○シュルトの強さに谷川氏お手上げ、次戦はDREAM?=K-1一夜明け
『 さすがの谷川氏も、マーク・ハントを1R悶絶KOで下した絶対王者セーム・シュルトの強さにはお手上げ状態だ。
「誰もが認める相手がいればまた6月大会でもタイトル戦になると思いますが、K-1ではもう相手がいないんじゃないでしょうか?
‥ とりあえずは6月29日の福岡大会出場のオファーを出す見込みだが、「K-1では相手がいないし、DREAMにも出てほしいと思いますね」と、総合参戦の可能性も示唆した。
‥ 谷川氏が手放しで絶賛したのが、レイ・セフォーを1RKOで撃破し圧倒的な強さをアピールした初代ヘビー級王者のバダ・ハリ。「セフォーがあんなに簡単に負けてしまったのがショック。それくらい今のバダ・ハリは強い。
‥ 視聴率は平均が12.8パーセントで、瞬間最高視聴率が武蔵vs.澤屋敷の16.4パーセントであったことを発表。この数字について、「ホッとひと安心ですね。他局が強い番組の中、この数字は悪い方向には向かっていないと思います」と胸をなでおろしていた。 』 ・・
オランダの大怪物、セーム・シュルトは強いですねえ。90年代のピーター・アーツくらいの無敵の強さです。アーツの最強時代には、アーネスト・ホーストがぐんぐん実力を着けて追い上げて来てたし、アンディ・フグも勝負にムラがあったが実力を上げて来た。レ・バンナもマイク・ベルナルドも強かった。何よりも、90年代のあのK-1第一次ヒートアップの時代の強豪は、まだ人間の最強ファイターという範疇だった。だが、今のK-1のセーム・シュルトやチェ・ホンマンなどは、もう人間離れした超怪物の領域のファイターだ。アーツ、レ・バンナ、セフォー、それから今回のマーク・ハントあたりまでの強豪たちは、まだ人間の域のファイターだと思う。それでも相当大きな格闘者だけど、シュルトなんかは桁違いの巨人だ。
シュルトは、巨大格闘ロボとも呼ばれるだけに、身体が人間離れした大きさで、無駄な肉の無い、巨骨と筋肉の塊りという感じだ。ベースが空手だけに、パンチも蹴りも良い。立ち技では弱点がない難攻不落の人間巨城、という感じかな。
73年生まれというと、現在35歳くらいなのかな。元々は、極真空手から枝分かれした、東孝創始の大道塾で投げ技有りの空手をやり、それからパンクラスで総合格闘技をやっている。グランドの経験もある訳だが、やっぱり光るのは立ち技の破壊力ですね。PRIDE等のプロ総合格闘技では頂点クラスまでは行けなかったですね。K-1では無敵のチャンピオンですけど。
今回の大会には、フランシスコ・フィリオ、グラウベ・フェイトーザに続く、極真ブラジル第三の怪物、エヴェルトン・テイシェイラがK-1に登場しました。極真世界大会で、フィリオに次いで、史上二人目の世界王者になったテイシェイラですが、K-1初戦の今回の試合では、ちょっと硬くなり過ぎてた感じです。緊張し過ぎで上体がカチカチの感じでファイトしてた。多分、60パーセントくらいの実力しか発揮出来なかったんじゃないかなあ。
フランシスコ・フィリオのK-1デビュー時は、空手に先手無し、の空手の戦い方で、受けて返すカウンターで勝負を着けていて、またそれが成功していた。カウンターで空手の一撃必殺をまざまざと見せ付けていた。しかし今の世界キックボクシングでは、いろいろと研究されてるから、相手の仕掛けを待って返す戦法だけでは勝てないよね。待ってるだけだと、レフェリーの指導を受けることにもなるし。
テイシェイラは、あのガチガチ態勢で、日本のK-1界では実力者のぶんぶん丸、藤本祐介を延長まで掛かったとはいえKOしたのは、キックボクシングの試合に慣れれば、かなりの強さを発揮しそうな期待が持たれる。先ず、しっかりとボクシングのパンチを覚えないとね。
フランシスコ・フィリオの全盛期に、巨神兵セーム・シュルトに当たって欲しかったなあ。フィリオは身体の何処かを故障したんだろうね。フィリオはかなりの、世界最高域レベルの実力者と見てたんだけど、リアルファイトの格闘技者は一度何処かを故障すると、もうどうしようもないもんね。
大山倍達総裁が生前、日本が獲れなければ腹を切る、とまで言い切っていた、極真世界大会だが、二代目松井章圭館長になってからは、第6回にフィリオ、第8回にテイシェイラが王座に着いている(第8回は3位。第9回で優勝)。それに第8回はベスト4全員が外人勢だ(第9回。第8回では優勝は日本人選手)。時代は変わったんだなあ。
アップした後で寝てて思って、書き足そうとして機会がすぐに来なかったんで、今なんだけど(4/15 21:30)、エヴェルトン・テイシェイラは、まだ、キックボクシングの間合いが解ってなかったね。ローキックを織り交ぜた、ボディーへのど突き合いが基本の、フルコンタクト空手の組手の間合いと、ヒットアンドアウェイが基本のキックボクシングでは、間合いが全然違う。キックボクシングの間合いが解らないから、テイシェイラの蹴りなんて全然当たらなかったね。まだまだテイシェイラはボクシング技術を身に付けてキックボクシングに慣れないと駄目だね。同じ極真空手世界一でも、フランシスコ・フィリオの方が、天性の格闘家センスは数段上だったような気がする。