いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

空白と隙(すき)、中国のワナ。 a blank and blind side , a trap of china

2023-03-13 20:00:22 | 日記
 (1)中国習近平国家主席はあまり喜怒哀楽を表に出さない。泰然自若としており、したたかだ。「一帯一路」構想を打ち出して、昔のシルクロード経済地帯をなぞるように財政難にある新興国、低開発国相手に社会インフラ整備に投融資して近代化国家建設を手助けする一大政策を打ち出した。

 (2)一部には中国の投融資を受けた財政不安定の新興国、低開発国への「債務のワナ」ともいわれて、中国支援の社会インフラ建設整備が進む中で財政事情が厳しい新興国、低開発国が高い債務の不履行に陥ると中国資本が社会インフラ建設に介入して、権利を確保して港湾施設、貿易権利などインフラを自在に中国資本化にして利益を独占してしまうといわれている。

 (3)中国の仲介でイランとサウジアラビアが外交関係を正常化させることで合意した。こちらは中国の大きな外交成果だ。サウジは米国と同盟関係にあり、イランは米国と厳しく対決、対立している中東国だ。サウジは世界石油高騰を受けてバイデン米大統領から石油増産を求められながら、OPEC+の価格維持方針に沿って石油増産を拒否して減産する方針を決めて米国との関係悪化がみられる。

 (4)こうした中東での米国の影響力低下を感じ取っての中国のイランとサウジの7年ぶりの外交関係正常化の働きかけで合意に至り、米国の中東での影響力低下を加速させようという中国の戦略だ。イランとサウジの外交正常化はこれまでの中東構造を変革させるあたらしい時代を予感させる。中国、習近平国家主席のしたたかな外交戦略がみえるものだ。

 (5)南シナ海での埋め立て中国領土化、東シナ海の海底天然エネルギー開発目当ての日本の尖閣領域関与と批判の大きい軍拡、領土拡大主義のこだわりがみられる。米国がイラク、シリア内戦から撤退して、アフガンからの早期撤退がタリバンの侵攻、政権復帰につながり国内外から批判を受けて、米国の中東からの関与、影響力低下の空白(blank)、隙(blind side)を突いての中国のイランとサウジの外交正常化の橋渡し、中東関与の外交戦略というしたたかさだ。

 (6)バイデン大統領は中東、アジアから戦略軸足をNATOに移して、これが露のウクライナ軍事侵攻につながっているともいえて、習近平主席の中国の高い経済力、市場力を背景にしたしたたかな外交戦略が米国の外交、軍事戦略の空白、隙を突いてくる周到さだ。

 (7)中国のしたたかさは領土拡大主義が各地域で紛争を引き起こして国際社会から批判、非難を受けて、大国としての役割、責任を果しているとはいえない。米中競争時代の中でイランとサウジの外交正常化は米国ではできない中国の立場、影響力の大きさを示すもので、これが中国の言う世界平和の建設国家に向けたものとなれば中国としての役割、責任といえる。

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