オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

コインマシンやギャンブルゲームやカジノの歴史的エピソードとか、時々カジノ旅行記とか、たまにスポーツやマンガとか。

サンブルーノ・アメリカン・アンティーク・ミュージアムの記憶 3/3:2017年、再びSFOで邂逅する

2019年02月10日 21時40分04秒 | 歴史
(前回までのあらすじ)
2009年11月、ワタシはラスベガスに行く途中の乗り継ぎ地であるサンフランシスコ国際空港(SFO)で「サンブルーノ・アメリカン・アンティーク・ミュージアム」を知った。帰国後に調べたところ、それはSFOのすぐ近くにあることが分かったので、翌2010年9月、リノに行く途中のSFOでの乗り継ぎに敢えて8時間を取り、SFOから出る「Bart」と言う電車に乗って訪問した。サンブルーノ駅から徒歩五分ほどのところにあったそのミュージアムには、フェイのリバティ・ベル機を筆頭に、夥しい数のアンティークのスロットマシンがコレクションされていた。オーナーであった「ジョー・ウェルチ」氏は不動産業で成功した地元の名士だが、ワタシが訪問した翌年の2011年8月に逝去した。


(ここより本編)
我が家では、毎年のゴールデンウィークには女房と共にラスベガス(と、可能ならプラス別のもう一か所)に行くのが慣例となっています。しかし、女房も仕事持ちなのでスケジュールが合わないこともあり、そんな時はそれぞれで自分の都合に合わせた飛行機を手配し、米国内で合流したり解散したりすることもあります。

2017年は、ワタシが先に渡米し、女房は4日後に遅れてやってくるという段取りとなったので、ワタシは先行する4日間を、久しぶりにリノとカーソンシティで過ごすことにしました(関連記事:新・ラスベガス半生中継 2017 年GW 初日。 / 新・ラスベガス半生中継 2017 年GW 5日目(ラスベガスに移動する日))。

リノへ行くにはSFOで乗り継ぐのですが、この時、利用するユナイテッド航空の国内線ターミナルに続くコンコースには、2009年に見たジョー・ウェルチのコレクションがまたもや展示されていました。


(1)今回のテーマ「GAMES OF CHANCE」の看板。シガーストアに置かれたスロットマシンの前でポーズをとる男の写真は1905年に撮影されたもの。この時代のサンフランシスコのサルーンやシガーストアは、どこでも殆ど必ずスロットマシンがあった。 (2)今回の口上。書かれている文章は、8年前の展示での口上に新たな一文が加わったほかは殆ど同じ。 (3)コンコースの様子その1。 (4)コンコースの様子その2。その1の反対側から見たところ。

8年前の時は「For Amusement Only」だったテーマは、今回は「GAMES OF CHANCE」となっていました。これは、「偶然のゲーム」と訳され、ギャンブルゲームの本質を指す言葉とされており、スロットマシンはまさにその典型例のひとつです。この反対概念が「Game Of Skill (技量のゲーム)」で、そのどちらに属するかでそのゲームがギャンブルかどうかを判断する一つの基準とされています。(関連記事:フリッパー・ピンボールに関する重箱の隅 「フリッパー」と「Gottlieb」)。

今回の展示で掲げられている口上は、8年前の時のものと比較すると、若干の推敲がなされているものの同じ内容でした。ただ一点、「1919年のボルステッド法(The Volstead Act)によるギャンブル機の全国的な禁止は、1933年の禁酒法の廃止まで続いた」という一文が新たに加えられていました。スロットマシンを規制した法律としては、1951年に制定された、州を越えてギャンブル機を運ぶことを禁じた「ジョンソン法(The Johnson Act)」はよく聞くのですが、「ボルステッド法」は初めて聞く言葉です。また一つ、面倒な謎が増えてしまいました。

実際に展示されている機械は8年前にも見た機種も多く、初見と言えるものは殆どありませんでした。しかし、全ての展示品には説明文が付いており、これが貴重なので、結局全部を撮影しました。


今回撮影した写真のサムネイル。全部で162枚になった。

本来なら、展示品の写真も掲載しておきたいところですが、前述の「The Volstead Act」を検索したら、なんとSFOミュージアムの公式サイトがヒットしてしまい、こちらの方が写真がきれいで鮮明なので、これを以て代えておこうと思います→「GAMES OF CHANCE」のSFOミュージアム公式サイト


SFOミュージアムの公式サイトのスクリーンショット(部分)。出展機種全てではないが、プロが撮影した美麗な画像と、展示時そのままの説明文が掲載されている。

今回の展示では、SFOミュージアムを紹介するフリーペーパーまで作られていました。4つ折りになっている紙面を開くと、紙面の1/4ずつを使って、表紙と裏表紙、それに口上と代表的なスロットマシン4機種の画像が掲載されており、その裏面は全面を使って看板に採用されていた写真のハイライト部分が掲載されていました。


4つ折りのパンフレットを開いた片面。この画像の状態から中央で水平方向に山折りし、続いて中央で縦方向に谷折りすると、表紙、口上、展示機種の例、裏表紙となる。


4つ折りのパンフレットの裏面。全面を使って看板に使用されている写真のハイライト部分が掲載されている。

さすがに2回目であり、更に本家にも行っていたワタシは、今回は飛行機に乗り遅れることもなく、無事にリノに飛ぶことができました。その時の、リノ、カーソンシティ、ラスベガスでの顛末については前述の「新・ラスベガス半生中継 2017 年GW 初日。」から記しておりますのでよろしければご参照いただければ幸甚です。

(おわり)