いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

熊本の国士風土。(秋山監督論) climate of patriot

2012-03-06 19:37:34 | 日記
 (1)熊本人気質はよく「肥後もっこす」と言われて、質実剛健、いさぎよさ、頑固一徹ものという印象が強い。城下町で護国神社も多く、三島由紀夫の「豊饒の海・天人五衰」の輪廻(りんね)観(生まれ変わり)思想精神舞台になったところだけに、かって訪れた時には熊本城周辺の静かな佇(たたず)まいには、不思議な国士(こくし)風土(climate of patriot)国体論の空気が流れていた記憶がある。

 財津和夫さんの両親も熊本出身で財津さんは福岡の生まれですから、その固い流れからすれば見た目(社会人としての平均的な良識、応用力)とは別に相当な負けず嫌いの一徹ものというのが本性でしょう。
 それをそのように見せないところが、ミュージシャンという特殊スキル理念の世界にいながら、社会人としても信頼される通用する平均的な人間資質の持ち主ということです。

 (2)プロ野球ソフトバンク・ホークスの秋山監督も熊本出身で、プレーヤー時代から寡黙でチ-ムパフォーマンスよりは自分のプレースタイルに執着心、結果責任感が強くていかにも言葉、パフォーマンスよりは自身プレーで主張する「個人事業主」としてのプロ野球人らしい為人(ひととなり)の印象が強い。同じ系列のイチローさんともちょっと違う、やはり熊本国士風土の風情が漂う。

 これまで8年間も続けてその間、年間リーグ優勝を何度も果たしながらも待たされたプレーオフで敗れて日本シリーズへの進出を拒まれてきたが、昨年は投手陣を整備、補強効果もあってこの壁を打ち破り、自身監督としては初めて日本一を実現した。
 年間を闘うチーム力は群を抜く厚いものがあって、これから監督としても黄金時代到来と思われていた。

 (3)ところが、昨年末のオフシーズンで最多勝投手を含めてチームの半分近くの勝利をあげたエース中心投手3人ほか有力野手がそろって米大リーグを含めた他チームに移籍して、一転して今年のペナントレースはそれなりの補強はしたものの戦力の著しい低下は否めない状況だ。

 監督としては一言、二言も「嘆き節」でも言い放ちたい心境だろうが、メディアほかを通じても知る限りでは秋山監督からはそんなネガティブ(negative)な「恨み節」は一切聞こえてこない。
 良く言えば泰然自若(じじゃく)に構えて、または楽観主義的な茫洋(ぼうよう)とした表情が不思議に思える人物像だ。インタビューなんかを聞くと、サービス精神も旺盛で真面目、人懐(なつ)っこい笑顔が見られるのでそちらの方が本性のように映る。

やはり普段は勝負師としてそれなりに計算もあるようだ。秋山監督からは熊本人気質、国士風土、国体論の風格さえ伺える風情がある。

 (4)長いペナントレースの間には若手の台頭、補強による総合力、昨年の日本一の経験値を生かして闘える展望もあるチーム力ではあるが昨年比較チーム力低下は余りに大きくて、内心は「忸怩(じくじ)」たる思いがあるはずだ。

 それを口に出さずに、その分ソフトバンク・ホークスの秋山監督の采配、チーム掌握に関心、興味が一層増す、泰然自若、茫洋とした国士風土の構えの風格だ。

 (5)三島由紀夫が好んで感じた熊本風土、国士(kumamoto climate of patriot)の輪廻観が秋山監督にももし流れているとするならば、今年のプロ野球のペナントレース、ソフトバンク・ホークスは、緊張感のあるサバイバル(survival)好ゲームが期待できるのではないのか。

 何しろ大型補強でオールジャパン的な巨人以外は、中心プレーヤーの軒並みの大リーグ移籍でレベルダウンの日本プロ野球だ。例年以上に各チームどこにもペナントレース上位の可能性、チャンスが大きいシーズンだ。
 レベルダウンを白熱、緊張ゲームで補(おぎな)えるのか、前年日本一の秋山監督の黙して語らずが注目だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする