■少子高齢化が予想以上の速さで進んでいるのが問題だと誰もが心配している昨今、社会制度の不備や家族像の変化など、いろいろな人が原因と解決法を考えています。結婚の意味が、家社会が崩壊して個人の問題となって来ると、離婚が増加しますし、女性の社会進出が増えると晩婚化と保育施設の不足が問題となります。女性解放運動の先進国とされる米国では、昔からベビー・シッターの制度が有って、学生のアルバイトとして定着していますが、日本の子育ては「嫁取り」時代の終焉(しゅうえん)に合うようにはなっていないようです。
■訴訟社会の米国では、ベビー・シッターがお守りを頼まれた子供を虐待している疑いが有ると隠しカメラで裁判用の証拠ビデオを撮影するので、時々、それがマスコミに流出して日本のニュース番組でも放送しています。以前、日本でも鬼のような園長さんが経営していた保育園が摘発された事が有りましたが、それは非常に珍しいケースだと皆が信じていたのではないでしょうか?
■他人の子供は、自分の子供ほどは可愛くない!という感情が種の保存に役立つと言われます。最近評判の皇帝ペンギンも、餌取りから戻った親ペンギンは、自分の子にしか餌を与えず、事故に遭って戻れなかった親に会えない雛(ひな)は餓死するのが自然の掟(おきて)だそうです。人間だけは、養子縁組や宗教的な行動として、血縁関係の無い子供を育てる方法を持っていますが、商業行為としての保育が一般的ですなあ。商売は信用第一ですから、預かった子供を虐待するはずは無い、と誰でも信じているわけですが、これを疑わなければならなくなると、ますます少子化は進むでしょうなあ。
乳児虐待:「腹が立ち揺さぶった」 保育ママが供述
東京都世田谷区認定の「保育ママ」が乳児を虐待した事件で、傷害容疑で逮捕された岡文代容疑者(42)が、2度にわたって虐待を繰り返していたことが、警視庁捜査1課と成城署の調べで分かった。岡容疑者は「泣きやまないので腹が立ち、数十回揺さぶった。乳児を揺さぶることは危険だと知っていた」と供述し、容疑を認めている。 調べでは、岡容疑者は7月12日朝のほか、6月30日午前10~11時にも、同区のマンション自室で預かっていた女児(生後5カ月)をベビーカーに乗せて強く揺さぶり、硬膜下血腫と眼底出血など「揺さぶられっ子症候群」で、3カ月以上の重傷を負わせた疑い。女児の両親が7月13日、同署に相談していた。
岡容疑者は02年10月から保育ママ事業を始め、事件当時は6月1日から預かっていた女児だけだった。これまでに12人を保育したが、別の乳幼児が左目を内出血したケースもあり、同課は同様の虐待があった可能性もあるとみて慎重に調べる。毎日新聞 2005年9月24日
■この容疑者が、出産と育児の経験をしていたのかどうかは分かりませんが、この人の母性を信じて我が子を託した人たちは、きっと大きな衝撃を受けたでしょうなあ。過激なジェンダー・フリー論者からは、女性だけに母性を押し付けるな!と出口の無い主張をしそうですが、父性と母性とで組み上げられている家族という「文化」を理論的に破壊して見ても仕方が無いのではないか、と考えてしまいます。崩壊地域社会を復活させて、リタイアした人達が地域の子育てに参加するような動きも出ているとも聞きますし、新しい保育の形を求めて活動している人達が、法改正や規制緩和を求めている記事も読む機会が増えました。
■人が人を育てるという本能自体に大きな疑義が生じている日本ですから、歪んだ幼児性愛を自分で制御できずに凶悪犯罪に走る予備軍が増えている気配を誰もが感じています。母性が崩壊するのと歩調を合わせて父性も崩壊しているのでしょうか?「保母さん」や「看護婦さん」が死語になって、体力勝負の男達が保育や医療に進出してもいますなあ。本当なら、男であろうと女であろうと、「子供は可愛い」と感じられる人間として育ってもらわなければ困るわけです。その感情が、性的な欲望の対象に転化したり、単なる金儲けの手段にしかならない時代は、遠慮したいものです。
■虐待を受けた子供が、もっと酷い虐待をする親になる、この連鎖は学問的にも確かめられているようですから、小中学校の知的レベルの低下も問題ですが、種としての人間を考えると、猿から人に進化するのを実際に追体験するような乳児から幼児へと成長する時期に、もっと注目しなければならないでしょう。地方自治体の対応が遅れていて、せっかく生まれた子供達が、共働きの核家族の中で邪魔者扱いされるような社会は病んでいるとしか思えませんなあ。子供が厄介者とされた時代など人類は経験していないのですから、今は、まったく新しい時代を迎えているという事なのかも知れません。
■地球の温暖化で自然環境がどんどん凶暴になっている時に、人間の内面も凶暴になってしまったら、人類の未来は無いと言わざるを得なくなります。『愛・地球博』の閉会式が行なわれた日に、嫌なニュースを読んでしまいました。
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雲来末・風来末(うんらいまつふうらいまつ) テツガク的旅行記
五劫の切れ端(ごこうのきれはし)仏教の支流と源流のつまみ食い
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■訴訟社会の米国では、ベビー・シッターがお守りを頼まれた子供を虐待している疑いが有ると隠しカメラで裁判用の証拠ビデオを撮影するので、時々、それがマスコミに流出して日本のニュース番組でも放送しています。以前、日本でも鬼のような園長さんが経営していた保育園が摘発された事が有りましたが、それは非常に珍しいケースだと皆が信じていたのではないでしょうか?
■他人の子供は、自分の子供ほどは可愛くない!という感情が種の保存に役立つと言われます。最近評判の皇帝ペンギンも、餌取りから戻った親ペンギンは、自分の子にしか餌を与えず、事故に遭って戻れなかった親に会えない雛(ひな)は餓死するのが自然の掟(おきて)だそうです。人間だけは、養子縁組や宗教的な行動として、血縁関係の無い子供を育てる方法を持っていますが、商業行為としての保育が一般的ですなあ。商売は信用第一ですから、預かった子供を虐待するはずは無い、と誰でも信じているわけですが、これを疑わなければならなくなると、ますます少子化は進むでしょうなあ。
乳児虐待:「腹が立ち揺さぶった」 保育ママが供述
東京都世田谷区認定の「保育ママ」が乳児を虐待した事件で、傷害容疑で逮捕された岡文代容疑者(42)が、2度にわたって虐待を繰り返していたことが、警視庁捜査1課と成城署の調べで分かった。岡容疑者は「泣きやまないので腹が立ち、数十回揺さぶった。乳児を揺さぶることは危険だと知っていた」と供述し、容疑を認めている。 調べでは、岡容疑者は7月12日朝のほか、6月30日午前10~11時にも、同区のマンション自室で預かっていた女児(生後5カ月)をベビーカーに乗せて強く揺さぶり、硬膜下血腫と眼底出血など「揺さぶられっ子症候群」で、3カ月以上の重傷を負わせた疑い。女児の両親が7月13日、同署に相談していた。
岡容疑者は02年10月から保育ママ事業を始め、事件当時は6月1日から預かっていた女児だけだった。これまでに12人を保育したが、別の乳幼児が左目を内出血したケースもあり、同課は同様の虐待があった可能性もあるとみて慎重に調べる。毎日新聞 2005年9月24日
■この容疑者が、出産と育児の経験をしていたのかどうかは分かりませんが、この人の母性を信じて我が子を託した人たちは、きっと大きな衝撃を受けたでしょうなあ。過激なジェンダー・フリー論者からは、女性だけに母性を押し付けるな!と出口の無い主張をしそうですが、父性と母性とで組み上げられている家族という「文化」を理論的に破壊して見ても仕方が無いのではないか、と考えてしまいます。崩壊地域社会を復活させて、リタイアした人達が地域の子育てに参加するような動きも出ているとも聞きますし、新しい保育の形を求めて活動している人達が、法改正や規制緩和を求めている記事も読む機会が増えました。
■人が人を育てるという本能自体に大きな疑義が生じている日本ですから、歪んだ幼児性愛を自分で制御できずに凶悪犯罪に走る予備軍が増えている気配を誰もが感じています。母性が崩壊するのと歩調を合わせて父性も崩壊しているのでしょうか?「保母さん」や「看護婦さん」が死語になって、体力勝負の男達が保育や医療に進出してもいますなあ。本当なら、男であろうと女であろうと、「子供は可愛い」と感じられる人間として育ってもらわなければ困るわけです。その感情が、性的な欲望の対象に転化したり、単なる金儲けの手段にしかならない時代は、遠慮したいものです。
■虐待を受けた子供が、もっと酷い虐待をする親になる、この連鎖は学問的にも確かめられているようですから、小中学校の知的レベルの低下も問題ですが、種としての人間を考えると、猿から人に進化するのを実際に追体験するような乳児から幼児へと成長する時期に、もっと注目しなければならないでしょう。地方自治体の対応が遅れていて、せっかく生まれた子供達が、共働きの核家族の中で邪魔者扱いされるような社会は病んでいるとしか思えませんなあ。子供が厄介者とされた時代など人類は経験していないのですから、今は、まったく新しい時代を迎えているという事なのかも知れません。
■地球の温暖化で自然環境がどんどん凶暴になっている時に、人間の内面も凶暴になってしまったら、人類の未来は無いと言わざるを得なくなります。『愛・地球博』の閉会式が行なわれた日に、嫌なニュースを読んでしまいました。
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