いまさらながらの原点回帰
あの世に聞いた、この世の仕組み
つわり.1
※初めての方はこちら「プロローグ」、「このblogの趣旨」からお読みください。
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。
********************************************
この春からご懐妊中のフラワーエッセンス黒妻さん。
近頃はだいぶ良くなったみたいですが、ちょっと前まで壮絶な「つわり」に苦しんでおりました。
第一子を授かったときはそれほどでもなかったのですが、今回のつわりは相当に辛そうでした。
色々な方から沢山のアドバイスやご協力を頂いたのですが、それをあざ笑うかのように続く、強情なつわりさんは、なかなか黒妻さんのもとから離れる気配はありません。
川*TДT) 「パパぁ……、一日でいいから代わって!」
いや、代わってあげられるのなら、もちろんそうしてあげたいのだけど、こればっかりはねぇ……。
そんなある日のこと。
川* ̄д ̄) 「ね、ねぇパパぁ……」
( ̄д ̄ ) 「ん? なに?」
川* ̄д ̄) 「ちょっと、雲さんに聞いてくれない? 『つわり』って、どうして起こるの?」
と、そんな質問を投げかけられました。
なるほど、確かに興味深い。
が、しかし。
(-公-;) 雲さんはこんな質問に答えてくれるんだろうか……
そう思いながらもむ~んとコンタクトを取ること数十秒。
僕の予想を裏切って、雲さんは「つわり」について答えてくれました。
(  ̄Д ̄) 『呼んだ? 呼んだよね?(オフロスキーっぽく)』
( ̄д ̄;) 「あ、はい、呼びました」
(  ̄Д ̄) 『なに?』
( ̄д ̄ ) 「いや、あのね、実は最近、奥さんがつわりで大変そうなんだ」
(  ̄Д ̄) 『うん。そのようだね』
( ̄д ̄ ) 「でね、どうして“つわり”が起こるのかって話になったんだけど……。つわりって、なぜ起こるの?」
(  ̄Д ̄) 『あのさ、タバコってあるじゃん』
( ̄д ̄;) 「え? タバコ?」
(  ̄Д ̄) 『うん、タバコ。ちょっと思い出してみなよ、お前にも経験があるから。タバコ吸い慣れてない人がタバコ吸うと、オエッってなるじゃん?』
( ̄д ̄;) 「まぁ、そうですね」
(  ̄Д ̄) 『でも、タバコになれてる人は、吸う度にいちいちオエッとはならないじゃん?』
( ̄д ̄;) 「はぁ」
(  ̄Д ̄) 『そういうことだよ』
( ̄д ̄;) 「どういうことです?」
……と、いう感じで雲さんの「つわり講座」がはじまりました。
続く。
【トークライブ・インフォメーション】
◎10月1日(土)宮崎ソロライブ
◎10月2日(日)沖縄ソロライブ
◎10月23日(日)「阿雲の呼吸」 in 博多
◎11月23日(水・祝)札幌ソロライブ
※携帯からお申し込みの方はこちら。
←押した? 押したよね?(オフロスキーっぽく)
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。
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この春からご懐妊中のフラワーエッセンス黒妻さん。
近頃はだいぶ良くなったみたいですが、ちょっと前まで壮絶な「つわり」に苦しんでおりました。
第一子を授かったときはそれほどでもなかったのですが、今回のつわりは相当に辛そうでした。
色々な方から沢山のアドバイスやご協力を頂いたのですが、それをあざ笑うかのように続く、強情なつわりさんは、なかなか黒妻さんのもとから離れる気配はありません。
川*TДT) 「パパぁ……、一日でいいから代わって!」
いや、代わってあげられるのなら、もちろんそうしてあげたいのだけど、こればっかりはねぇ……。
そんなある日のこと。
川* ̄д ̄) 「ね、ねぇパパぁ……」
( ̄д ̄ ) 「ん? なに?」
川* ̄д ̄) 「ちょっと、雲さんに聞いてくれない? 『つわり』って、どうして起こるの?」
と、そんな質問を投げかけられました。
なるほど、確かに興味深い。
が、しかし。
(-公-;) 雲さんはこんな質問に答えてくれるんだろうか……
そう思いながらもむ~んとコンタクトを取ること数十秒。
僕の予想を裏切って、雲さんは「つわり」について答えてくれました。
(  ̄Д ̄) 『呼んだ? 呼んだよね?(オフロスキーっぽく)』
( ̄д ̄;) 「あ、はい、呼びました」
(  ̄Д ̄) 『なに?』
( ̄д ̄ ) 「いや、あのね、実は最近、奥さんがつわりで大変そうなんだ」
(  ̄Д ̄) 『うん。そのようだね』
( ̄д ̄ ) 「でね、どうして“つわり”が起こるのかって話になったんだけど……。つわりって、なぜ起こるの?」
(  ̄Д ̄) 『あのさ、タバコってあるじゃん』
( ̄д ̄;) 「え? タバコ?」
(  ̄Д ̄) 『うん、タバコ。ちょっと思い出してみなよ、お前にも経験があるから。タバコ吸い慣れてない人がタバコ吸うと、オエッってなるじゃん?』
( ̄д ̄;) 「まぁ、そうですね」
(  ̄Д ̄) 『でも、タバコになれてる人は、吸う度にいちいちオエッとはならないじゃん?』
( ̄д ̄;) 「はぁ」
(  ̄Д ̄) 『そういうことだよ』
( ̄д ̄;) 「どういうことです?」
……と、いう感じで雲さんの「つわり講座」がはじまりました。
続く。
【トークライブ・インフォメーション】
◎10月1日(土)宮崎ソロライブ
◎10月2日(日)沖縄ソロライブ
◎10月23日(日)「阿雲の呼吸」 in 博多
◎11月23日(水・祝)札幌ソロライブ
※携帯からお申し込みの方はこちら。
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新しいこと、いろいろ
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※「極楽飯店」の第一話はこちらから。
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昨日は阿部さんとのコラボトークライブ『阿雲の呼吸』のDVD、その2本目の編集でした。
今年に入ってから「降参のススメ」と「精神世界@DEEP」をテーマにお話した計6時間にわたる素材をまとめて、2時間ほどのDVDにしています。
そのため、何度も何度も素材(コラボトークライブ)の見直しを繰り返していたのですが、こうして自分が話しているところを客観的に見ていると……
うん。やっぱしゃべりすぎだ(苦笑)
編集室でもね、スタッフの方から「あの、阿部さんと黒斎さんの話している時間のバランスが……、どう調整しましょう?」なんていう言葉が出るぐらい。
_| ̄|○ す、すいません……、ホント、悪気はないんです……。
普段見ることができない自分の姿をこうして見ることができたのは、色んな意味で勉強になりました。今後の活動に役立てさせていただきますです、はい。。。
さて、僕の個人的な感想はさておき、今回のDVDは本当にいい出来になっていると思います。
「ライブ会場に来たことがない方はもとより、あの場を共有してくれた皆さんにとっても、色々な再発見が得られるはずだ!!」という、制作陣一同渾身の仕上がりになっています。
発売までにはもう少々時間がかかりますが、出来上がった際には、なにとぞよろしくお願い致します。
※ちなみに、以前はまだ会社勤めをしていたこともあり、DVD上では顔を隠していたのですが、今回はお面もモザイクもなし、無修正でございます。(*ノノ)イヤン!
で。
長期にわたって自分のライブの様子を見てきた僕は、そのVTRを見ながらウズウズしておりました。
「今度は、こんな話をしてみたい」「ここら辺を、もっと掘り下げて話してみたい」「そうか!このことはこんな表現もできそうだぞ!」そしてなにより、「阿部さんにもっと話してもらわなきゃ!」等といった沢山の衝動が生まれたんですね。
そこで、そんな思いを実現するべく、色々な形で新しいチャレンジをしていきたいと思います。
まずは、おなじみのコラボライブ『阿雲の呼吸』。
この秋からの展開は、これまでの流れとは違う企画を取り入れることを阿部さんに提案し、了承してもらいました。
今朝方、阿部さんのブログでも告知がありましたが、10月23日(日)の博多から新企画版『阿雲の呼吸』がスタートします。
第一部は、『EGO~偽の自分のメカニズム~』と題しまして、精神世界でお馴染みの「自我」にスポットをあててお話をしていきます。
これまでも阿雲の呼吸では、この自我のことを「思考」や「分離意識」などと言った言葉でお話してきましたが、それをさらにさらに掘り下げて、「発生の起点」や「存在理由」、また、自我が僕たちの人生に及ぼす色々な影響や、その活動メカニズムなどをお話してみたいと思っています。
第二部は、いわば「阿雲の呼吸リクエストアワー」といったノリの企画、『ザ・むちゃぶり』をお送りします。
皆さんから、ライブのお申し込み時と同時に「お題」を頂戴いたしまして、それらを僕がピックアップし、阿部さんに質問としてぶつけます。
「こんなことを相談してみたい」「このことがわからない」というご質問はもちろん、「このテーマを二人が話すとどうなるの?」といった興味本位のお題提示でもかまいません。
ブログや書籍、また、これまでのライブなどで消化不良となっていたアレコレをお寄せください。
この秋から、新展開を迎える『阿雲の呼吸』。詳細・お申し込みは【こちら】から。
そして、僕のソロライブも、新しいことにチャレンジしてみます。
月に一度ぐらいのペースで、平日の夜(19:00~21:00)に開催する、これまでのライブより、もっと気軽な「お話会」的なものをはじめてみます。
題しまして、そのままズバリの『月イチ☆』。料金はお一人様2,000円。
会場は僕の新しいホームグラウンド、三鷹(三鷹産業プラザ)を予定しています。
現在、10月26日(水)・11月21日(月)の開催準備を進めております。
( ̄Д ̄)ゞ 用意が調い次第、改めて受付を開始したいと思いますので、よろしくお願い致します。
そしてそして。
北海道、札幌の皆様。以前お伺いした時にお話させていただきました通り、再度新ネタを引っさげておじゃまいたします!
11月23日(水・祝)、札幌市教育文化会館にてソロライブを開催します。
なんと、申し込み方法も一新!
ネットでお申し込みした後は、お近くのセブンイレブンやファミリーマートで支払い&チケット受取もできちゃいます!
支払方法は、クレジットカード、コンビニエンスストア、ペイジー対応ATM、ネットバンキング(ペイジー)の中から選べます。
また、購入したチケットの受取り方法も、「ファミリーマート」「セブン-イレブン発券」「配送」の中からお選びいただけます。
お申し込みは【こちら】から。※携帯からお申し込みの方は【こっち】から。
そしてそしてそして。
このブログも新展開!
…
……
と、言いたいところなのですが、こちらの方は原点回帰。
久しぶりに「この世の仕組み」カテゴリーの記事を書いていこうと思っています。
まずは、ライブでも人気の「つわりネタ」あたりのテーマからやってみます。
これまでのお話と重複する部分も多々出てくることとは思いますが、今後ともどうぞよろしく。
←新しくしてみました。
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昨日は阿部さんとのコラボトークライブ『阿雲の呼吸』のDVD、その2本目の編集でした。
今年に入ってから「降参のススメ」と「精神世界@DEEP」をテーマにお話した計6時間にわたる素材をまとめて、2時間ほどのDVDにしています。
そのため、何度も何度も素材(コラボトークライブ)の見直しを繰り返していたのですが、こうして自分が話しているところを客観的に見ていると……
うん。やっぱしゃべりすぎだ(苦笑)
編集室でもね、スタッフの方から「あの、阿部さんと黒斎さんの話している時間のバランスが……、どう調整しましょう?」なんていう言葉が出るぐらい。
_| ̄|○ す、すいません……、ホント、悪気はないんです……。
普段見ることができない自分の姿をこうして見ることができたのは、色んな意味で勉強になりました。今後の活動に役立てさせていただきますです、はい。。。
さて、僕の個人的な感想はさておき、今回のDVDは本当にいい出来になっていると思います。
「ライブ会場に来たことがない方はもとより、あの場を共有してくれた皆さんにとっても、色々な再発見が得られるはずだ!!」という、制作陣一同渾身の仕上がりになっています。
発売までにはもう少々時間がかかりますが、出来上がった際には、なにとぞよろしくお願い致します。
※ちなみに、以前はまだ会社勤めをしていたこともあり、DVD上では顔を隠していたのですが、今回はお面もモザイクもなし、無修正でございます。(*ノノ)イヤン!
で。
長期にわたって自分のライブの様子を見てきた僕は、そのVTRを見ながらウズウズしておりました。
「今度は、こんな話をしてみたい」「ここら辺を、もっと掘り下げて話してみたい」「そうか!このことはこんな表現もできそうだぞ!」そしてなにより、「阿部さんにもっと話してもらわなきゃ!」等といった沢山の衝動が生まれたんですね。
そこで、そんな思いを実現するべく、色々な形で新しいチャレンジをしていきたいと思います。
まずは、おなじみのコラボライブ『阿雲の呼吸』。
この秋からの展開は、これまでの流れとは違う企画を取り入れることを阿部さんに提案し、了承してもらいました。
今朝方、阿部さんのブログでも告知がありましたが、10月23日(日)の博多から新企画版『阿雲の呼吸』がスタートします。
第一部は、『EGO~偽の自分のメカニズム~』と題しまして、精神世界でお馴染みの「自我」にスポットをあててお話をしていきます。
これまでも阿雲の呼吸では、この自我のことを「思考」や「分離意識」などと言った言葉でお話してきましたが、それをさらにさらに掘り下げて、「発生の起点」や「存在理由」、また、自我が僕たちの人生に及ぼす色々な影響や、その活動メカニズムなどをお話してみたいと思っています。
第二部は、いわば「阿雲の呼吸リクエストアワー」といったノリの企画、『ザ・むちゃぶり』をお送りします。
皆さんから、ライブのお申し込み時と同時に「お題」を頂戴いたしまして、それらを僕がピックアップし、阿部さんに質問としてぶつけます。
「こんなことを相談してみたい」「このことがわからない」というご質問はもちろん、「このテーマを二人が話すとどうなるの?」といった興味本位のお題提示でもかまいません。
ブログや書籍、また、これまでのライブなどで消化不良となっていたアレコレをお寄せください。
この秋から、新展開を迎える『阿雲の呼吸』。詳細・お申し込みは【こちら】から。
そして、僕のソロライブも、新しいことにチャレンジしてみます。
月に一度ぐらいのペースで、平日の夜(19:00~21:00)に開催する、これまでのライブより、もっと気軽な「お話会」的なものをはじめてみます。
題しまして、そのままズバリの『月イチ☆』。料金はお一人様2,000円。
会場は僕の新しいホームグラウンド、三鷹(三鷹産業プラザ)を予定しています。
現在、10月26日(水)・11月21日(月)の開催準備を進めております。
( ̄Д ̄)ゞ 用意が調い次第、改めて受付を開始したいと思いますので、よろしくお願い致します。
そしてそして。
北海道、札幌の皆様。以前お伺いした時にお話させていただきました通り、再度新ネタを引っさげておじゃまいたします!
11月23日(水・祝)、札幌市教育文化会館にてソロライブを開催します。
なんと、申し込み方法も一新!
ネットでお申し込みした後は、お近くのセブンイレブンやファミリーマートで支払い&チケット受取もできちゃいます!
支払方法は、クレジットカード、コンビニエンスストア、ペイジー対応ATM、ネットバンキング(ペイジー)の中から選べます。
また、購入したチケットの受取り方法も、「ファミリーマート」「セブン-イレブン発券」「配送」の中からお選びいただけます。
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そしてそしてそして。
このブログも新展開!
…
……
と、言いたいところなのですが、こちらの方は原点回帰。
久しぶりに「この世の仕組み」カテゴリーの記事を書いていこうと思っています。
まずは、ライブでも人気の「つわりネタ」あたりのテーマからやってみます。
これまでのお話と重複する部分も多々出てくることとは思いますが、今後ともどうぞよろしく。
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無我の境地
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※「極楽飯店」の第一話はこちらから。
********************************************
もしアナタが、「悟りたいんだ!」なんていう気持ちでこのブログを読んでいるのだとしたら、その考えは改めた方がいいかと思います。
いえ、別に偉そうにしたいからそう言っているワケでもなく、アナタを落胆させようとしているワケでも、はぐらかそうとしているワケでもありません。
ただ、「悟ろう」というその考え方自体がおかしいから、「そんなことは、やめたほうがいい」とお話したいのです。
このブログに限らず、「悟りたい」と願い、それに向けて色々な勉強や修行に励むのであれば、それらの行為は、あらゆる人を「悟り」から遠ざけてしまいます。
「悟り」は、古くから「無我の境地」という言葉で伝えられてきました。
読んで字の如く、「我(自分)の無い境地」です。
つまり、「悟りたい!」と四苦八苦している「自分」があるのであれば、そこに「無我の境地」があるはずがないのです。
どんなに努力をしようと、どんなに我慢を重ねようと、その努力や我慢をしているのは「自分」です。
その「自分」が無くならない限り、「悟り」は訪れません。
←もしアナタが、「押したくないんだ!」なんていう気持ちでこの文章を読んでいるのだとしたら、その考えは改めた方がいいかと思います。
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。
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もしアナタが、「悟りたいんだ!」なんていう気持ちでこのブログを読んでいるのだとしたら、その考えは改めた方がいいかと思います。
いえ、別に偉そうにしたいからそう言っているワケでもなく、アナタを落胆させようとしているワケでも、はぐらかそうとしているワケでもありません。
ただ、「悟ろう」というその考え方自体がおかしいから、「そんなことは、やめたほうがいい」とお話したいのです。
このブログに限らず、「悟りたい」と願い、それに向けて色々な勉強や修行に励むのであれば、それらの行為は、あらゆる人を「悟り」から遠ざけてしまいます。
「悟り」は、古くから「無我の境地」という言葉で伝えられてきました。
読んで字の如く、「我(自分)の無い境地」です。
つまり、「悟りたい!」と四苦八苦している「自分」があるのであれば、そこに「無我の境地」があるはずがないのです。
どんなに努力をしようと、どんなに我慢を重ねようと、その努力や我慢をしているのは「自分」です。
その「自分」が無くならない限り、「悟り」は訪れません。
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心機一転
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********************************************
さて。
さて。
さて。
……
何書こう?
あ、ども。こんにちは。色んな意味で行き先を見失った男です。
まずは、極楽飯店の終了に伴い、たくさんのコメントをいただきましたこと、お礼申し上げます。
ありがとうございました。
ログを辿ってみましたら、この物語の第一話をアップしたのは、昨年の8月20日ですって。
この日はねぇ、まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした。
例の「天国の箸と地獄の箸」、このお話にほんのちょっと味付けして、かる~くご紹介するぐらいの気持ちだったんですよ。
投稿回数にして、三回ぐらい。その程度の気持ちで書き出したんです。
それがまぁ、なんと、一年を超えるものになってしまいましたとさ。
その間に我が家の様子も随分様変わりしましてね、北海道から東京に移り住み、竹彩は小学校に入学し、フラワーエッセンス黒妻さんはご懐妊し、再来月には第二子がやってきます。
この「将来」ってヤツはホントに予測不可能。何があるかなんて全く予想もできません。
数年前は「この不景気続きで広告業界はこの先どうなるんだろう。この先もこの会社で勤めていられるんだろうか」とか、「この先も世の中に置いて行かれることなく、広告クリエイターとしてやっていけるんだろうか」とか、続々と独立開業していく同世代のクリエイターを見ながら「いいなぁ、俺も独立もしてみたいけど、俺にはその才能も信頼も人脈もないからなぁ」とか、色んな事を考えて、日々漠然と「将来」ってものを予想しながら生活していたのですが、今となっては、その時考えていたアレコレは、全くの無駄だったことに気づきます。
だってねぇ、生活基盤そのものが激変してるんですもの。
こんなこと、予想のよの字もできませんでしたよ。
予測を立てようが立てまいが、そんなのはお構いなしに、起こる事が起こっていくばかりですね。
ホント、お釈迦様が言った所の「タタータ!(起こる事しか起こらない。起こらないことは起こらない)」ってやつですわ。
と、いうことで。
このブログの次の記事に、僕が何を書くのかすらも、やはり予想できずにいるのでした。
※とはいえ、たぶん、長い物語は書かないと思うのです。(←「ブログ」という媒体で物語を書くことの大変さが、相当に身に染みた模様)(だって、一度アップしたら、書き直ししづらいんだもん)
←さて、今度はどのカテゴリに引っ越そう?
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。
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さて。
さて。
さて。
……
何書こう?
あ、ども。こんにちは。色んな意味で行き先を見失った男です。
まずは、極楽飯店の終了に伴い、たくさんのコメントをいただきましたこと、お礼申し上げます。
ありがとうございました。
ログを辿ってみましたら、この物語の第一話をアップしたのは、昨年の8月20日ですって。
この日はねぇ、まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした。
例の「天国の箸と地獄の箸」、このお話にほんのちょっと味付けして、かる~くご紹介するぐらいの気持ちだったんですよ。
投稿回数にして、三回ぐらい。その程度の気持ちで書き出したんです。
それがまぁ、なんと、一年を超えるものになってしまいましたとさ。
その間に我が家の様子も随分様変わりしましてね、北海道から東京に移り住み、竹彩は小学校に入学し、フラワーエッセンス黒妻さんはご懐妊し、再来月には第二子がやってきます。
この「将来」ってヤツはホントに予測不可能。何があるかなんて全く予想もできません。
数年前は「この不景気続きで広告業界はこの先どうなるんだろう。この先もこの会社で勤めていられるんだろうか」とか、「この先も世の中に置いて行かれることなく、広告クリエイターとしてやっていけるんだろうか」とか、続々と独立開業していく同世代のクリエイターを見ながら「いいなぁ、俺も独立もしてみたいけど、俺にはその才能も信頼も人脈もないからなぁ」とか、色んな事を考えて、日々漠然と「将来」ってものを予想しながら生活していたのですが、今となっては、その時考えていたアレコレは、全くの無駄だったことに気づきます。
だってねぇ、生活基盤そのものが激変してるんですもの。
こんなこと、予想のよの字もできませんでしたよ。
予測を立てようが立てまいが、そんなのはお構いなしに、起こる事が起こっていくばかりですね。
ホント、お釈迦様が言った所の「タタータ!(起こる事しか起こらない。起こらないことは起こらない)」ってやつですわ。
と、いうことで。
このブログの次の記事に、僕が何を書くのかすらも、やはり予想できずにいるのでした。
※とはいえ、たぶん、長い物語は書かないと思うのです。(←「ブログ」という媒体で物語を書くことの大変さが、相当に身に染みた模様)(だって、一度アップしたら、書き直ししづらいんだもん)
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極楽飯店.最終回
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極楽飯店での食事を終えてから、どれほどの時間が経ったろうか。(いや、この次元においては、この問い掛けすらも的確でないことは、既に承知の上ではあるが。)
その後も俺たちは浮遊や変身、また、人間界とのアクセス方法やカルマに巻き込まれないための防衛術、その他各種の規約(法律などが存在するわけではないが、それなりに避けねばならぬ注意事項等が色々ある。閻魔曰く、人間界を混乱させないための配慮であるらしい。)などをこってりとレクチャーされた。
それらのレッスンは、決して容易なモノばかりではなかった。
閻魔は俺たちが何かにつまずくたびに「人間以上に人間を理解しなければ、守護は勤まらない」と言って熱弁を奮っていたが、一通りのレッスンを終えたいまは、確かにその通りだと思っている。
藪内や俺は、特に勘違いしていた。
閻魔の説明を受けるまでは、「守護霊」という存在は、人間を様々な苦難や被害から守る役目のモノだとばかり思っていた。
しかし、実際するべきことは、まるで違っていた。
俺たちがこれからすることは、対象となる人間を守る事ではなく、「いかにして、彼らが幻想世界にいることを気づかせることができるか」というものだった。
その視点に立てば、守る事ばかりが人間にとっていいことではない。むしろ(彼らにとっては)災難だと思えることを突きつけることによって、より大きな気づきや理解が引き起こされる可能性が感じられた。
閻魔は言った。「いいかい? 君たちがこれから人間界に行って、彼らに伝えることは『苦難という名のハードルを乗り越える術』じゃない。『そんなハードルなど、もともと存在などしていない』という、そのことに気づいてもらうことなんだ」
無論、いまの俺たちなら、閻魔のその言葉の意味がよく理解できる。が、しかし。その言葉の指す本当の意味を、そのまま人間に伝えることの難しさも、同時に理解していた。
「つい先日まで、人間として仮想世界にどっぷりと浸かっていた君たちだからこそできるアプローチがあるはずなんだ。実はね、君たちは、神や聖霊以上に人間の事がよく分かっている。人間としての経験を終えたばかりの存在だからね」
閻魔は、「期待してるよ」と添えてそう言った。
「実はね、人間がどれほど苦しんでいようと神は何もしてはくれない。それらが現実でないことを知っているからね。彼らから見たら、あらゆる事が『大丈夫、大丈夫』ってことになる。勿論、真実はそっちだ。それでもやはり、仮想世界、人間の次元に立てば、そこには確実に苦悩が存在している。その間の次元において、人間に働きかけるのが僕たちなんだ」
「いわゆる『菩薩行』ってヤツだな」と、坂本が相づちを打った。
「うん、そういうこと。いいかい? これから救うのは特定の人間じゃない。先日までの君たちと同じように、自分が何者かを見失ってしまった『僕たち自身』なんだ。彼らは、兄弟でも、友でも、家族でも、仲間でもない。僕たち自身だ。いいね?」
閻魔が最後の忠告を終えると、メンバーは静かに頷いた。
「じゃ、行こうか」
閻魔はそう言うと、その懐からおもむろに五通の封筒を取り出した。
「なんですか、その封筒?」
白井が訊くと、閻魔は「君たちの行き先だよ」と微笑んだ。
「翔ちゃんは彼女の元に行くことになってたけど、君たちはまだ行き先を知らないだろ?」
すると閻魔は、表に「藪内翔吾」と書かれた封筒を開け、中から一枚の紙を取りだし読み上げた。
「辞令。藪内翔吾殿。あなたを、本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、佐倉美咲、および佐倉翔一の守護を任命する。以上」
「じ、辞令?」
田嶋が驚いている横で、その辞令は藪内の手に渡った。
「美咲はわかるけど、翔一って……。ハッ!これ、もしかして俺の子ですか?」
「まだお腹の中だけどね。どうやら彼女は君の名前から一字貰ってその名にするらしい」
目に大粒の涙を貯め、グスンと鼻をすする藪内の肩をたたいてから、閻魔は続いて新たな封筒を開けた。
「辞令。田嶋智也殿。あなたを、本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、添田正樹の守護を任命する。以上」
「誰だ、『そえだ』って」
田嶋が受け取った辞令を覗き込むように坂本が頭を寄せてきた。
「いや、誰でしょう……」
僕にもわからないと、田嶋が首をかしげた。
「あの、これ、誰ですか?」
田嶋が閻魔に尋ねると、島根在住の高校生だと言う。その説明を受けてもなお、田嶋は添田正樹が誰なのか、サッパリ分からないと肩をすくめていた。
「わからなくてもね、彼は君と非常に近いエネルギーを持ったソウルメイトなんだ。会ってみればわかるよ。まるで、これまでの自分自身を見ているように感じると思うよ」
閻魔は田嶋にそう告げると、辞令の読み上げを再開した。
「辞令。白井宗雄殿。あなたを、本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、大守健太郎の守護を任命する。以上」
「おおもり? けんたろう?」
田嶋同様、白井も首をかしげた。閻魔は大守のことを長崎で菓子職人をしている者だと説明したが、やはり白井の知らない人物らしい。
「辞令。峰岸琢馬殿」
そして、俺の名が呼ばれた。
「本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、田淵淳の守護を任命する。以上」
「なっ! た、田淵だって?」
俺が思わず声を上げると、閻魔はニヤリとして意味ありげな視線を送ってきた。
「そう。これから君が守護するのは、君を殺した、あの田淵くんさ。タクちゃんは元ヤクザだからね、ヤクザの考えそうなことは手に取るようにわかるでしょ? ね、適任適任」
そう言って高らかに笑う閻魔につられて、俺も思わず笑ってしまった。
なるほど。菩薩行とはそういうものか。「これから救うのは自分自身」、そう言った閻魔の言葉の意味がここに来てようやく理解できた。
俺と田淵は、似たようなカルマを背負っている。そのカルマに、俺と田淵という別な次元からアプローチをかけるのだ。
これまで頑なに向き合う事を拒否してきたカルマに真っ向から向き合い、それを溶かしていかねばならない。
と、いうことは……。
田嶋や白井らが担当する、素性の分からぬお相手もまた、田嶋や白井にとっては厄介な存在になることだろう。
そして、閻魔が最後の封筒を開けた。
「辞令。坂本竹蔵殿。本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、黒沢一樹の守護を任命する。以上」
「黒沢……、いつき、……。う~む、やはり知らんな。誰だそいつは?」
閻魔は北海道にいる広告クリエイターだと説明したが、坂本の追求はさらに続いた。
「なぜ私が、見ず知らずのこの者につかねばならないのかね?」
「あのね、その黒沢って子と坂もっちゃんは、同じ前世を持っているんだよ」
「同じ前世?」
「うん、同じ前世。まぁ、言ってしまえば僕も同じことなんだけどね。遣唐使の時代、日本(倭国)にある一人の僧侶がいたんだ。彼はなかなか優秀なお坊さんでね、勉強熱心で誠実、村民からの信頼も熱く、将来が期待されていた人だったんだ。その評判が広まって、ついには遣唐使のメンバーに抜擢され、中国から仏教経典の収集を仰せつかることになった」
「な、なんと!最澄や空海と同じ時代じゃないか!」前屈み気味で坂本は話しに聞き入った。
「中国(唐)に向かう船が出航するその日、港には多くの村民が集まり、彼にたくさんの餞別を贈った。飲料水や食料、薬など、村のみんなから本当に多くの期待と応援を受けて旅立ったんだ。なんだけど……」
「なにかあったんか?」
「その船の上で事件は起きた。原因不明の高熱に倒れる仲間が次々と現れだしたんだ。そんななか彼は、持ち前の優しさで倒れる仲間たちを必死で看病した。村の人たちが自分のためにくれた食料や薬も、全て仲間に分け与えてしまったんだ」
「そりゃあ、我ながらアッパレだ」
坂本は嬉しそうに膝を叩いた。
「でもね、その食料や薬が全てなくなってから、今度は彼自身が病に倒れてしまうんだ。仲間が回復していくなか、彼だけは衰弱していき、最終的には、唐(中国)に辿り着く前に船の上で絶命してしまう」
「なんだって!?」
「たくさんの期待や応援を受けながらも、その使命を完遂できなかったそのことが、彼の大きな未練となった。その未練のエネルギーを受け継いでいるのが、坂もっちゃんであり、黒沢君だってことなんだ。つまり、黒沢君を助けることによって、坂もっちゃん自身も同時に癒される」
「ふ~む……」
坂本は顎に手をあて、神妙な面持ちで何かを考えていた。
全ての辞令が渡されると、閻魔は腕をグルグルと回しだし、空中に大きな額縁の様な光の輪を作り出した。
「さて、そういうことで、いよいよ人間界に行くよ。彼らに源(ソース)エネルギー、たくさんの愛を届けよう。 あっ、そうだ! せっかくだから、このことを一番最初に届けるメッセージにしてみよう。『愛(ソースエネルギー)は世界を救う』、このことを君たちならどうやって伝える? それができたら、このゲートをくぐって。そのまま人間界に繋がってるから。いまは丁度……、日本では深夜二時だ。君たちの送るエネルギーは、彼らの睡眠を通じて届くだろう。じゃあ、僕は先に言って君たちを待ってるからね、用意ができたら、僕に着いてきて」
そう言い残して、閻魔はゲートの中へ消えていった。
これまでのレッスンの最終試験とでも言うべき投げかけが閻魔からなされると、まず初めに田嶋が大きなハート型に化けた。真っ赤に脈打つそのハートには、地球の大陸が刻まれている。
そして、その大きなハートは、吸い込まれるように光の輪の中へ消えていった。
続いて白井が姿を消した。空間に溶け込み、そのままゲートに入っていった。エネルギーそのものを通じて「愛は世界を救う」という波動を声として送っている。
二人がゲートをくぐるのを見届けると、スカジャン姿の藪内が口を一文字に結んで立ち尽くしていた。
多分、生前の姿そのままでゲートをくぐるつもりなのだろう。
一歩後ずさりしてから、弾みを付けるように駆け出すと、「やっ!」っとかけ声を上げて頭から輪の中に入っていった。
坂本は、再度辞令書を眺めてから、ボワンと煙に巻かれてTシャツ姿になった。
「どうだ? 似合うかね?」
坂本は少し照れくさそうに振り向いて俺に姿を見せると、自分のTシャツの胸元を指差した。
そこには、大きく「24」とプリントされている。
「まぁ、その、なんだ。あけぼの台なんたらの四八班から、今度は『聖霊隊日本支部第二四班』らしいしな。それにあれだ、こうして黄色のTシャツなら、何となく24時間テレビのTシャツに見えなくもないだろ。ほら、『愛は地球を救う』ってヤツだよ」
「ん? 閻魔は『愛は“世界”を救う』って言ってなかったか?」
俺がそう言うと、坂本は「ん? そうだったか?」ととぼけた顔をしたまま俺に手を振り、「じゃ、あとでな」と言い残してゲートへ入った。
あとは俺一人。
さて、田淵の枕元にどんな風にメッセージを伝えてやろうか。
しばし考えたが、ピンとくるものがない。
閻魔の課題からはずれることになってしまうが、まぁいいだろう。
俺も藪内同様、生前の姿のままヤツのところにいく事に決めた。
「あはは。俺に会ったら、どんな顔しやがるかな。田淵のやつ」
俺はゲートを前に、肩を揺らして笑いを吹き出すのを堪えていた。
『極楽飯店(ブログ版)』完
※この物語はフィクションです。実在の人物及び団体とは一切関係ありません。
←長期にわたる連載にお付き合いいただき、ありがとうございました!
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。
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極楽飯店での食事を終えてから、どれほどの時間が経ったろうか。(いや、この次元においては、この問い掛けすらも的確でないことは、既に承知の上ではあるが。)
その後も俺たちは浮遊や変身、また、人間界とのアクセス方法やカルマに巻き込まれないための防衛術、その他各種の規約(法律などが存在するわけではないが、それなりに避けねばならぬ注意事項等が色々ある。閻魔曰く、人間界を混乱させないための配慮であるらしい。)などをこってりとレクチャーされた。
それらのレッスンは、決して容易なモノばかりではなかった。
閻魔は俺たちが何かにつまずくたびに「人間以上に人間を理解しなければ、守護は勤まらない」と言って熱弁を奮っていたが、一通りのレッスンを終えたいまは、確かにその通りだと思っている。
藪内や俺は、特に勘違いしていた。
閻魔の説明を受けるまでは、「守護霊」という存在は、人間を様々な苦難や被害から守る役目のモノだとばかり思っていた。
しかし、実際するべきことは、まるで違っていた。
俺たちがこれからすることは、対象となる人間を守る事ではなく、「いかにして、彼らが幻想世界にいることを気づかせることができるか」というものだった。
その視点に立てば、守る事ばかりが人間にとっていいことではない。むしろ(彼らにとっては)災難だと思えることを突きつけることによって、より大きな気づきや理解が引き起こされる可能性が感じられた。
閻魔は言った。「いいかい? 君たちがこれから人間界に行って、彼らに伝えることは『苦難という名のハードルを乗り越える術』じゃない。『そんなハードルなど、もともと存在などしていない』という、そのことに気づいてもらうことなんだ」
無論、いまの俺たちなら、閻魔のその言葉の意味がよく理解できる。が、しかし。その言葉の指す本当の意味を、そのまま人間に伝えることの難しさも、同時に理解していた。
「つい先日まで、人間として仮想世界にどっぷりと浸かっていた君たちだからこそできるアプローチがあるはずなんだ。実はね、君たちは、神や聖霊以上に人間の事がよく分かっている。人間としての経験を終えたばかりの存在だからね」
閻魔は、「期待してるよ」と添えてそう言った。
「実はね、人間がどれほど苦しんでいようと神は何もしてはくれない。それらが現実でないことを知っているからね。彼らから見たら、あらゆる事が『大丈夫、大丈夫』ってことになる。勿論、真実はそっちだ。それでもやはり、仮想世界、人間の次元に立てば、そこには確実に苦悩が存在している。その間の次元において、人間に働きかけるのが僕たちなんだ」
「いわゆる『菩薩行』ってヤツだな」と、坂本が相づちを打った。
「うん、そういうこと。いいかい? これから救うのは特定の人間じゃない。先日までの君たちと同じように、自分が何者かを見失ってしまった『僕たち自身』なんだ。彼らは、兄弟でも、友でも、家族でも、仲間でもない。僕たち自身だ。いいね?」
閻魔が最後の忠告を終えると、メンバーは静かに頷いた。
「じゃ、行こうか」
閻魔はそう言うと、その懐からおもむろに五通の封筒を取り出した。
「なんですか、その封筒?」
白井が訊くと、閻魔は「君たちの行き先だよ」と微笑んだ。
「翔ちゃんは彼女の元に行くことになってたけど、君たちはまだ行き先を知らないだろ?」
すると閻魔は、表に「藪内翔吾」と書かれた封筒を開け、中から一枚の紙を取りだし読み上げた。
「辞令。藪内翔吾殿。あなたを、本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、佐倉美咲、および佐倉翔一の守護を任命する。以上」
「じ、辞令?」
田嶋が驚いている横で、その辞令は藪内の手に渡った。
「美咲はわかるけど、翔一って……。ハッ!これ、もしかして俺の子ですか?」
「まだお腹の中だけどね。どうやら彼女は君の名前から一字貰ってその名にするらしい」
目に大粒の涙を貯め、グスンと鼻をすする藪内の肩をたたいてから、閻魔は続いて新たな封筒を開けた。
「辞令。田嶋智也殿。あなたを、本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、添田正樹の守護を任命する。以上」
「誰だ、『そえだ』って」
田嶋が受け取った辞令を覗き込むように坂本が頭を寄せてきた。
「いや、誰でしょう……」
僕にもわからないと、田嶋が首をかしげた。
「あの、これ、誰ですか?」
田嶋が閻魔に尋ねると、島根在住の高校生だと言う。その説明を受けてもなお、田嶋は添田正樹が誰なのか、サッパリ分からないと肩をすくめていた。
「わからなくてもね、彼は君と非常に近いエネルギーを持ったソウルメイトなんだ。会ってみればわかるよ。まるで、これまでの自分自身を見ているように感じると思うよ」
閻魔は田嶋にそう告げると、辞令の読み上げを再開した。
「辞令。白井宗雄殿。あなたを、本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、大守健太郎の守護を任命する。以上」
「おおもり? けんたろう?」
田嶋同様、白井も首をかしげた。閻魔は大守のことを長崎で菓子職人をしている者だと説明したが、やはり白井の知らない人物らしい。
「辞令。峰岸琢馬殿」
そして、俺の名が呼ばれた。
「本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、田淵淳の守護を任命する。以上」
「なっ! た、田淵だって?」
俺が思わず声を上げると、閻魔はニヤリとして意味ありげな視線を送ってきた。
「そう。これから君が守護するのは、君を殺した、あの田淵くんさ。タクちゃんは元ヤクザだからね、ヤクザの考えそうなことは手に取るようにわかるでしょ? ね、適任適任」
そう言って高らかに笑う閻魔につられて、俺も思わず笑ってしまった。
なるほど。菩薩行とはそういうものか。「これから救うのは自分自身」、そう言った閻魔の言葉の意味がここに来てようやく理解できた。
俺と田淵は、似たようなカルマを背負っている。そのカルマに、俺と田淵という別な次元からアプローチをかけるのだ。
これまで頑なに向き合う事を拒否してきたカルマに真っ向から向き合い、それを溶かしていかねばならない。
と、いうことは……。
田嶋や白井らが担当する、素性の分からぬお相手もまた、田嶋や白井にとっては厄介な存在になることだろう。
そして、閻魔が最後の封筒を開けた。
「辞令。坂本竹蔵殿。本日をもって聖霊隊日本支部第二四班へ配属するとともに、黒沢一樹の守護を任命する。以上」
「黒沢……、いつき、……。う~む、やはり知らんな。誰だそいつは?」
閻魔は北海道にいる広告クリエイターだと説明したが、坂本の追求はさらに続いた。
「なぜ私が、見ず知らずのこの者につかねばならないのかね?」
「あのね、その黒沢って子と坂もっちゃんは、同じ前世を持っているんだよ」
「同じ前世?」
「うん、同じ前世。まぁ、言ってしまえば僕も同じことなんだけどね。遣唐使の時代、日本(倭国)にある一人の僧侶がいたんだ。彼はなかなか優秀なお坊さんでね、勉強熱心で誠実、村民からの信頼も熱く、将来が期待されていた人だったんだ。その評判が広まって、ついには遣唐使のメンバーに抜擢され、中国から仏教経典の収集を仰せつかることになった」
「な、なんと!最澄や空海と同じ時代じゃないか!」前屈み気味で坂本は話しに聞き入った。
「中国(唐)に向かう船が出航するその日、港には多くの村民が集まり、彼にたくさんの餞別を贈った。飲料水や食料、薬など、村のみんなから本当に多くの期待と応援を受けて旅立ったんだ。なんだけど……」
「なにかあったんか?」
「その船の上で事件は起きた。原因不明の高熱に倒れる仲間が次々と現れだしたんだ。そんななか彼は、持ち前の優しさで倒れる仲間たちを必死で看病した。村の人たちが自分のためにくれた食料や薬も、全て仲間に分け与えてしまったんだ」
「そりゃあ、我ながらアッパレだ」
坂本は嬉しそうに膝を叩いた。
「でもね、その食料や薬が全てなくなってから、今度は彼自身が病に倒れてしまうんだ。仲間が回復していくなか、彼だけは衰弱していき、最終的には、唐(中国)に辿り着く前に船の上で絶命してしまう」
「なんだって!?」
「たくさんの期待や応援を受けながらも、その使命を完遂できなかったそのことが、彼の大きな未練となった。その未練のエネルギーを受け継いでいるのが、坂もっちゃんであり、黒沢君だってことなんだ。つまり、黒沢君を助けることによって、坂もっちゃん自身も同時に癒される」
「ふ~む……」
坂本は顎に手をあて、神妙な面持ちで何かを考えていた。
全ての辞令が渡されると、閻魔は腕をグルグルと回しだし、空中に大きな額縁の様な光の輪を作り出した。
「さて、そういうことで、いよいよ人間界に行くよ。彼らに源(ソース)エネルギー、たくさんの愛を届けよう。 あっ、そうだ! せっかくだから、このことを一番最初に届けるメッセージにしてみよう。『愛(ソースエネルギー)は世界を救う』、このことを君たちならどうやって伝える? それができたら、このゲートをくぐって。そのまま人間界に繋がってるから。いまは丁度……、日本では深夜二時だ。君たちの送るエネルギーは、彼らの睡眠を通じて届くだろう。じゃあ、僕は先に言って君たちを待ってるからね、用意ができたら、僕に着いてきて」
そう言い残して、閻魔はゲートの中へ消えていった。
これまでのレッスンの最終試験とでも言うべき投げかけが閻魔からなされると、まず初めに田嶋が大きなハート型に化けた。真っ赤に脈打つそのハートには、地球の大陸が刻まれている。
そして、その大きなハートは、吸い込まれるように光の輪の中へ消えていった。
続いて白井が姿を消した。空間に溶け込み、そのままゲートに入っていった。エネルギーそのものを通じて「愛は世界を救う」という波動を声として送っている。
二人がゲートをくぐるのを見届けると、スカジャン姿の藪内が口を一文字に結んで立ち尽くしていた。
多分、生前の姿そのままでゲートをくぐるつもりなのだろう。
一歩後ずさりしてから、弾みを付けるように駆け出すと、「やっ!」っとかけ声を上げて頭から輪の中に入っていった。
坂本は、再度辞令書を眺めてから、ボワンと煙に巻かれてTシャツ姿になった。
「どうだ? 似合うかね?」
坂本は少し照れくさそうに振り向いて俺に姿を見せると、自分のTシャツの胸元を指差した。
そこには、大きく「24」とプリントされている。
「まぁ、その、なんだ。あけぼの台なんたらの四八班から、今度は『聖霊隊日本支部第二四班』らしいしな。それにあれだ、こうして黄色のTシャツなら、何となく24時間テレビのTシャツに見えなくもないだろ。ほら、『愛は地球を救う』ってヤツだよ」
「ん? 閻魔は『愛は“世界”を救う』って言ってなかったか?」
俺がそう言うと、坂本は「ん? そうだったか?」ととぼけた顔をしたまま俺に手を振り、「じゃ、あとでな」と言い残してゲートへ入った。
あとは俺一人。
さて、田淵の枕元にどんな風にメッセージを伝えてやろうか。
しばし考えたが、ピンとくるものがない。
閻魔の課題からはずれることになってしまうが、まぁいいだろう。
俺も藪内同様、生前の姿のままヤツのところにいく事に決めた。
「あはは。俺に会ったら、どんな顔しやがるかな。田淵のやつ」
俺はゲートを前に、肩を揺らして笑いを吹き出すのを堪えていた。
『極楽飯店(ブログ版)』完
※この物語はフィクションです。実在の人物及び団体とは一切関係ありません。
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