水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

古今集(56)

2015-01-29 14:39:54 | 古今和歌集
74 桜花ちらばちらなむ ちらずとてふるさと人のきても見なくに

僧正へんぜうによみておくりける

これたかのみこ


桜の花よ、散るなら散ってしまえ。散らなかったとしても、故郷の人(遍照ノコト)はきてもくれないのだから。


惟高親王:844~897。文徳天皇の長子でありながら、藤原良房の支持を得られず、皇位につけなかった。872、28才で出家、隠遁生活を送る。


「世が世なら、わたしだって」という思いが伝わる歌だ。

古今集には、もう一首採録されていて、それが次。

945 白雲の絶えずたなびく峯にだに住めば住みぬる世のこそありけれ

しら雲が常時たなびくような山奥に住むことになったのですが、(私がそうなったとしても、何の変化もない)そんな世の中なのですね~


私が隠遁生活に入れば、世間はびっくりして、引き留めようとするに違いない、と思い込んでいたのに、という思いが込められているように思えます。