いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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バイデン大統領の逆風訪日。 visit to japan of a contrary wind of president Biden

2022-05-23 20:19:49 | 日記
 (1)バイデン大統領が初来日した。日本訪問が主目的でなく日米豪印(クアッド)首脳会議を日本で開催するのに合わせた来日だ。岸田首相とは初めての対面での日米首脳会談となる。これまでは日本の首相が交代すればまず日本の首相が訪米して米大統領と首脳会談を行うことが慣例であったが、コロナ感染拡大に露によるウクライナ侵攻があり、またバイデン大統領がEU重視の外交政策を掲げたことも影響しているとみられる。

 (2)米国の保守的共和党政権に比べてリベラル民主党政権は従来から日本に対しては形式主義的で関係が浅いともいわれて、米民主党バイデン政権としても要所で日本を頼りにしながら日本の協力は取りつけてもバイデン政権は日本とは直接的な深い関係構築とはいえない状況だ。

 バイデン政権は中国を唯一の競争相手と位置づけて中国との対立姿勢を鮮明にしており、また核、ミサイルで米国を挑発する北朝鮮対策としても日米韓同盟、協力関係は重要であり、G7日本との同盟、協力関係は必要とみられる。

 (3)しかし、沖縄返還50年を迎えて沖縄米軍基地問題では沖縄県が辺野古移設への反対行動を続けており、岸田首相は被爆地広島県選出の首相として国連の核兵器禁止条約には米国に同調して参加していないものの「核兵器のない世界」をテーゼとしており、基本的なところで米国とは一枚岩といえる関係ではない。

 (4)日本が主導するTPP経済協定でも米国は参加せずに独自の2国間経済協定を優先して、中国を念頭にインド太平洋経済圏構想(IPEF)を今回の日本訪問で立ち上げてこれに日本も参加する意向だ。

 (5)米国にとっては中国封じ込め、対抗の日米豪印4か国会議(クアッド)だが、露、中国を巡ってはこちらも一枚岩とはいかない。露への経済、金融制裁でも露との兵器供与で深いつながりのある印は参加せずに、豪も今回の日本でのクアッド首脳会議直前の総選挙でこれまで中国に対立姿勢を強めていたモリソン首相の与党保守連合が中国に理解をみせる労働党のアルバニージー党首に敗北して直前に政権交代となり、果たしてバイデン大統領の中国封じ込め、対抗手段のクアッド4か国の半数の印、豪の思惑違いが出ることになれば結束に問題もある。

 (6)今回のクアッド開催国の日本の岸田首相としては結束、取りまとめに苦労することも考えられ、豪アルバニージー新首相の方針がどう打ち出されるのか、バイデン大統領にとってもいい話ばかりではない初来日の逆風(a contrary wind)といえる。
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