■旅限無が山から出て来ました。勿論、投票には行きました。そして、テレビで夜の開票番組をちらちら観ている内に、とても素面(しらふ)でいられなくなりまして、少々飲み過ぎてしまったようです。軽い二日酔い状態と選挙翌日の新聞やテレビに目を通して、これまた選挙の二日酔いを起こして、実に不愉快な思いをしております。皆様はいかがでしょう。小泉圧勝!を痛快に思っておられる方や、これで改革が進むぞ!と期待していおられる方もおられるかも知れませんが、歴史的な「絶対安定多数」を自民党に与えるのは、ちょっとやり過ぎではないでしょうかな?
■事前の世論調査で、自民党の独り勝ちは予想されていたわけですが、こんな過激な漫画のような選挙になろうとは、誰が思っていたでしょう?マスコミ上げて「選挙に行きましょう。」と口々に叫んでいたのは毎度の事ですが、これまでの選挙では「投票率が上がると、自民党は苦戦する」とされていたので、今回も内心では「いつもと違うかも?」と思いつつ、「浮動票」を動かしてアワ良くば政権交代なども期待していたマスコミ人が多かったのではないでしょうか?野党側からも投票率が上がれば有利と、勝手に思い込んでいた節が有ります。小泉さんだけは、特別に投票率に関してはコメントしていなかったようですなあ。やはり、「組織票」が多数の浮動票の中に埋没して薄まってしまうのを警戒したのでしょうか?それとも連立を組む公明党からの要請があったのでしょうか?どちらにしても、立ち合い演説をする度に、
「郵政民営化に反対するのは、既得権を守ろうとする一部の組織のことだけを考える者だ!国全体の利益を考えるのが政治家だ!」
と言っていたらしいので、これも良く考えてみれば、「浮動票」を掘り起こす効果が有る発言ですなあ。それに、深読みすれば、公明党は一部の団体の利益を考えているなあ、と選挙民に思わせて、自民党だけの安定多数を目論んでいるようにも思えましたぞ。
■結果は、公明党が3議席減らして自民党はバカみたいに増えましたなあ。しかし、これは小泉さんが支持されたとか、矛盾だらけ穴だらけの「郵政民営化法案」が支持されたと言える現象ではないのではなかろうか?今回の選挙は、
岡田民主党の独り負け
だったのではないでしょうか?岡田さんの発言がメディアに乗る度に、民主党は支持を失って行ったとしか思えません。最後の最後になって
正しい解答は「増税をしない事」
と自分達のマニフェストをぶっ壊す暴言を吐くに到りましたなあ。選挙カーを降りてから取材マイクに囲まれて、しどろもどろの「解説」をしている姿が放送されていました。あの一瞬は、大きな意味が有ったに違いありません。
■岡田民主党代表は、今まで通りに投票率が上がれば、浮動票をガッポリと頂けるものと甘い夢を見ていたのでしょうなあ。ところが、前回の風で吹き集まった浮動票に新たな票が加わって、全部まとめて自分の足元から飛び去っていたのでした。あちこちで、「投票に行こう」と連呼されたので、珍しく投票所に行ったものの、何を言っているのか御本人も分かっていないような岡田さんを信頼して投票する者など居るわけが無いでしょうに!彼の最も大きな間違いは、「政権交代」を目的にした事です。それは自分達の政策を実行するための「手段」でなければなりません。岡田さんは言いました、
小泉さんは郵政改革をすれば、経済も景気も金融も外交も全部良くなるなんて言っています。トンデモない話をしてはいけません!
でも、政権交代さえすれば、(思い付きを書き並べた)マニフェストが次々に実行に移されて「日本が良くなる」と言うのも、小泉さん以上のウソツキに見える話でしょうに!
■政権交代をするかしないか、それを判断するのは岡田さんではなくて、国民です。そして、国民は新政権の政治思想と政策を知りたがったのです。岡田さんが一言何か言う度に、その後ろには3人の霊が付いているのが時々見えましたなあ。菅さん、小沢さん、鳩山さん、彼等が主張している政策が岡田さんの指導下では絶対に一つにならない事が、どんどんバレて行ったのが選挙運度期間の出来事でした。党首討論会などで、ワガママな子供のような泣き言を並べるくらいなら、「党内討論会」を公開して決着をつけておくべきでした。民主党の売り物は、良く言えば「多様な考え方」を丸抱えしていること、悪く言えば「避難民の寄り合い所帯」なのですから、そのぎらぎらしたバイタリティだけを見世物にしてしまうべきでした。「刺客」だの「くの一」だのの小泉時代劇に勝てるのは、「K-1」にも負けない民主党内バトルロイヤル!「菅が吼える!小沢が策す!鳩山はボケる!そして、岡田が外す!」こんな面白い政界の吉本劇場ならば、皆が見てくれて、マニフェストなんか捨てて楽しんでもらえたのではないでしょうか?
■解散直後に社民党を逃げ出して民主党に飛び込んだ横光克彦さんは、大分3区で落選して、比例名簿第3位で復活当選しているようです。彼の勘は当たったようですなあ。一議席積みました社民党は、敵前逃亡の横光さんが与えてくれた「同情票」を得たのかも知れませんなあ。でも、同情されるようになったら政党は終わりですぞ!
そして、最後まで後味の悪さが残った「新党日本」、懐かしい「日本新党」を単純にひっくり返したばかりか、高校生の文化祭と変らない幼稚で強引な盛り上がりを画策した田中知事は、民主党を見棄て、長野県では孤立して、自分の「天下り先」「再就職先」をどさくさに紛れて作ろうとしているようにさえ見えました。
■頼りない寄り合い所帯の民主党。同情を乞うだけの社民党。頑固なだけの共産党。政党にさえ見えない国民新党。学園祭の前夜祭をしていた新党日本。下駄の雪に徹した公明党。そして、小泉さんだはマイ・ペースで、今まで通りに選挙マシーンを動かし、女性とホリエモンで視聴率を稼いだのですから、これはやっぱり小泉さんが勝ったのではなく。岡田さんを先頭にして野党が勝手に負けたのです。煽られて動き出した浮動票は、行き場を失って、自民党に吹き寄せられてしまったのです。これから小泉さんが何を仕出かすのか、自民党に投票した人達は、決してそれを忘れずによく目を開いて見ている義務が有りますぞ!しかし、万一、岡田政権が出来てしまったら、もっとエライことになっていたでしょうから、民主党を応援した人達は、危ないところで責任を回避できた、ということになりますかなあ?
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五劫の切れ端(ごこうのきれはし)仏教の支流と源流のつまみ食い
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■事前の世論調査で、自民党の独り勝ちは予想されていたわけですが、こんな過激な漫画のような選挙になろうとは、誰が思っていたでしょう?マスコミ上げて「選挙に行きましょう。」と口々に叫んでいたのは毎度の事ですが、これまでの選挙では「投票率が上がると、自民党は苦戦する」とされていたので、今回も内心では「いつもと違うかも?」と思いつつ、「浮動票」を動かしてアワ良くば政権交代なども期待していたマスコミ人が多かったのではないでしょうか?野党側からも投票率が上がれば有利と、勝手に思い込んでいた節が有ります。小泉さんだけは、特別に投票率に関してはコメントしていなかったようですなあ。やはり、「組織票」が多数の浮動票の中に埋没して薄まってしまうのを警戒したのでしょうか?それとも連立を組む公明党からの要請があったのでしょうか?どちらにしても、立ち合い演説をする度に、
「郵政民営化に反対するのは、既得権を守ろうとする一部の組織のことだけを考える者だ!国全体の利益を考えるのが政治家だ!」
と言っていたらしいので、これも良く考えてみれば、「浮動票」を掘り起こす効果が有る発言ですなあ。それに、深読みすれば、公明党は一部の団体の利益を考えているなあ、と選挙民に思わせて、自民党だけの安定多数を目論んでいるようにも思えましたぞ。
■結果は、公明党が3議席減らして自民党はバカみたいに増えましたなあ。しかし、これは小泉さんが支持されたとか、矛盾だらけ穴だらけの「郵政民営化法案」が支持されたと言える現象ではないのではなかろうか?今回の選挙は、
岡田民主党の独り負け
だったのではないでしょうか?岡田さんの発言がメディアに乗る度に、民主党は支持を失って行ったとしか思えません。最後の最後になって
正しい解答は「増税をしない事」
と自分達のマニフェストをぶっ壊す暴言を吐くに到りましたなあ。選挙カーを降りてから取材マイクに囲まれて、しどろもどろの「解説」をしている姿が放送されていました。あの一瞬は、大きな意味が有ったに違いありません。
■岡田民主党代表は、今まで通りに投票率が上がれば、浮動票をガッポリと頂けるものと甘い夢を見ていたのでしょうなあ。ところが、前回の風で吹き集まった浮動票に新たな票が加わって、全部まとめて自分の足元から飛び去っていたのでした。あちこちで、「投票に行こう」と連呼されたので、珍しく投票所に行ったものの、何を言っているのか御本人も分かっていないような岡田さんを信頼して投票する者など居るわけが無いでしょうに!彼の最も大きな間違いは、「政権交代」を目的にした事です。それは自分達の政策を実行するための「手段」でなければなりません。岡田さんは言いました、
小泉さんは郵政改革をすれば、経済も景気も金融も外交も全部良くなるなんて言っています。トンデモない話をしてはいけません!
でも、政権交代さえすれば、(思い付きを書き並べた)マニフェストが次々に実行に移されて「日本が良くなる」と言うのも、小泉さん以上のウソツキに見える話でしょうに!
■政権交代をするかしないか、それを判断するのは岡田さんではなくて、国民です。そして、国民は新政権の政治思想と政策を知りたがったのです。岡田さんが一言何か言う度に、その後ろには3人の霊が付いているのが時々見えましたなあ。菅さん、小沢さん、鳩山さん、彼等が主張している政策が岡田さんの指導下では絶対に一つにならない事が、どんどんバレて行ったのが選挙運度期間の出来事でした。党首討論会などで、ワガママな子供のような泣き言を並べるくらいなら、「党内討論会」を公開して決着をつけておくべきでした。民主党の売り物は、良く言えば「多様な考え方」を丸抱えしていること、悪く言えば「避難民の寄り合い所帯」なのですから、そのぎらぎらしたバイタリティだけを見世物にしてしまうべきでした。「刺客」だの「くの一」だのの小泉時代劇に勝てるのは、「K-1」にも負けない民主党内バトルロイヤル!「菅が吼える!小沢が策す!鳩山はボケる!そして、岡田が外す!」こんな面白い政界の吉本劇場ならば、皆が見てくれて、マニフェストなんか捨てて楽しんでもらえたのではないでしょうか?
■解散直後に社民党を逃げ出して民主党に飛び込んだ横光克彦さんは、大分3区で落選して、比例名簿第3位で復活当選しているようです。彼の勘は当たったようですなあ。一議席積みました社民党は、敵前逃亡の横光さんが与えてくれた「同情票」を得たのかも知れませんなあ。でも、同情されるようになったら政党は終わりですぞ!
そして、最後まで後味の悪さが残った「新党日本」、懐かしい「日本新党」を単純にひっくり返したばかりか、高校生の文化祭と変らない幼稚で強引な盛り上がりを画策した田中知事は、民主党を見棄て、長野県では孤立して、自分の「天下り先」「再就職先」をどさくさに紛れて作ろうとしているようにさえ見えました。
■頼りない寄り合い所帯の民主党。同情を乞うだけの社民党。頑固なだけの共産党。政党にさえ見えない国民新党。学園祭の前夜祭をしていた新党日本。下駄の雪に徹した公明党。そして、小泉さんだはマイ・ペースで、今まで通りに選挙マシーンを動かし、女性とホリエモンで視聴率を稼いだのですから、これはやっぱり小泉さんが勝ったのではなく。岡田さんを先頭にして野党が勝手に負けたのです。煽られて動き出した浮動票は、行き場を失って、自民党に吹き寄せられてしまったのです。これから小泉さんが何を仕出かすのか、自民党に投票した人達は、決してそれを忘れずによく目を開いて見ている義務が有りますぞ!しかし、万一、岡田政権が出来てしまったら、もっとエライことになっていたでしょうから、民主党を応援した人達は、危ないところで責任を回避できた、ということになりますかなあ?
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