いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

平和条約の友好国。 a friendly nation of a peace treaty

2023-03-25 20:08:40 | 日記
 (1)日本とロシアには平和条約(a peace treaty)はない。日本がロシアと平和条約を結ぶ意味は、北海道とロシア極東地域が海を挟んで対面して安全保障上の平和が必要なことと北方4島返還問題解決のために平和的交渉が必要なためだ。

 (2)ロシアからすれば当時安倍首相がプーチン大統領と何十回となく異例の回数の首脳会談を重ねて北方4島返還交渉を進めてきたが、日ソ共同宣言に基づく2島・2島分離返還を前提としてプーチン大統領も当初は「引き分け論」を主張していたこともあったが、次第にロシア利益のロシア極東地域の経済開発協力、平和条約締結に主眼が映って、北方4島返還交渉は物別れになった。

 (3)プーチン大統領が日露平和条約締結を最優先するのは日本がロシアに軍事行動を起こす危険性などではなく、平和条約を締結すれば「友好国」(a friendly nation)であり、北方地域への米軍の関与、基地をつくらせず米国の抑止力とするためのものと考えられる。
 プーチン大統領は北方4島返還交渉の話し合いを重ねて日本に期待を持たせて、最後は本音の米軍抑止力の日本との平和条約締結に焦点を当てて、日本に平和条約締結を迫ったものだ。

 (4)最後はモロゾフ外相が北方4島は法律上ロシアに正式に併合されたロシア領と主張して日本を恫喝してきた。プーチン大統領は大ソ連邦構想復活を目指してウクライナのクリミア半島を一方的にロシア領に併合して領土拡大主義をみせており、北方4島を日本に返還する可能性、期待は少ない。

 (5)日露平和条約締結は日米軍事同盟の分断を狙ったものであり、ロシア極東地域への日本の経済投資、開発協力に期待して仮に米露戦争、紛争があるとすれば日本が米国に全面協力して露を攻撃しない、できないための戦略工作と考える。その戦略上にはロシアの北方4島返還の意思、シナリオは見えてこない。

 (6)岸田首相は平和条約交渉を諦めない方針を示しているが、外務省関係者は「隣国の民間人を殺害する国と平和条約を結べるわけがない」(報道)と言明しており、昨年2月の露のウクライナ軍事侵攻により日本は米国などと協力して露経済制裁をして、これに露は反発して日本との平和条約交渉の打ち切りを通告して1年がたつ。

 (7)安倍元首相は日本の従来の北方4島一括返還から2島・2島分離返還に方針転換を判断して譲歩を示したが、プーチン大統領にほんろうされた友好交渉だった。

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