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東の八ッ場ダムは建造が完了し、存在感を
示したが、西の川辺川ダム建造の予定だった
本流の球磨川は、熊本県球磨郡の最奥部に
位置する水上村に源があり、人吉盆地を貫流
して、八代市で不知火海に注ぐ。
川辺川は、最北部の宮崎県境にある国見岳を
源流とし、五木村から人吉市で球磨川に合流。
球磨川は、最上川や富士川と並んで、日本
三大急流として知られ、暴れ川とされて、
治水の難しい川だった。
球磨川は、源流から河口まで、熊本県内に
収まっているため、国としては熊本県の意向を
尊重せざるを得ず、治水は熊本県に委ねられた。
それから12年余、目に見える効力を備えた
治水工事はなされず、放任されて来た。
その結果の大災害を目にして知事は、[改めて
ダムによらない治水を極限まで検討する必要を
確信した次第だ]と反省と決意を述べた。
ダム建設を中止させ、護岸などによる治水に
方針を決めたとき、この決意が欲しかった。
問題となるのは、決壊や越水などが発生した
12ヶ所は、洪水発生の危険性を備えた「重要
水防箇所」指定地だったことだ。
専門家の指摘では、30mにわたって決壊した
堤防は旧川跡の位置にあり、軟弱な地質から
[要注意]の判定が付いていたヶ所に当たる。
81人の命は戻らない、被害額は甚大な額に。
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」です。
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