スマホ時代の経済、社会革命のように「再生可能エネルギー」社会開発をリードする企業戦略、時代改革への取り組みが必要だった。太陽光発電は政府の制度設計上の問題(未設置者も均等過重負担)があり、国民負担を押し付けて事業拡大を進めようとした安易なネガティブ志向が市場開発拡大につながらずに太陽光発電からの事業撤退が続いたといえる。

 (6)日本は良質で豊富な水資源、山林資源、地熱資源、海洋資源を有しているのでカーボンニュートラル、再生可能エネルギー社会に結びつける経済、社会構造改革に取り組む必要がある。

 

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