いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

G7の結集力。 power of concentration of G7

2014-03-26 19:44:56 | 日記
 (1)世界の勢力図がG8からG20に移ったといわれるのも、政治力の影響力が比較落ちて経済力の影響力が増した「G0(zero)」時代の結果だ。
 これまでの唯一の覇権国家として先進国G7,G8の中心軸として世界政治、軍事情勢に君臨してきた米国は、シリア情勢でもロシアに主導権を取られて政治、軍事介入を中止に追い込まれたが、これまでのように米国議会、国民の支持を取り付けれなかったことが緊急軍事配備までして敢然と軍事介入に踏み込めなかった原因だ。

 米国内には国家財政の危機、不安(毎回のようにデフォルト危機を迎える)とアフガン、イラク軍事介入の失敗の教訓からの国民の厭(えん)戦気分が外国への軍事介入にストップをかけた。

 (2)そうした米国の威信低下の足元を見越して、ロシアはシリア情勢では後ろ盾としての立場を利用してシリア国内の化学兵器の国際管理下での廃棄処分で得点をかせいで、今度はウクライナのクリミア半島の編入帰属問題では欧米各国ほかの非難を押し切って迅速に編入決定して、政治的「G0」時代に独自の政治影響力を展開している。

 オバマ大統領はこれに対する国際的批判を背景にしてオランダでの核安保サミットに合わせてG7の緊急首脳会議を招集して、先進国「結集力(power of concentration of G7)」でロシアへの制裁を主導した。

 (3)オランダで開催された同核安保サミットに参加した中国にも一定の理解をとりつけて、ロシア孤立化に向けてロシアの「エネルギー無力化(energy powerlessness policy)」(報道)経済制裁を打ち出した。
 シェールガス革命でエネルギー自給の目途のついた米国のエネルギー政策協力、連携による欧米、日本ほかのロシアエネルギー無力化制裁だ。

 国際情勢の軸はG7,G8から新興国を含めたG20へ移行したとはいえ、「政治力」だけを見れば影響力は落ちたとはいえG7(今回はロシアは除外)の揃った顔ぶれは「結束」すればあなどれるものではない。

 (4)EUとの深いエネルギー供給関係を背景にEUと米国の連携にクサビを打ちこんだとのロシアの目論みははずれたのではないのか。
 G8から当分除外されたロシアとすれば今後G20に軸足を移すことになるが、シリア、ウクライナと続いた立ち回りの良さによるロシア主導の強気の政治力は、今後はそうはいかない情勢になってきた。国際的な支持、理解があってのロシアの独壇場だった。

 (5)ところで、国際的な首脳会議となると各国首脳の並び位置が話題にとなる。G7のテーブル会議ではオバマ大統領を中心にイギリス、ドイツ首相と並んで安倍首相も近くに座り、離れて座る朴クネ大統領とは違いが見えた。

 一方、核安保サミット集合写真では開催国のオランダ首相を中心にオバマ大統領、習近平国家主席、朴大統領の1列目から外れて安倍首相は国連事務総長と同じく2列目のやや左脇となった。
 唯一の戦争被ばく国としての日本の核問題(廃絶)での立ち位置が十分ではないことが透けて見えるようだ。

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ネガティブとポジティブ。 negative and positive

2014-03-25 19:38:41 | 日記
 (1)消費税8%引き上げまで1週間となった。3月のかけ込み需要の反動で4月からの経済活動、消費低迷が見込まれて、けっして未知の世界でもないけれども「増税」の影響の懸念があちこちで目につく。

 消費税だけでなく、医療費、保険料、復興特別税の増額に年金減額と国民生活には相乗的な厳しい生活環境が待ち受ける。好調な企業業績に賃上げ効果がどこまで経済、景気の下支えをするのか、4月以降になってみないとわからないところもある。

 (2)かけ込み需要効果でスーパーでは売上高が前年前月比1.5%upの3か月ぶりのプラス(報道)となった。なにしろ、政府がなりふり構わず法制化までして4月以降の消費税還元セールを禁止、規制する消費税引き上げ(increase of the consumption tax)の国家行事なので、興味、関心は自然と高まる。

 確実に4月以降の国民生活への負担は増えるわけだが、それでもこれまでの消費税5%が8%に引き上げられる話のことであって、高額物品、商品でもない限りは節約、工夫、改善の手立ても考えられることだ。

 (3)メディアも増税の影響ばかり強調するが、国民生活防衛の手立て、方法論について多角的な分析、提案、情報をどんどん提供して少しは楽しめるぐらいの社会世相をつくり出せないものかと思う。

 円高時代は海外での円の価値の高さを利用して海外企業の買収(A&M)が進み、日本企業のグローバル化を確実に促進して将来的にも為替相場に影響されない安定した経済活動基盤の複合効果が期待される。

 (4)いまでも日本の企業の持つ潜在能力が十分に発揮されているとは思えずに、日本の高い先端的科学技術開発力が企業活動にも大いに活用、利用される成長戦略が待たれる。合理化、ムダ見直しだけでない付加価値効果による反転攻勢だ。

 自動車のハイブリッド(HV)方式や医学iPS細胞活用は、日本の高い技術開発能力、発想力が世界をリードする例だ。環境、生命工学、高年令社会対策など日本の国民力、潜在能力を主導して世界をリードできる分野は多い。

 (5)そういう意味では日本の国民性は控えめで遠慮思考が占めて、二者択一でいえばネガティブ(negative)といえる。危機管理が苦手で、マイナス思考になりがちだ。
 消費税引き上げもせいぜい5%から8%への引き上げであり、日本の1千兆円を超える国家財政赤字解消(能力のないあるいは不作為の歴代政府の責任だが)には20~25%程度の消費税引き上げが必要との専門家の分析もある。

 もちろん15年10月にはさらに消費税10%引き上げも法制化されている。来年10月に向けての国民生活防衛のプラン、戦略がすでに必要ということだ。

 (6)国家も国民も財政能力のキャパシティは決まっている。その中でのどうやりくりするのか、もちろん「あれもこれも」から「これだけは」の選択の時代だ。
 生活に見合った収入は希望だが、安定不況時代では収入に見合った生活こそが求められる社会のパラダイム(paradigm)だ。

 消費税は5%から8%に引き上げられる「だけ」のことと、あせらずに前向きにポジティブ(positive)に取り組んでいきたいものだ。そのかわり、政府への監視、チェックは厳しく、意見は申し述べなければならない。

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河野談話の継承と見直し。 succession & correction of D.C.S conversation

2014-03-24 19:49:38 | 日記
 (1)戦争状態の中で何が起きて、行われたかなどはっきりしたことなど当事者以外はわからない。戦争行為そのものが無責任で非常識な論理にもとづくものだからだ。
 国、地域同士が関与して人が人を殺害しておいて、それに誰もが法的責任も問われずにわずかに勝者の論理(logic of winner)で敗者の国、責任が強制処分される不条理(unreasonableness)な世界だ。

 戦争責任は、意図的に自己利益(自己防衛という名目であっても)のために他国を侵略して現地住民に被害、損益を与えた事実、形跡(状況証拠)で十分問われるべきものだ。
 そこに勝者の論理を持ってきても戦争の客観的な正当性など立証しようもなく、ただ不条理な「力」の論理が働いているだけだ。

 (2)旧日本軍によるアジア侵略戦争、植民地支配についても、後世の時代には主観的な諸説(経済制裁による国際的包囲網の中で、日本の針路、死活問題打開のために進攻したなど)が入り乱れて自己主張をくり返しているが、今となっては戦争の中身など客観的に実証しようもなく、理由の如何(いかん)にかかわらずに「侵略」、「植民地支配」の事実に対する国家的責任こそが問われるべき唯一のものだ。

 日本はアジア侵略、植民地支配が引き金となった第2次世界大戦の敗戦により、米国はじめとする連合国側の勝者の論理で裁かれて、戦後敗戦処理の政治的責任はとらされた(ポツダム宣言・サンフランシスコ講和条約)。

 (3)日本の軍事政権の責任者、戦争主導者はA級戦犯として連合国側の東京軍事裁判で裁かれた。第2次世界大戦の敗戦国としての政治的責任はとらされたが、戦前の旧日本軍によるアジア侵略、植民地支配の責任は主観的な見方、諸説の中であいまいにされたまま、村山内閣になってはじめて当時の河野官房長官(the director of cabinet secretariat)談話で旧日本軍による従軍慰安婦の強制連行責任を認めて、アジア植民地支配の歴史認識に政府としてけじめをつけた。

 (4)日本政府としては、「河野談話」にアジア女性基金設立による元従軍慰安婦への「賠償責任事業」で一定の戦争責任は終えたとの認識だが、韓国は昨年の朴クネ大統領就任により今またこの問題(歴史認識)で日本の謝罪と責任を強く求める外交姿勢を取り続けている。

 安倍首相は独自の戦争観で右傾化を強めて、当初は河野談話の見直し、検討も示唆していた。今さら戦争中の無責任で非常識がまかり通った無法状態の中での客観的な事実など掘り起こしようもなく、主観的な思惑から都合よく解釈するだけの見直し(correction)が正当性、妥当性を持つはずもない。

 (5)結局は、日韓関係悪化を受けて安倍首相は河野談話の継承を表明した。しかし、安倍首相側近の政府関係者からは「新たな事実が出てくれば、それにもとづき新たな政治談話を出すことはおかしなことではない」との声も聞かれる。

 仮に理由の如何によらずとも旧日本軍によるアジア侵略、植民地支配は厳然とした「歴史的事実」であるが、その支配中、戦争中に起きた事象については当時の当事者比較など出来ようもなく客観的な証拠、実証など今更掘り起こすことなど出来ないし、必要もないことだ。

 (6)上述の側近政府関係者の話は当然の普遍的な論理考証を述べたもので、それ自体は「おかしなこと」ではないが、あえて主張することでもなく安倍首相が河野談話を継承(succession)すると述べている以上、側近政府関係者の発言はその領域を超えて余計なせん索を与えるだけの「おかしなこと」になる。あってはならないことだ。

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医学発見と今の社会。 discovery of medical scirnce & brand new society

2014-03-23 16:03:30 | 日記
 (1)最近の医学分野の研究発見の多さには目を見張るものがある。ちょっと大げさに言えば毎日のように新聞のどこかに医学発見(discovery of medical science)情報を目にする進歩だ。

 アルツハイマー病の発症メカニズムを解明したとか、パーキンソン病の抑制効果に重要な発見をしたという難病の将来の治療に明るい情報が続き、今日は急性心不全の再発時期を予測する計算方法を開発したという発表だ。

 人間の脳、細胞、臓器、神経作用の神秘に個別に研究解明が進み、それぞれがどのように連携し、人間の生命、健康に影響していくのか、そしてどこが伏魔殿として解明されていないのかの全体像、関係図、相関図が見てみたい、発見情報整理が必要なあれもこれもの最近の医学分野の研究発見、開発の多様なスピードだ。

 iPS細胞作製はあらゆる人間の細胞、臓器を再生できる画期的な発見で実用化が待たれるが、iPS細胞の保存バンク体制と一部臨床実験も開始することになり、着実に前進を見せている。

 (2)内閣府の社会意識に関する世論調査(個別面談方式)でも、「良い方向に向かっている分野」では「医療、福祉」が27.6%で最も多い。「科学技術」が25.1%(同)で続いて日本の先端的医学科学技術開発力への興味、関心、信頼の高さを示すものだ。

 ②同調査では「景気」が前回11%から倍増して22%に上昇し、一方「悪い方向に向かっている分野」では「外交」が38.4%(前回比+2.5%)とこれも上昇している。

 日中韓の首脳が新政権が誕生してから1~2年が過ぎようとしても、個別の首脳会談も実現せずに外交懸案事項を抱えたまま対立が続いたままだ。そこへロシアによるクリミヤ半島の編入帰属問題で北方4島返還問題を抱えて日本の立場も複雑だ。

 ③ようやく今月25日にはオランダで開催される核安全保障サミットに合わせて、米国オバマ大統領を交えて安倍首相と朴大統領が首脳会談を持つことになったが、議題は北朝鮮問題に限られて(それにロシア制裁協議か)直接両国懸案の「歴史認識問題(従軍慰安婦の日本の謝罪と責任)」に触れることのない、米国主導による日米韓同盟関係の結束をアピールする立場となるだけで、よりこの問題への両国の関係の「根」の深さを印象づける結果となるだけだ。

 ④二者択一の同設問では、「国や社会のことにもっと目を向けるべき」が49.5%で「個人の生活の充実をもっと重視すべき」の39.1%を上回った。
 特定秘密保護法、原発再稼働、靖国参拝、集団的自衛権と安倍政権の重要政策課題にことごとく国民の過半数が反対(世論調査)としながらも経済回復、景気回復政策の一点で高い内閣支持率(50%台)、与党自民党支持率(40%台:野党は軒並みヒト桁台)を示す「小市民的」国民意識とはちょっと異質の結果だ。

 ⑤内閣府の世論調査で個別面接方式というだけで対象者の実態がよくわからないが、上述の二者択一設問で国民世論とは相反する傾向が出ている。
 「今の社会(brand new society)に満足」が「やや満足」とあわせて60.8%(前回比+47.4%)も含めて、この設問はちょっと政府寄りの思惑、内閣支持率、自民党支持率の高さの背景の正当性の裏付けづくりの姿勢も出ているのではないのか。

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裁判の空白。 blank of trial

2014-03-22 20:13:17 | 日記
 (1)公判停止(suspension of trial)となっていた殺人罪で起訴された「被告」の裁判が、裁判所の独自の判断で17年ぶりに審議再開され、即、公訴を棄却する判決を下したというニュースがあった。

 被告が当時心神喪失状態で訴訟能力がないとして病状が回復するまで公訴停止となっていた事例だ。公訴した検察が公判継続の意見書を出していたが、裁判所は独自の判断で被告の病状に回復の見込みがないとして、公訴を棄却する決定を下した。

 (2)刑訴法上、公判停止後裁判所の独自の判断で公訴を棄却できる規定もない中での、裁判所の公判維持責任の立場からの棄却判断だ。
 結果としては遺族の感情は考慮されずに、遺族、被告の不確定な立場をいつまでも放置もできない、解消するために、事件は司法上解明されないことになった。

 17年も待たされたあげくに公訴棄却の決定を受けた遺族は、「今は怒りと恨みだけ」(報道)と持っていきようのないむなしさを訴えた。

 (3)正常な判断能力を欠いた被告の事件を尋問することも審理することもできないが、それでは本来救済されるべき遺族の権利、利益はあまりに不当な差別、取り扱いを受けることになる。

 17年の長い年月を待たずに適切な司法判断、対応、措置が出来なかったものなのか考えさせられる。
 事件は年月が経過すれば風化し、真実解明がより困難になるものだけに、一定期間内での審理、結論は必要だ。日本の裁判は諸外国に比べて公判年月の長さが問題になっており、より迅速な審理、判決が課題でもあった。

 (4)審理を尽くすことが司法の最大の責任ではあるが、それは必ずしも年月を重ねることではない。むしろ年月を重ねることが真実の解明に障害となる事例は、今も名張毒ブドウ酒事件のように再審請求のくり返しで半世紀が過ぎて複雑さを深める結果となっている。

 冒頭の事例は証拠能力がどれほどのものであったのかは不明だが、立証能力はかっての「自白」重視から「証拠主義」に移行し、近年はこれに「状況証拠」による司法判断も判例として採用されており、被告の訴訟能力の有無とは別に「事例」によっては確定的な証拠、状況証拠による立証、審理、判決が構成されてもいいのではないのか。

 (5)そこで裁判審理を終結しておいて、確定犯の回復を待って刑を執行する、ないしは手続きにより再審を開始する司法方法論はある。
 被害者、遺族、被告をみだりにいつまでも審理もせずに不確定な立場のまま空白期間の中に置かないのが司法の責任、役割でもある。

 もちろん大前提となるのは真実の解明、十分な審理であり、不確定要素の多い事件、事例まですべてというわけにはいかないのは当然のことだ。

 (6)冒頭の事例は、法令にもとづかない裁判所の独自(責任)の判断による一方的な公訴棄却で専門家の見方も二分されているが、公訴権者の検察に公判維持の適切な判断、見通しを「求める」裁判所の指導があってもよかったのではないのか。

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