いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政府の子会社。 a subsidiary company of the government

2022-05-13 20:21:27 | 日記
 (1)安倍元首相の「日銀は政府の子会社」発言は、安倍第2次政権誕生によるアベノミクスによりデフレ脱却を目指して市場にカネを流通させるために安倍元首相は当時としては金融理論としては少数派のリフレ派の黒田東彦氏を日銀総裁に据えて従来の2倍といわれるカネを市場に供給してその財源として日銀が大量の国債を買い入れる大胆な金融緩和策を実施した経緯から、安倍元首相にとっては指示通りの日銀は「政府の子会社」(a subsidiary company of the government)という認識だったのだろう。

 (2)今は首相を退き、党内最大派閥の会長とはいえ、新しい資本主義、成長と分配の好循環を目指す他派閥の岸田首相が政権を維持しており、安倍元首相の「日銀は政府の子会社」発言はさして問題視されていないが国民、日銀にとっては容易ならない発言だ。

 (3)アベノミクスは円安株高効果とともに大企業、富裕層に利益効果を生んで一時経済、景気回復に向かわせた。株価は前民主党政権下での7千円台から2万円台にまで押し上げて、大企業、富裕層の増益に貢献した。

 しかし本来は政府の金融政策の調整、調停機関の日銀の独立性が求められる中で、海外市場からは政府の金融政策を補完する日銀に対して批判的な見方がひろがり、国債発行に頼る借金財政の国家累積赤字1千兆円超えの債務国として不安が指摘された。

 (4)長期デフレ不況で物価が上がらずに賃金も上がらない中で日銀は物価上昇2%達成を目指す大胆な金融緩和策を実施したが一向に実現できずに、その後日銀はマイナス金利策を継続していち早く金利上昇に転じた米国との金利格差により原油高騰もあり、反動として輸入物資の物価高騰で今は「悪い値上げ」といわれる軒並みの物価値上がりが続いている。

 (5)コロナ対策もあり国の長期債務残高(借金)が1017兆円余となり過去最大を更新した。財政健全化(プライマリーバランス)は先送りされて、国、政府は必要な時には借金をしてでも政策、対策を実施しなければならないが財政健全化は必要であり、元首相が日銀を「政府の子会社」として考えて利用しては国民投資(税負担)の国家財政論としては負担、秩序がもたない。

 

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