いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

数値だけではない避難解除。it's not released from refuge for the value of radial rays

2014-03-09 15:44:41 | 日記
 (1)長くそこで暮らした人々にとっては土地への愛着は強い。自分たちで「まち」を維持してきた自覚、自負心も強い。高年令者にもなるとなおさらにいまさら別の土地であたらしい生活を始めることなど考えも及ばないことだ。

 東日本大震災発生から3年が過ぎようとして、いまだに帰宅困難地域が残る中で福島第一原発事故現場から半径20キロ圏外(一部圏内)の都路地区で被災地としてはじめて4月から避難指示が解除(released from refuge)される。

 (2)住民は帰宅条件として、当時の民主党政権が定めた追加被ばく線量「年1ミリシーベルト以下」とすることを66.3%(調査報道)が希望している。
 しかし政府は復興加速を急ぐ(印象付ける)ために許容範囲最大値の同「年間20ミリシーベルト以下」を基準として都路地区の避難指示を4月から解除する。

 国際放射線専門機関が示す許容範囲の「1~20ミリシーベルト以下」に添った科学的根拠最大値による机上論(mere desk theory)での決定だ。同地区は福島第一原発事故現場から半径20キロ圏内を含む解除準備区域だ。
 いまだに汚染水漏れが続き安全制御不能の福島第一原発のお膝元のまちで、科学的原発事故安全制御も出来ない中での、復興加速の実績づくりの机上の科学的根拠数値による避難指示の解除だ。

 (3)そこで生活することになる住民にとっては、健康、生命、生活の安全保障は死活問題であり放射線量「年間1ミリシーベルト以下」が多くの生活希望条件だ。
 政府の決定を受けてのメディアアンケートでは「帰還するつもりはない」(22%)、「すぐには帰還するつもりはない」(43%)と合わせて65%が帰宅に否定的な意見を述べている。

 最低でも都路地区のお膝元の福島第一原発事故現場の科学的安全制御が帰宅条件とされなければ住民の安全、安心意識など守れないし期待に応えるものとはならない。

 (4)政府のとるべき原発事故責任は、机上の科学的数値根拠による理論的正当性などではなく、被害住民のストレス、心情、苦痛の「現実感」に応える対応、配慮でなければ意味も意義もない。

 原発事故事業者の東電の対応責任も含めて、政府は避難解除によりそれでも生活不安を抱えて帰宅しない(できない)避難住民に対してこれを「自主的避難」として事故補償、賠償を打ち切るなどとのお仕着せの対応などとれる立場、自覚責任でいいのか、政府の事故対応、復興政策の遅れから誰の目にもあってはならないこととしか映らないことだ。
 
 (5)仮にも避難指示解除するのであれば、政府(復興支援)機関がそこに常駐して安全生活を保障し、帰宅住民に寄り添って安全、安心生活を支援、保障する気構え、体制は必要だ。

 福島の原発周辺地域は農業従事者も多く、仮に帰宅可能となっても生活を支える生産物の経営販売も順当にはいかずに、避難指示解除による帰宅は放射線量数値の問題にとどまらずに生活維持環境の整備、見通し、保障まで求められるものだ。

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