(1)政府は財政規律維持から民間にできることは民間にの方針で国鉄(JR)、たばこ(JT)、電電(NTT)、郵政の民営化を進めて、「JR」は全国を6ブロックに分けて基幹会社に運営、営業を委ねて私鉄とのスミ分けをしてJRの民営化は軌道に乗ったといえる。
新幹線の全国縦断化、拡大路線もJR民営化の成功につながった。交通の経済、社会構造改革を進めた結果だ。NTTはインターネット、ケイタイ、スマホの経済、社会構造革命の時流に乗って成長した。
(2)電力事業はJRと同じ手法で全国10ブロック化でスミ分けされて水力、火力発電から原発電力稼働で電力安定供給を目指したが、東日本大震災の福島第一原発事故で「原発神話」が崩壊して原発電力供給体制の見直しに迫られて、火力発電は日本政府が世界の温室効果ガス削減目標に沿って50年カーボンニュートラル実現を目指す中で将来廃止が求められて、再生可能エネルギーへの転化が緊要な課題、対策となっている。
(3)日本の電力料金が海外に比較して高いとの指摘を受けて、政府は競争市場原理の電力の自由化をはかり民間の「新電力」の参入が相次いだ。今回世界的な原油高騰に露のウクライナ戦争に対する経済制裁強化で露からの石油、ガスの天然資源の禁輸を実施したことで新電力企業が石油、ガスの供給不足に陥って電力事業からの撤退が相次いで電力の自由化(liberalization of power)は破たんしている。
(4)JR、通信事業のように新技術開発、長期展望に最先端技術開発、IT、ケイタイ、スマホ時代の市場拡大もなく、電気料金の値下げ、安定だけでは電力事業の将来成長が見込まれずに新電力企業の潜在能力にも限りがあり、電力の安定供給に不安はつきまとっていた。
ガス料金とのタイアップなど料金値下げだけでは電力市場の成長には限りがあり、将来市場開発にはつながらない。
(5)インターネット、ケイタイ、スマホ時代の経済、社会革命のように「再生可能エネルギー」社会開発をリードする企業戦略、時代改革への取り組みが必要だった。太陽光発電は政府の制度設計上の問題(未設置者も均等過重負担)があり、国民負担を押し付けて事業拡大を進めようとした安易なネガティブ志向が市場開発拡大につながらずに太陽光発電からの事業撤退が続いたといえる。
(6)日本は良質で豊富な水資源、山林資源、地熱資源、海洋資源を有しているのでカーボンニュートラル、再生可能エネルギー社会に結びつける経済、社会構造改革に取り組む必要がある。