(1)自衛隊組織は軍備上「軍隊」と呼ばれるレベルだと言われて、三島由紀夫も憲法上(戦力不所持:正しくは国際紛争を解決する手段としての戦力)の不適応、矛盾を指摘して、自衛隊の決起を促して拒否され、自決した。
憲法上の戦力不所持は自衛権まで認めないと言う解釈は、近年はさすがに政治的にもごく限られた特異な存在になってきたが、装備の近代化、先鋭化で自衛隊の軍備力が各段に増強されてきたのは間違いない。
相応の国際貢献とか言われて、米軍との共存、連携、強化に拡大解釈による一定条件での海外派遣が常態化して、平和憲法の拡大解釈(自衛権増強)と安保条約にもとづく日米軍事同盟とのインバランス(imbalance)が先鋭化して、自衛隊の「軍隊」化がよく見えるようになってきた。
米国の覇権主義、世界戦略の中に日本が組み込まれた構図だ。沖縄米軍基地問題が進展しない要因でもある。
(2)その自衛隊だから今や何でもありかもしれないが、陸上自衛隊に市民運動、活動まで監視する情報保全隊なる組織があることを知った。見聞ではあるが戦前の日本旧軍隊のスパイ工作、特高警察を連想するような感慨だ。
情報化社会だから自衛権行使のためにも必要な情報収集は求められるものではあるが、シビリアン・コントロール(civilian control)が効いているのか、独走、独断はないのか、自衛隊組織の「軍隊」化の中で懸念にはなる。
(3)自衛隊のイラク派遣反対の02~04年の市民団体ほかによる街頭活動に対して、陸上自衛隊情報保全隊が監視、情報収集をした事例で内部文書に同活動参加者の氏名、職業、所属政党名までも記録されていたことが個人情報保護法に違反するとして争われていた裁判で、仙台地裁が自衛隊(情報保全隊)の個人情報の収集(personal intelligence collection by the self defence forces)を「違法」と判断した。
一時期の先鋭な過激な学生、思想集団、宗教集団の反国家、反社会的な行動、活動に対する情報収集の正当性、必要性とはあきらかに一線を画す自衛隊のイラク派遣反対の市民運動による街頭活動だ。
政府の平和憲法、国際貢献の都合のいい拡大解釈というなし崩しの自衛隊の海外派遣に対する抗議行動、活動であって、加虐性も騒乱性もない正当な市民運動だ。参加者が個人情報を収集されてはならない、自分の個人情報をコントロールする権利(人格権)保護として認定し、これを情報収集した陸上自衛隊(情報保全隊)の行為を「違法」と判決した。
まるで軍国戦前かと思うような自衛隊の街頭活動の情報収集ではあるが、情報化社会のまん延の中で国家機関による情報収集への基準判断、個人情報秘密遵守、保護を示した当然の判決だ。
(4)同裁判は、同時に自衛隊(情報保全隊)の「監視」活動自体を「否定」しなかったが、目的、手法、範囲、利用について明確に平和憲法下の自衛権行使に強く「限定」すべきであった。
国家による個人情報は正当な目的(納税、選挙権、教育権ほか)、範囲で収集されているものであり、みだりに「監視」のかたちで個人情報が収集されるべきものではない。
個人情報の漏えい、ネット検索中の「ついで閲覧」などでの権利侵害、不利益も問題になっている情報化、ネット社会だ。情報の社会パラダイム(paradigm)確立が必要だ。
憲法上の戦力不所持は自衛権まで認めないと言う解釈は、近年はさすがに政治的にもごく限られた特異な存在になってきたが、装備の近代化、先鋭化で自衛隊の軍備力が各段に増強されてきたのは間違いない。
相応の国際貢献とか言われて、米軍との共存、連携、強化に拡大解釈による一定条件での海外派遣が常態化して、平和憲法の拡大解釈(自衛権増強)と安保条約にもとづく日米軍事同盟とのインバランス(imbalance)が先鋭化して、自衛隊の「軍隊」化がよく見えるようになってきた。
米国の覇権主義、世界戦略の中に日本が組み込まれた構図だ。沖縄米軍基地問題が進展しない要因でもある。
(2)その自衛隊だから今や何でもありかもしれないが、陸上自衛隊に市民運動、活動まで監視する情報保全隊なる組織があることを知った。見聞ではあるが戦前の日本旧軍隊のスパイ工作、特高警察を連想するような感慨だ。
情報化社会だから自衛権行使のためにも必要な情報収集は求められるものではあるが、シビリアン・コントロール(civilian control)が効いているのか、独走、独断はないのか、自衛隊組織の「軍隊」化の中で懸念にはなる。
(3)自衛隊のイラク派遣反対の02~04年の市民団体ほかによる街頭活動に対して、陸上自衛隊情報保全隊が監視、情報収集をした事例で内部文書に同活動参加者の氏名、職業、所属政党名までも記録されていたことが個人情報保護法に違反するとして争われていた裁判で、仙台地裁が自衛隊(情報保全隊)の個人情報の収集(personal intelligence collection by the self defence forces)を「違法」と判断した。
一時期の先鋭な過激な学生、思想集団、宗教集団の反国家、反社会的な行動、活動に対する情報収集の正当性、必要性とはあきらかに一線を画す自衛隊のイラク派遣反対の市民運動による街頭活動だ。
政府の平和憲法、国際貢献の都合のいい拡大解釈というなし崩しの自衛隊の海外派遣に対する抗議行動、活動であって、加虐性も騒乱性もない正当な市民運動だ。参加者が個人情報を収集されてはならない、自分の個人情報をコントロールする権利(人格権)保護として認定し、これを情報収集した陸上自衛隊(情報保全隊)の行為を「違法」と判決した。
まるで軍国戦前かと思うような自衛隊の街頭活動の情報収集ではあるが、情報化社会のまん延の中で国家機関による情報収集への基準判断、個人情報秘密遵守、保護を示した当然の判決だ。
(4)同裁判は、同時に自衛隊(情報保全隊)の「監視」活動自体を「否定」しなかったが、目的、手法、範囲、利用について明確に平和憲法下の自衛権行使に強く「限定」すべきであった。
国家による個人情報は正当な目的(納税、選挙権、教育権ほか)、範囲で収集されているものであり、みだりに「監視」のかたちで個人情報が収集されるべきものではない。
個人情報の漏えい、ネット検索中の「ついで閲覧」などでの権利侵害、不利益も問題になっている情報化、ネット社会だ。情報の社会パラダイム(paradigm)確立が必要だ。