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鵜呑みの前に

※初めての方はこちら「プロローグ」「このblogの趣旨」からお読みください。
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。

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去る12日の土曜、一年ぶりとなる、賢者テラさんとのコラボトークライブがありました。

いやー、楽しかった。やっぱり一人でお話するよりも誰かと一緒の方が話に奥行きができていいですね。

また、投げかけられる質問にも、いつもとは違うアプローチがあって刺激的でした。

コラボ企画ならではだなぁと思ったのは、こんな質問でした。

「黒斎さんとテラさんの間で、一番意見が食い違うのは、どんな理解についてですか?」

多分、ですけど、この質問を寄せてくれた方は、僕のブログも、テラさんのブログも結構頻繁に読んでくれているんじゃないかなぁ、と思いました。

と言いますのも、僕たちのブログに書かれているその言葉をみれば、「この人たち、ホントは相手を嫌ってんじゃないだろうか」と思われてもしょうがないぐらい、主張が違っているように見える記事が多々あるものですから。

たとえば、僕がトークライブに限らず、このブログでもお話しているのが「ハートを開くことの重要性」。

僕が「なによりもハートを開くことが大切ですよ」とお話している一方、テラさんは「なんやそれ」とお話される。

「ハートを開くってどうやってやるの?どうやったら閉じるの? 具体的に、皆がきちんと分かるように説明してみ? 船が河を通る時に跳ね上がる橋のように、ゲートのように、心って開閉できるんかい? できないことは、やめよう」と、こうなるわけです(笑)


これだけを見たならば、二人のメッセージはみごとに真逆。

でも、僕もテラさんも、互いの理解に食い違いがあるとは思っていませんし、意見の対立もありません。

お互いの言葉に、腹を立てることもありませんし、傷つくこともありません。

それは、たとえ真逆の事を話していても、その言葉で同じ事を伝えようとしていることがわかるからです。(まぁ、仮に本当に意見が食い違ったとしても、「それに何の問題が?」となってしまうのが二人の共通点なのですが)


とにもかくにも、これが、言葉の持つ危うい特性。

発信源が誰であろうと、その言葉が発せられた背景が見えなければ、指し示された真意には、なかなかたどり着けません。

古今東西、どのマスターのメッセージも、真実(唯一の正しさ)を述べているわけではなく、ただの道案内にすぎないんです。


「さとり」や「真理」といった言葉を、仮に『駅』だとします。

ある日マスターが駅の南側を散歩しているとき、駅を目指して旅する人に、道を尋ねられました。

「すみません、駅はどこにありますか?」

当然、駅を知っているマスターはこう答えます。

「ここから北の方角にありますよ」


またある時、マスターが駅の北側で、同様の質問を受けました。

「すみません、駅はどこにありますか?」

「ここから南の方角にありますよ」


これが、メッセージ。同じマスターでも、時に言葉は真逆になりえます。

上記の道を尋ねられた状況・背景を知っていたら、「おい!おまえ!以前は『北に行け』って話してたじゃねーか!なんで今回は『南』って言うんだよ!アドバイスが真逆じゃねーか!」とか、「どっちが正しいんだよ!」とはなりませんよね。

「言葉を持ち歩くな」「メッセージは生もの(なまもの)」などと言われる理由は、この「言葉の背景」が消えてしまうからなんです。


精神世界や宗教系の話に限らず、僕たちはとかく「誰が話したのか」に重きを置きがちです。

その言葉の発信源は、信用できる人なのか、と。

そして、自分が「信用出来る」と認定した人の話を、ついつい鵜呑みにしてしまう人は少なくありません。


でもね、「誰が言ったのか」は、あまり重要な部分ではないんです。

もっと大切なのは、「何が話されているのか」という内容の側、そして、「どのような背景で、誰に話されたものなのか」という対象の側です。


僕もちょいちょい、「目からウロコが落ちました」「やっと腑に落ちました!」「心が軽くなりました!」など、ありがたいお言葉をいただくことがあるのですが、正直「それはちょっと、どうなんだろう」と思うこともあるんですね。

本当に真意が伝わって、そうなったのかなって。

どこか、わかってないのに、「誰それが言ったことだから」という理由で、わかったつもりになってないだろうかって。

これね、実は僕も結構陥りがちなところで、うちの奥様にもよく指摘されるんです。

「同じ事、私が言っても全然聞く耳持たないのに、阿部さんが言うと素直に聞くよね」とかね(笑)


「誰それが…」ではなく、「言葉」や「メッセージ」そのものが機能したかどうかを確認するのは簡単です。

「目からウロコが落ちました」「やっと腑に落ちました!」「心が軽くなりました!」となった、その言葉が、自分の一番信用していない人から発せられたとしても、同様に「目からウロコが落ちました」「やっと腑に落ちました!」「心が軽くなりました!」となったかどうか。


あっちもこっちもと、食べ歩きしてばかりしていると、食い過ぎでお腹を壊します。

食べなさすぎは栄養失調になっちゃうし、極度の偏食は栄養バランスが崩れます。

せっかく食材を受け取ったのに、食べずに持ち歩くだけなら、徐々に鮮度は落ち、いずれ食あたりを起こしてしまうまで劣化してしまいます。

どんなに優れたレシピを知っていても、実際に料理して食べないのであれば、いつまで経ってもお腹は満たされません。


どんなに素晴らしいメッセージだとしても、鵜呑みばかりしていたら消化不良を起こして当然です。

どうせ喰うなら、鵜呑みしないで、ちゃんと噛もうよ。



ちなみに、今日の「道案内」のお話も、やっぱり「例え話」でしかありません。

実際のマスターのメッセージって、「方角」じゃなかったりするからね。


「すみません、駅はどこにありますか?」

「あなたはすでに、駅にいますよ」

って感じで。




【トークライブ・インフォメーション】


雲 黒斎ソロトークライブ in 沖縄

お盆ど真ん中、だからでしょうか?
それとも、いよいよ嫌われだしたのでしょうか…
開催が刻々と近づいてまいりましたが、ビックリするほどお申し込みが伸びません(苦笑)
「あれですよね、沖縄の方って、直前になってバタバタっとお申し込みするタイプなんですよね!」
と、ただいま自分に言い聞かせながら皆様のお申し込みをお待ちしております。

今回はプロジェクターを使用したスライドショー形式で進行予定です。

8月9日(土)19:00スタート 主催/はーとおぶゆいまーるさま
 [詳細・お申し込み]はコチラ

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毎度好評いただいております、平日のお話会「月イチ☆」。
東京・大阪・名古屋ともに、8月開催分の受付を開始しました。

平日のお話会『月イチ☆』(東京開催)

7月22日(火)19:30スタート [詳細・お申し込み](完売御礼)
8月20日(水)19:30スタート [詳細・お申し込み]


平日のお話会『月イチ☆WEST』(大阪開催)

8月29日(金)19:00スタート [詳細・お申し込み]


平日のお話会『でら☆月イチ』(名古屋開催)

8月21日(木)19:00スタート [詳細・お申し込み]

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マッキー×黒斎の『人生のシフト』

二人の人生に、どんなシフトが起こったか。また、そのシフトの裏にはどんな背景があったのか。
今年、新刊の『人生のシフト』を上梓した牧野内大史さんとのコラボライブツアー。
今回は、東京・名古屋・大阪の3都市で開催します。
※9月6日(土)名古屋会場のスタート時間を30分前倒しで変更させていただきました。

【東京会場】8月23日(土)14:00スタート
【名古屋会場】9月6日(土)13:30スタート
【大阪会場】9月20日(土)14:00スタート

 各会場ともに[詳細・お申し込み]はコチラ



←「すみません、ブログランキングのボタンはどこにありますか?」「ここにありますよ」「そう言われても、ちっとも自覚がもてないんですよね」「自覚もなにも見てください、ここにあるじゃないですか」「頭ではわかった様な気がするのですが、体感が伴っていなくて」「いいから押してよ」
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あるっちゃあるし、ないっちゃない

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前回のエントリに結構な反響をいただいておりまして、只今わたくし嬉しい反面、「あぁ、これでまたトークライブのネタを一つ失ったぞ」というドギマギを抱いております(笑)

まぁ、それはそれとして、このままお話を続けていきたいと思います。


いわずもがな、「木」としての視点と、「葉」としての視点では、自己認識が大きく異なります。

自分が「葉」として独立した命を保有しているとすれば、やはり「誕生」や「死」という概念があてはまっていきますが、これまでお話してきたとおり、命というのは、そういった存在の仕方ではないわけです。

このことの理解が共有できていないと、「輪廻転生」の話がうまく通じません。

だから、「生まれ変わりは、あるっちゃあるし、ないっちゃない」という、なんとも釈然としない答えになるんですね。


「輪廻転生(生まれ変わり)は本当にあるのですか?」といった類の質問は、「葉」の意識レベルで発生しています。

だから大抵の場合、いま現在の「私」という葉が、落葉後、また新たな一枚の葉として生まれ出ることがあるのか、といった前提で聞かれることが多いんです。

でも、木全体の成長を考えると、そういうことではないってこと、ご理解いただけますでしょうか。

新しい葉が生まれたり、散っていったりはしますけど、命はもとから木として、生じることもなく、滅することない。ただ脈々と生き続けている。

だから、「あるっちゃあるし、ないっちゃない」なんですね。

「生」と「死」という言葉のイメージから、命は二元論で考えられがちですが、実のところ、「生」の対になるものはなく、存在は「生」でしかいられません。

で、命は脈々と生き続けるしかないから、新たな葉が出でて、それが落ちて土に還り、また新たな養分として「木」に吸収され、その養分を元に新しい葉が生じてくるのですが、その葉はもう「あのときの私」とは言えないわけです。

「生まれ変わり(葉の生滅)」はある。でも、日常僕たちが感じている「(個としての)私」の人生は、一度きりです。


「じゃぁ、いわゆる『霊』とか『前世の記憶』とかって、あれ、なんなん?」ってことが疑問として浮かぶかたもいらっしゃるかもしれませんね。

これも結局「葉」としての意識レベルから発生している疑問なんです。

だって「私は個(葉)である。個として存在している」というこのことこそが錯覚なのですから、『霊』という個性も、『個人的な記憶』というのも、全部錯覚の延長でしかないんです。

いえ、僕は『霊や前世の記憶なんてものは、全部ウソだ』って言ってるわけじゃないんですよ。

僕たちが、いくら「あなたが感じている『私』という感覚は錯覚ですよ」と言われても、いっこうに錯覚だなんて思えない…と感じられるのと同様、ある視点から見た場合、そのように捉えられることがあるのも、また事実ですから。

これについての詳しい説明は、またちょっと違うアプローチが必要なので、いずれ機会がありましたらお話してみたいと思いますが、今日はこれに関連したちょっとしたお話を。


「この世(肉体あり・現象界)」と「あの世(肉体なし・潜象界)」での意識形態は、丁度真逆の状態にあります。

この世にいる我々人間が「悟りを開くとどうなるの?」という感じで、あちらでは「悟りを閉ざすとどうなるの?」となっている。

この世(現象界)にある意識は、分離された「個」としての性質をおび、「ワンネス(ホールネス)」の意識レベルを思い出したり、維持することが困難です。

一方、あの世(潜象界)にある意識は、「ワンネス(ホールネス)」としての性質をおび、「個」としての性質を維持することが困難になっていきます。

厳密には、ここに「時間」というものさしを当てはめるわけにはいかないのですが、仮に「時間」があるものだと仮定して話を進めると、こんな感じになります。

僕たち人間の意識レベルは、この世(現象界)に生まれ出た時から、時間の経過とともに「ワンネス」から「個」へ移行していきます。

これは、成長とともに自我を纏い、「悟りを閉ざす」流れです。

そして、肉体としての生涯を終え、あの世(潜象界)に生まれ出ると、(「個としての自分」を定義づける大きな要因の一つである「肉体」を失ったため)時間の経過とともに「個」は融解し、「ワンネス」の意識へと統合されていきます。

その時「記憶」は残ります。が、それはもう「個人の記憶」ではないんです。

「個人の記憶」から、「記憶」が消えるのではなく、「個人の」が消えるんです。

「葉」の経験は、そのまま「木」の経験として吸収され、いわゆる「アカシックレコード」に格納されます。


とりあえず今日は、ここまで。




【トークライブ・インフォメーション】


賢者テラ×雲 黒斎 東京コラボトークライブ

いよいよ明日夕方の開催です!
主催者さんに確認は取れていないのですが、お申し込みフォームがまだ閉じていないところを見ると、まだ空席があるようです。
明日の状況次第で、当日受付もできるかもしれません。
また、事前のお振込みが間に合わない方は、当日会場受付にお持ちください。

7月12日(土)18:00スタート 主催/苺企画さま
 [詳細・お申し込み]はコチラ

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毎度好評いただいております、平日のお話会「月イチ☆」。
東京・大阪・名古屋ともに、8月開催分の受付を開始しました。
また、大阪&名古屋の7月分の開催は、来週の月曜、火曜です!

平日のお話会『月イチ☆』(東京開催)

7月22日(火)19:30スタート [詳細・お申し込み](完売御礼)
8月20日(水)19:30スタート [詳細・お申し込み]


平日のお話会『月イチ☆WEST』(大阪開催)

7月14日(月)19:00スタート [詳細・お申し込み]
8月29日(金)19:00スタート [詳細・お申し込み]


平日のお話会『でら☆月イチ』(名古屋開催)

7月15日(火)19:00スタート [詳細・お申し込み]
8月21日(木)19:00スタート [詳細・お申し込み]

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雲 黒斎ソロトークライブ in 沖縄

久しぶりの沖縄単独ライブは旧盆ナカヌヒーに開催。
今回はプロジェクターを使ったプレゼンスタイルで開催予定です。

8月9日(土)19:00スタート 主催/はーとおぶゆいまーるさま
 [詳細・お申し込み]はコチラ

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マッキー×黒斎の『人生のシフト』

二人の人生に、どんなシフトが起こったか。また、そのシフトの裏にはどんな背景があったのか。
今年、新刊の『人生のシフト』を上梓した牧野内大史さんとのコラボライブツアー。
今回は、東京・名古屋・大阪の3都市で開催します。

【東京会場】8月23日(土)14:00スタート
【名古屋会場】9月6日(土)14:00スタート
【大阪会場】9月20日(土)14:00スタート

 各会場ともに[詳細・お申し込み]はコチラ

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黒斎のアフタヌーン・ティー

仕事やお家の都合で「土日祝日や夜の会には、なかなか行けません!平日のお昼にイベントを開催してはもらえないですか?」という方々から少なからずのご要望をいただくようになってきました。
とはいえ、平日のお昼。どれほどの方にお集まりいただけるかもわからないので、なかなか開催に踏み切れずにおりました。
が。
昨日この話をアウルズ・エージェンシー代表、下野誠一郎さんにしたところ、「そういうことなら、うちのスペース使ってよ」とのお言葉をいただき、氏が瞑想スペースとして活用している「魔法堂」を、無償でお借りできることになりました。
ヾ(≧▽≦)ノ よっ、社長! さすが、太っ腹!
ということで、不定期&小規模ではありますが、新しい試みをはじめてみたいと思います。
題して、「黒斎のアフタヌーン・ティ-」。
平日のお昼のひととき、黒斎とまったりと過ごしませんか?
会費は大道芸的投げ銭システムで、会の終了後、参加者ご自身に決めていただきます。

と、いうことで、初回は今月31日(木)。
神田神保町にございます「魔法堂」で13:30から15:30まで。(開場は13:00)
スペースに限りがあるため、ご参加は先着15名様までとさせていただきます。

 [詳細・お申し込み]はコチラ(受付終了)



←大道芸的投げ銭システム
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僕はあなたで、あなたは僕で

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※「極楽飯店」の第一話はこちらから。

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「私とは幻想である」だとか「ワンネスとは自己の消失である」だとか、「私はあなたで、あなたは私」だとか、「意識のシフト」だとか。

精神世界に足を踏み入れてから、そういった言葉をよく目にするようになって、その言葉を知るには知ったのですが、でも、やっぱりわからないんです。

黒斎さんが講演会でよく話している「情報の保有」と「理解」の違いといいますか…

どれだけたくさんの本を読んでも、どれだけセミナーを受講しても、「情報」が「理解」になってくれなくて…

時々は「あっ!」ってなる感じもあるのですが、結局わかりそうでわからないままなんです。



といった感じのご質問・ご相談をコメント欄やトークライブなどでよくいただきます。

僕としては、できればそのまま「わかりそうでわからない」という状態のままでいて欲しいなって思うんです。

だって、それがわかっちゃったら、もう本も売れなくなっちゃうし、トークライブも必要なくなっちゃうし(笑)


でも、僕が一番お伝えしたいのは、まさにそのことなので、今日はそこらへんの事を、最近の「月イチ☆」でよくお話している例え話で進めていきたいと思います。


精神世界でよく見るフレーズ、「ワンネス」も「意識のシフト」も「自己感覚の消滅」も「私はあなたで、あなたは私」も「命はひとつ」も「あなたは神(宇宙)」も、言葉は違えど指していることは同じです。

「自己感覚の消滅」と言っても、存在感や五感がなくなってしまうことではありません。むしろ研ぎ澄まされます。

これらの言葉が指しているのは『No Border(境界の不在)』、『自己認識の変化』のことです。

あれ? 言葉を変えても結局似たような分かりづらさだな(笑)


繰り返しお話してきたとおり、「自我」とは、実体のない「分離意識」「錯覚」です。

本当は「私(個人・パーソナリティ)」なんてものは最初から存在していないのに、それがあると誤認されているところに生まれる感覚。

本当はひとつなのに、バラバラのものだと誤解されている自己認識です。


僕とあなたが一つの同じ命である。

また、私たちは「神(世界・宇宙)の一部」なのではなく、「神(世界・宇宙)そのもの」であるということを、一本の木を例にお話します。




「この一本の木に、一つの命」という感覚なら、まだ通じますよね?

僕たち人間の持つ自己認識は、多くの場合「分離」された感覚です。

「私は私、あなたはあなた」と、ハッキリ分かれています。

この錯覚(分離意識)は、例えるならこの木に付いた葉の一枚一枚が独立した自己認識を持っている様なものです。

Aという葉が、個別の意識を持ち、他の葉を見ながら「俺はBでもCでもないもんね」と言い張っている。

葉Aと葉Bと葉Cは、それぞれ個別の命を保有していると思っている。

で、「私ではない他の葉」と自身を比べて、日々あれこれ思考を巡らせているわけです。


「あ~、可哀想に。あの葉、急に病に冒されちゃって(虫に食われちゃって)」

「わ~、かわいい若葉! 僕ちゃんは、いくちゅでちゅか~?」

「あらあら、おじいちゃん。すっかりまっ茶っ茶に干からびちゃって。次の風あたりで、そろそろお迎えがくるんじゃない?」

「ふんっ、何を言いよる。わしゃまだまだ現役じゃ!まだまだ新緑のヒヨッコが!」

「はーい!はーい!はーい! 俺、すげえやる気いっぱいです! 人一倍光合成して社会に貢献します!」

「この二酸化炭素は俺のものだ!誰にも渡さん!」

「いや、今じゃすっかり日陰の存在になってる俺だけどさ、昔はちゃんと日に当たってたんだよ。上の若いヤツらが出てくるまではさ」

「えー、報道センター、報道センター、聞こえますでしょうか? こちら現場では、いまなおご覧の通りの大荒れとなっております! 観測史上最大の風速を記録した今回の強風で、いま現在、少なくとも200枚を超える葉が命を落としている模様です!」


ね。本当は一つの同じ「木」として存在している命なのに、自分を「葉」だと信じて止まず、そしてなお、その葉一枚一枚に個別の命が宿っていると確信しているとしたら、ちょっと変な感じがしませんか?

え?

「バカ言え、人間を一枚の葉と結び付けて考えるから滑稽に見えるだけだろ」、って感じでしょうか?

いえいえ、この滑稽さを地で行ってしまっているのが、僕たち人間種の意識状態(分離意識)なんです。


で、ちょっとこの話を続けてみて、仮に、「自己認識の変化を経験した葉」が現れたとしてみましょう。

その日、ある一枚の葉が、自分は「葉」ではなく、「木」そのものとして生きていたことに気づきました。

それは、突如として形態が変化したわけでも、「葉」が「木」に急成長したわけでもありません。

元々「木」として存在していたのにも関わらず、そのことに気づくことなく自分が「葉」だと思い込んでいた、その思い込みが消失しただけです。

「葉」というボーダー(概念)を失った時、「木」としての自覚がありありと現れました。

そして彼はその驚きを、周囲の葉に真剣なまなざしで語りかけます。

「いいか、大事な事だからよく聞けよ。なんと、お前は俺で、俺はお前だったんだよ!どうだ、びっくりだろ!」

彼が熱く語れば語るほど周囲の葉はみるみる引いていきます。「あいつ、なんか変な宗教にひっかかったっぽいぞ」と。

これは、阿部敏郎さんに限った話ではありません(笑)。とてもありがちな話です。

なんとか周囲に理解を届けようと、考え得る様々な表現を駆使しても、なかなか通じません。

「あなたと僕は、一つの同じ存在なんです!」

そう声高に叫んでも、「バカ言え、お前はお前で、俺は俺じゃないか」と返されてしまいます。


「いや、だからさ、そもそも自分のことを『自分(葉)』だと思ってるだろ?それが錯覚なんだって、俺たちはみんな、元々『木(神)』なんだよ!」

「なにとち狂ったこと言ってんだよ。俺たちが木(神)なわけねーだろよ。お前こそ鏡でも見て少し正気になれよ。どう見ても『葉』だぞ?」

「いやいやいや!ありのままの世界をよく見てみようよ。実際に俺ら繋がってるじゃん!」

「は? 繋がってなんかねーよ」

「繋がってるよ! ほら、この『枝』で!」

「お前、ホントに大丈夫か? 枝は枝、葉は葉! どう考えても枝は繋がりじゃなくて、俺とお前を分けている隔たりじゃん」

「いや、だから、自分を『葉』だと思ってるから、そういう発想になっちゃってるだけなんだよ! 一度その概念を手放してみようよ!」

「手放すもなにも、実際に俺ら『葉』じゃん!」

「それでもやっぱり、俺が『俺』って言うときに指しているもの(木)と、お前が『俺』って言うときに指しているもの(木)は、本質的に同じものなんだって! 僕らの目からは見えないけれど、サムシング・グレート(根)が、僕たちを生かしているんだ」

「なんだよ、サムシング・グレートって。さすがにもうついて行けないよ」

「あーーーーー! 通じないのねーーーー!!」



僕たち人間と、他の動植物たちとの大きな違いは「言葉」「概念」「価値付け(意味づけ)」の有無です。

人間だけが、世界を言葉でバラバラに解体してしまいます。


「ただのそれ」に「木」という名前が付き、その「木」はさらに解体され、「葉」「枝」「花」「つぼみ」「幹」「根」など、様々な名前がつけられます。

名前が付いたものは、その他の名称を与えられたものと別なものとして認識されだします。

たしかに「部位」として見れば別な機能や役割を担っていますが、存在の本質は「ひとつの同じもの」。

「葉」からみた自己も、「枝」からみた自己も、「花」から見た自己も、根本は同じです。

だから、某かの理由で自分を傷付けているなら、みんなを傷付けていることに繋がります。

誰かを傷付けているなら、自分を傷付けていることに繋がります。

自分を愛することができたなら、みんなを愛していることに繋がります。

誰かを愛することが、自分を愛することに繋がります。

「自分」が消えた時、同時に「世界」も消え去り、「大いなるひとつ」が現れます。


この、「あっ!俺、葉じゃなかった!」という自己認識の変化が、ピンポン球の殻が破れたときに訪れる「ワンネス」の感覚、理解です。

小悟と大悟の違いは、たった一枚の薄皮の差ですが、どれほど緩やか・穏やかな目覚めであろうと、さすがにこの自己認識の変化は「気づかないうちに」ということは無いと思うんですよね。




【トークライブ・インフォメーション】


賢者テラ×雲 黒斎 東京コラボトークライブ

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7月14日(月)19:00スタート [詳細・お申し込み]
8月29日(金)19:00スタート [詳細・お申し込み]


平日のお話会『でら☆月イチ』(名古屋開催)

7月15日(火)19:00スタート [詳細・お申し込み]
8月21日(木)19:00スタート [詳細・お申し込み]

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雲 黒斎ソロトークライブ in 沖縄

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今回はプロジェクターを使ったプレゼンスタイルで開催予定です。

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マッキー×黒斎の『人生のシフト』

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今回は、東京・名古屋・大阪の3都市で開催します。

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【名古屋会場】9月6日(土)14:00スタート
【大阪会場】9月20日(土)14:00スタート

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光と闇

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※「極楽飯店」の第一話はこちらから。

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今回のお話は、これまで同様、あくまで例え話であることを念頭にご覧ください。


これまでお話してきた「水槽」を仮に「海」だとおもってください。

深海に潜れば潜るほど、そこは水圧が高まるとともに、光が届かなくなる「闇の世界」になっていきます。

周囲がどんどん見えなくなり、分離間・孤独感が強まります。

逆に、水面に近づけば近づくほど、見渡せる範囲が広がり、周囲との繋がりを実感できていきます。

そしていよいよ水上に出ると、なんの妨げ(フィルター)もない世界が広がります。


よく、「空の次元には全ての答えがあるのですか?」という感じの質問を受けるのですが、空に答えはありません。

「答え(解決法)がある」のではなく、「問題(障害)がない」んです。

「問題(障害)」がないのですから、その対となる「答え(解決法)」もありません。

だから、多くのマスターは「答えがある」とは言わず、「ただ、ある」と話します。

そして、「空にある答え」を説くのではなく、「水槽の中に水がある」ことを説明します。

その水のことを、「概念」と言ったり、「思考」と言ったり、「分別」と言ったり、「煩悩」と言ったりします。

また、その根本に「自我(ピンポン球の殻)」があることを説明します。

それらがあることによって、「水圧(ストレス)を感じる」ことになっているという因果関係を話ます。


僕が「ヒャッハー!」を経験する前、結構な暗闇の中にいました。

完全な暗闇とまでは言えませんが、光はあまり届かず、周囲(世界)がうまく見通せずにいました。

そんな深さでロープから手を放し、一気に「ヒャッハー」を経験することになります。

暗闇から一気に光へ向かいました。

それはまるで、映画館からどっピーカンの外へ出たときと同じような感じで、外の光に目がついていかないんです。

目の前は真っ白。

闇が濃ければ周りが見えませんが、光が強くても、やはり周りが見えません。

なにがなんだかわからない。なにが起こったのかも理解できない。

闇の世界から光ある世界へと移行しましたが、それはそれで、やはり周囲が上手く見えないんです。

少し水の中に戻って、光を遮らないと、周りが見えないんです。

暗い世界より明るい世界の方がありがたい感じがしますが、明るすぎるとそれはそれで厄介なもんで、今後どのように世界と関係を結んで行けばいいのかわからなくなっちゃうんです。

長らく暗がりに馴染んでいたせいで、その「光」に慣れるまで、その後暫くかかりました。



【トークライブ・インフォメーション】


賢者テラ×雲 黒斎 東京コラボトークライブ

実に、一年ぶりとなる賢者テラさんとのコラボトークライブ。
開催はいよいよ今週末となりました!

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東京・大阪・名古屋ともに、8月開催分の受付を開始しました。

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8月20日(水)19:30スタート [詳細・お申し込み]


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雲 黒斎ソロトークライブ in 沖縄

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今回はプロジェクターを使ったプレゼンスタイルで開催予定です。

8月9日(土)19:00スタート 主催/はーとおぶゆいまーるさま
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マッキー×黒斎の『人生のシフト』

二人の人生に、どんなシフトが起こったか。また、そのシフトの裏にはどんな背景があったのか。
今年、新刊の『人生のシフト』を上梓した牧野内大史さんとのコラボライブツアー。
今回は、東京・名古屋・大阪の3都市で開催します。

【東京会場】8月23日(土)14:00スタート
【名古屋会場】9月6日(土)14:00スタート
【大阪会場】9月20日(土)14:00スタート

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木内鶴彦×雲黒斎ジョイントトークセッション

先月新刊『「臨死体験」が教えてくれた宇宙の仕組み』が晋遊舎さんから発売されたばかり。
二度三度の臨死体験を持つ、知る人ぞ知る彗星探索家、木内鶴彦さんとのトークセッションが決定しました!
僕に臨死体験の経験はありませんが、木内さんにお話を伺えば伺うほど、数々の理解が一致します。
次元を超えて、宇宙創世から未来まで見てきたという木内さんとどんなディープなお話ができるのか。僕もいまからワクワクしています。

9月19日(金)18:30スタート 主催/ヒカルランドさま
 [詳細・お申し込み]はコチラ(お陰様で予約いっぱいとなり、ただいまキャンセル待ち受付となっております。)



←長らく無更新に馴染んでいたせいで、再更新に慣れるまで、その後暫くかかっております。
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当選はっぴょー!

※初めての方はこちら「プロローグ」「このblogの趣旨」からお読みください。
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。

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はてさて、『あの世に聞いた、この世の仕組み 8周年記念プレゼント』、今年は昨年の応募数を上回るエントリーをいただきました。

たくさんのご応募&ご感想&エール、ありがとうございました!

いよいよ結果発表でございます。

ちなみに今回一番競争率が高かったのは「オリジナルTシャツ(POWER OF NOW)」でした。

僕としましては、アンケートの一言欄で僕の事を褒めちぎってくれた方を優先的に当選としたかったのではございますが、毎年恒例の竹彩さん&智秀くんコンビによる抽選(iPadアプリ「抽選くん」)によって当選者を決定いたしました。




同地区に同じペンネームでご応募された方もいらっしゃるかもしれませんので、ぬか喜びにご注意ください。


【あの世に聞いた、この世の仕組み 8周年記念プレゼント ご当選者】

◎『あの世に聞いた、この世の仕組み』(サンマーク出版刊)
 大阪府 えんさま
 千葉県 buntyさま

◎『もっと あの世に聞いた、この世の仕組み』(サンマーク出版刊)
 岡山県 おまめさま
 愛知県 やっちゃんさま

◎『極楽飯店』(小学館刊)
 新潟県 オマリー仮面さま
 静岡県 フジワラさま

◎『降参のススメ』(SBクリエイティブ刊)
 愛知県 ひげぞーさま
 静岡県 チャコちゃんさま

◎DVD『阿雲の呼吸』(アウルズ・エージェンシー)
 神奈川県 チョコさま
 奈良県 さすらいのジョーさま

◎DVD『降参のススメ』(アウルズ・エージェンシー)
 北海道 青鬼由紀さま
 新潟県 桃井裕香さま

◎黒斎デザインオリジナルTシャツ(POWER OF NOW)
 神奈川県 enokiさま
 京都府 sarishiさま

◎黒斎デザインオリジナルTシャツ(トイレットペーパー)
 東京都 海っすさま
 東京都 みーさま


以上のような結果となりました!

当選された皆様には、後日発送の準備が整い次第、順次発送させていただきます。賞品の到着まで、いましばらくお待ちください。

落選の皆々さま、「当選の希望」を「購買動機」に変えて、どうかお買い上げくださいませ(笑)


そんなこんなで8周年を迎えてしまったこのブログ。

当選を逃してしまったあなたも、はたまた、ご応募されなかったみなさまも、今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

<(_ _ )>ペコリ




【トークライブ・インフォメーション】


賢者テラ×雲 黒斎 東京コラボトークライブ

おひさしぶりのテラさんとのコラボ。
開催間近となって参りました!

7月12日(土)18:00スタート 主催/苺企画さま
 [詳細・お申し込み]はコチラ

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毎度好評いただいております、平日のお話会「月イチ☆」。
明日(大阪)・明後日(名古屋)開催分のチケットは、お陰様で完売となっております。
当日券の販売はございませんのでご了承ください。

平日のお話会『月イチ☆』(東京開催)
7月22日(火)19:30スタート [詳細・お申し込み]


平日のお話会『月イチ☆WEST』(大阪開催)
7月14日(月)19:00スタート [詳細・お申し込み]


平日のお話会『でら☆月イチ』(名古屋開催)
7月15日(火)19:00スタート [詳細・お申し込み]

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雲 黒斎ソロトークライブ in 沖縄

久しぶりの沖縄単独ライブは旧盆ナカヌヒーに開催。
今回はプロジェクターを使ったプレゼンスタイルで開催予定です。

8月9日(土)19:00スタート 主催/はーとおぶゆいまーるさま
 [詳細・お申し込み]はコチラ

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マッキー×黒斎の『人生のシフト』

二人の人生に、どんなシフトが起こったか。また、そのシフトの裏にはどんな背景があったのか。
今年、新刊の『人生のシフト』を上梓した牧野内大史さんとのコラボライブツアー。
今回は、東京・名古屋・大阪の3都市で開催します。

【東京会場】8月23日(土)14:00スタート
【名古屋会場】9月6日(土)14:00スタート
【大阪会場】9月20日(土)14:00スタート

 各会場ともに[詳細・お申し込み]はコチラ

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木内鶴彦×雲黒斎ジョイントトークセッション

先月新刊『「臨死体験」が教えてくれた宇宙の仕組み』が晋遊舎さんから発売されたばかり。
二度三度の臨死体験を持つ、知る人ぞ知る彗星探索家、木内鶴彦さんとのトークセッションが決定しました!
僕に臨死体験の経験はありませんが、木内さんにお話を伺えば伺うほど、数々の理解が一致します。
次元を超えて、宇宙創世から未来まで見てきたという木内さんとどんなディープなお話ができるのか。僕もいまからワクワクしています。

9月19日(金)18:30スタート 主催/ヒカルランドさま
 [詳細・お申し込み]はコチラ(お陰様で予約いっぱいとなり、ただいまキャンセル待ち受付となっております。)



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