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かけ算

※初めての方はこちら「プロローグ」「このblogの趣旨」からお読みください。

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さて、今日も引き続き苦しみの話題で進行してみたいと思います。

先日、コメント欄にこのような書き込みを頂きました。


はなさんから頂いたコメントです。

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世界には日本で考えられないような、飢餓や戦争で子供たちが死んでいますが、こんな極端な苦しみも自分で求めて生まれたんですか?

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これに対し雲さんは、『YESとも言えないし、NOとも言えない』と答えます。

また、説明を行おうと言葉にすると『YESとも言えるし、NOとも言える』となってしまいます。

厳密には答えようのない質問なのですが、今日は無理を承知でこのご質問に返答してみたいと思います。


まず、一つ目のアプローチ。

「存在」の根源をたどると、「私たちは生まれたことも、死んだこともない、一つの同じもの」、という次元に行き着きます。

その次元から見ると、何かと分離されて存在するパーソナリティそのものがないので、「生まれてきた」というその前提自体があり得なくなり、答える以前に「質問自体がナンセンス」ということになってしまいます。


2つめのアプローチでは、「苦しみを求めて生まれてきた」を「YES」としてみましょう。

飢餓や戦争に限らず、そのような環境にない者にとっても苦しみは必ずついてまわります。

飢餓や戦争といった状態ではなく、物質的にも環境的にも恵まれているここ日本においても、悩みや問題だらけです。

頂いた質問では戦争や飢餓を「極端な苦しみ」と表現されていましたが、それらと無縁な生活を送れる日本において、自ら命を絶ってしまう方が後を絶たないのも、同様に「極端な苦しみ」があるからこそではないでしょうか。

問題の対象に違いがあったとしても、結局人生は苦しい。

そんな世界に存在している我々の理不尽さをどう説明するのかと言うことは、先日のエントリ「ゲーム」で書かせていただいた通りです。


3つめのアプローチは、「我々は、苦しみを求めて生まれてきたわけではない」という方向でお話を進めてみましょう。

ここからは、先日の「苦しみの源泉」の続きです。

まずは、その時の会話を振り返ってみましょう。


(  ̄Д ̄) 『苦しみは、どこから生まれると思う?』

( ̄^ ̄ )「う~ん。やっぱりあれですか、不満とか、不安とか、そういうこと?」

(  ̄Д ̄) 『いや、苦しみの源泉は、そのもっと前にあるんだ』

( ̄д ̄ ) 「もっと前?」

(  ̄Д ̄) 『不満や不安を感じるのは、「その不満や不安を感じている自分がいる」というのが前提にあるんだよ』

( ̄д ̄;) 「ま、そりゃそうですけど…」

(  ̄Д ̄) 『他者や外界から区別して意識される自分。その「自意識」が苦しみを生み、そしてその「自意識自身」が苦しみを感じているんだ。それを「自我」っていうんだけどね』

( ̄д ̄ ) 「???」

(  ̄Д ̄) 『「私とあなたは違う」という、その感覚が苦しみの起点になるんだ』

( ̄д ̄;) 「つまり、その~、“自我こそが苦しみである”と、言いたいのはそういうこと?」

(  ̄Д ̄) 『いや、そうじゃない。自我は、「苦しみの起点」であっても、「苦しみそのもの」じゃないんだ』





(  ̄Д ̄) 『「自我」は、「自」と「他」が存在するという分離意識によって生じる。しかし、「分離している」というそのこと自体が苦を生み出しているワケではないんだ。この「分離感」に「恐れ」が付加されたときに苦が生まれるんだ』


「分離感」×「恐れ」=「苦しみ」


(  ̄Д ̄) 『分離感(自我)が強まれば強まるほど、小さな恐れでも深い苦しみとなる。また、分離感が弱くても、大きな恐れがあれば苦しみは深まる』

Σ( ̄д ̄ ) 「ほう!なるほど!」

(  ̄Д ̄) 『分離感と恐れは別のものではない。必ずセットで存在している。分離感があるからこそ恐れが生まれ、恐れがあるからこそ分離感が強まる』

( ̄д ̄ ) 「この式を、人間が“生まれる”という次元で応用すると…」

(  ̄Д ̄) 『子が生まれるとき、その子の分離感は0に近い。物理的に考えても、子は母と「一つの同じもの」から始まる。そして、成長とともに「自」と「他」という分離認識を強めていく。そこに、大人達が「恐れ」を示すことで、この分離感は苦しみを導き出す。その苦しみを元に新たな恐れが生まれ、分離感はさらに強くなる。

子供達は、分離意識が高まった大人達の前で「0」を示してくれる神聖な存在だ。恐れに飲まれた大人達に、その選択の過ちを教えてくれる存在だ。子供達は皆、そのことを教えてくれるために生まれてくる』


☆今日のマイケル☆




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