今週末の更新をお休みするので、代わりにひとつ、マンガの記事をアップしておきます。
山田参助さんの「あれよ星屑 (エンターブレイン)」が、先ごろ発表された日本漫画家協会賞コミック部門で大賞、手塚治虫漫画賞で新生賞を受賞しました。第一巻が発売されたのはもう5年も前、全7巻で完結したのが昨年春先だったので、今更遅いと思わないでもないですが、完結まで待った上での受賞は、全編を通じて評価されたということなのだと理解します。
「あれよ星屑 (エンターブレイン/KADOKAWA)」第1巻。
山田さんは戦争を知らない世代のはず(1975年生まれらしい)ですが、「あれよ星屑」に描かれる戦中戦後の様子は、山田さん自身が実際に見聞あるいは体験してきたのではないかと思わせられるほど隅々まで現実感に満ちており、これは杉浦日向子さんの江戸漫画に匹敵するマジックだと思います。また、今の時代にあの時代を背景とする漫画が商業誌に掲載されることも含んで、大変に奇跡的な作品です。
と言うような意味のことをTwitterで呟いたら、山田参助さんご本人から「いいね」をいただいて有頂天になったワタシであります。
ついでというわけではありませんが、山田作品からもう一つ、「ニッポン夜枕ばなし (リイド社)」もご紹介しておきます。1960年代~70年代の大人向け漫画に良くあった、くだらないけど面白いけどやっぱり実に実にくだらない「艶笑マンガ」です。
おそらくは小島功さん(清酒黄桜の二代目カッパを描いた人。故人。)のパスティーシュにも見える本作は、昭和に描かれたものの再録かと思うほど当時の雰囲気をよく伝えており、ワタシのように下ネタギャグを好む下品な昭和オヤジには「リバースサイド・オブ・ザ・三丁目の夕日」としてたいへん楽しめました。また、くだらないとは言いつつも、端々に山田さんの教養が見え隠れしており、やはりタダモノではないと思わされます。加えて言うと、帯の「絶賛と失笑の嵐」という紹介文も正鵠を射た秀逸なもので、この文句を考えた人にも何か賞を差し上げたいと強く思います。
「ニッポン夜枕ばなし (リイド社)」。帯の「絶賛と失笑の嵐」は、本作にこれ以上ふさわしい言葉はないと感動すらした秀逸なコピー。
今回は以上です。前回の続き(スロットマシンのシンボルの話シリーズ)は、9/22(日)ころ掲載の予定です。
山田参助さんの「あれよ星屑 (エンターブレイン)」が、先ごろ発表された日本漫画家協会賞コミック部門で大賞、手塚治虫漫画賞で新生賞を受賞しました。第一巻が発売されたのはもう5年も前、全7巻で完結したのが昨年春先だったので、今更遅いと思わないでもないですが、完結まで待った上での受賞は、全編を通じて評価されたということなのだと理解します。
「あれよ星屑 (エンターブレイン/KADOKAWA)」第1巻。
山田さんは戦争を知らない世代のはず(1975年生まれらしい)ですが、「あれよ星屑」に描かれる戦中戦後の様子は、山田さん自身が実際に見聞あるいは体験してきたのではないかと思わせられるほど隅々まで現実感に満ちており、これは杉浦日向子さんの江戸漫画に匹敵するマジックだと思います。また、今の時代にあの時代を背景とする漫画が商業誌に掲載されることも含んで、大変に奇跡的な作品です。
と言うような意味のことをTwitterで呟いたら、山田参助さんご本人から「いいね」をいただいて有頂天になったワタシであります。
ついでというわけではありませんが、山田作品からもう一つ、「ニッポン夜枕ばなし (リイド社)」もご紹介しておきます。1960年代~70年代の大人向け漫画に良くあった、くだらないけど面白いけどやっぱり実に実にくだらない「艶笑マンガ」です。
おそらくは小島功さん(清酒黄桜の二代目カッパを描いた人。故人。)のパスティーシュにも見える本作は、昭和に描かれたものの再録かと思うほど当時の雰囲気をよく伝えており、ワタシのように下ネタギャグを好む下品な昭和オヤジには「リバースサイド・オブ・ザ・三丁目の夕日」としてたいへん楽しめました。また、くだらないとは言いつつも、端々に山田さんの教養が見え隠れしており、やはりタダモノではないと思わされます。加えて言うと、帯の「絶賛と失笑の嵐」という紹介文も正鵠を射た秀逸なもので、この文句を考えた人にも何か賞を差し上げたいと強く思います。
「ニッポン夜枕ばなし (リイド社)」。帯の「絶賛と失笑の嵐」は、本作にこれ以上ふさわしい言葉はないと感動すらした秀逸なコピー。
今回は以上です。前回の続き(スロットマシンのシンボルの話シリーズ)は、9/22(日)ころ掲載の予定です。