(1)世界の勢力図がG8からG20に移ったといわれるのも、政治力の影響力が比較落ちて経済力の影響力が増した「G0(zero)」時代の結果だ。
これまでの唯一の覇権国家として先進国G7,G8の中心軸として世界政治、軍事情勢に君臨してきた米国は、シリア情勢でもロシアに主導権を取られて政治、軍事介入を中止に追い込まれたが、これまでのように米国議会、国民の支持を取り付けれなかったことが緊急軍事配備までして敢然と軍事介入に踏み込めなかった原因だ。
米国内には国家財政の危機、不安(毎回のようにデフォルト危機を迎える)とアフガン、イラク軍事介入の失敗の教訓からの国民の厭(えん)戦気分が外国への軍事介入にストップをかけた。
(2)そうした米国の威信低下の足元を見越して、ロシアはシリア情勢では後ろ盾としての立場を利用してシリア国内の化学兵器の国際管理下での廃棄処分で得点をかせいで、今度はウクライナのクリミア半島の編入帰属問題では欧米各国ほかの非難を押し切って迅速に編入決定して、政治的「G0」時代に独自の政治影響力を展開している。
オバマ大統領はこれに対する国際的批判を背景にしてオランダでの核安保サミットに合わせてG7の緊急首脳会議を招集して、先進国「結集力(power of concentration of G7)」でロシアへの制裁を主導した。
(3)オランダで開催された同核安保サミットに参加した中国にも一定の理解をとりつけて、ロシア孤立化に向けてロシアの「エネルギー無力化(energy powerlessness policy)」(報道)経済制裁を打ち出した。
シェールガス革命でエネルギー自給の目途のついた米国のエネルギー政策協力、連携による欧米、日本ほかのロシアエネルギー無力化制裁だ。
国際情勢の軸はG7,G8から新興国を含めたG20へ移行したとはいえ、「政治力」だけを見れば影響力は落ちたとはいえG7(今回はロシアは除外)の揃った顔ぶれは「結束」すればあなどれるものではない。
(4)EUとの深いエネルギー供給関係を背景にEUと米国の連携にクサビを打ちこんだとのロシアの目論みははずれたのではないのか。
G8から当分除外されたロシアとすれば今後G20に軸足を移すことになるが、シリア、ウクライナと続いた立ち回りの良さによるロシア主導の強気の政治力は、今後はそうはいかない情勢になってきた。国際的な支持、理解があってのロシアの独壇場だった。
(5)ところで、国際的な首脳会議となると各国首脳の並び位置が話題にとなる。G7のテーブル会議ではオバマ大統領を中心にイギリス、ドイツ首相と並んで安倍首相も近くに座り、離れて座る朴クネ大統領とは違いが見えた。
一方、核安保サミット集合写真では開催国のオランダ首相を中心にオバマ大統領、習近平国家主席、朴大統領の1列目から外れて安倍首相は国連事務総長と同じく2列目のやや左脇となった。
唯一の戦争被ばく国としての日本の核問題(廃絶)での立ち位置が十分ではないことが透けて見えるようだ。
これまでの唯一の覇権国家として先進国G7,G8の中心軸として世界政治、軍事情勢に君臨してきた米国は、シリア情勢でもロシアに主導権を取られて政治、軍事介入を中止に追い込まれたが、これまでのように米国議会、国民の支持を取り付けれなかったことが緊急軍事配備までして敢然と軍事介入に踏み込めなかった原因だ。
米国内には国家財政の危機、不安(毎回のようにデフォルト危機を迎える)とアフガン、イラク軍事介入の失敗の教訓からの国民の厭(えん)戦気分が外国への軍事介入にストップをかけた。
(2)そうした米国の威信低下の足元を見越して、ロシアはシリア情勢では後ろ盾としての立場を利用してシリア国内の化学兵器の国際管理下での廃棄処分で得点をかせいで、今度はウクライナのクリミア半島の編入帰属問題では欧米各国ほかの非難を押し切って迅速に編入決定して、政治的「G0」時代に独自の政治影響力を展開している。
オバマ大統領はこれに対する国際的批判を背景にしてオランダでの核安保サミットに合わせてG7の緊急首脳会議を招集して、先進国「結集力(power of concentration of G7)」でロシアへの制裁を主導した。
(3)オランダで開催された同核安保サミットに参加した中国にも一定の理解をとりつけて、ロシア孤立化に向けてロシアの「エネルギー無力化(energy powerlessness policy)」(報道)経済制裁を打ち出した。
シェールガス革命でエネルギー自給の目途のついた米国のエネルギー政策協力、連携による欧米、日本ほかのロシアエネルギー無力化制裁だ。
国際情勢の軸はG7,G8から新興国を含めたG20へ移行したとはいえ、「政治力」だけを見れば影響力は落ちたとはいえG7(今回はロシアは除外)の揃った顔ぶれは「結束」すればあなどれるものではない。
(4)EUとの深いエネルギー供給関係を背景にEUと米国の連携にクサビを打ちこんだとのロシアの目論みははずれたのではないのか。
G8から当分除外されたロシアとすれば今後G20に軸足を移すことになるが、シリア、ウクライナと続いた立ち回りの良さによるロシア主導の強気の政治力は、今後はそうはいかない情勢になってきた。国際的な支持、理解があってのロシアの独壇場だった。
(5)ところで、国際的な首脳会議となると各国首脳の並び位置が話題にとなる。G7のテーブル会議ではオバマ大統領を中心にイギリス、ドイツ首相と並んで安倍首相も近くに座り、離れて座る朴クネ大統領とは違いが見えた。
一方、核安保サミット集合写真では開催国のオランダ首相を中心にオバマ大統領、習近平国家主席、朴大統領の1列目から外れて安倍首相は国連事務総長と同じく2列目のやや左脇となった。
唯一の戦争被ばく国としての日本の核問題(廃絶)での立ち位置が十分ではないことが透けて見えるようだ。