witch's knitting room

編み物とか、編み物とか、編み物(^m^)

シルクハセガワ ギンガ3の医療用帽子 パターン

2020-05-16 21:31:06 | chemo cap


商用利用不可 個人で楽しむためにお使いください

デザインの特徴
 シルクハセガワのギンガ3を使った医療用帽子です. シルクノイルの糸を使って, 素肌にもやさしいかぶり心地のキャップになります. ややハイゲージで編みますが, 薄手で軽い仕上がりになります. おうちで, おやすみの時にかぶるのにも最適な仕上がりだと思います. ごくシンプルなデザインですが, ギンガ 3は色数が豊富なため, 好みの色で編んでみてください. 好みの模様を入れたりボーダーにしたり, 色々なアレンジで楽しめると思います.
 糸に伸縮性が無いため, かぶり口はガーター編みにしています. 編み始めには数段メリヤス編みを付けて表情を付けています. ややゆったり目のかぶり心地なので, 好みにより少し目数や段数を減らしてみてもよいかもしれません. ゲージにはそれほど気を遣わなくても大丈夫なパターンかと思いますので, かぶってみたり編み地の長さを測ったりしながら編み進んでみて下さい. 頭囲のサイズ調整をする場合は6目単位で作り目の目数を増減させ, 最後の1段ごと6目減の回数で調整して下さい.
 トップは最後6目まで減目していますが, やや細かい作業になるので数段省略してかぶりの深さのちょうど良いところで絞っても問題ないかと思います.
 針は40cm輪針を使って編むことを推奨します. トップの目数が少ない部分には4本針が必要になります. 経験者の方においては好みの長さの輪針を使っていただいても問題ありません.

材料と用具
<毛糸> シルクハセガワ ギンガ3 約28g
<使用針> ガーター編み3号40cm輪針, 作り目とメリヤス編み4号40cm輪針, トップ部分4号4本針
<その他必要なもの>
・綴じ針(トップ部分を絞る)ギンガ 3が通せる刺繍針などでも可能
・ステッチマーカー 6個, (クリップなどで代替可能)
<仕上げに必要なもの> おしゃれ着用洗剤, 柔軟剤 (水通しして仕上げます)

寸法
ゲージ ; 約28目x 40段
完成品のサイズ(平置き) ;
・幅 26cm (頭周り52cm)
・かぶり深さ 21cm

必要な技法 
・作り目 – 好みの方法で可能
・表編み(表目), 裏編み(裏目) - 本体のガーター編み, メリヤス編み
・左上二目一度 – トップの減目

編み方の概要
4号針で作り目→メリヤス編み(省略可能)→3号針に替えてかぶり口のガーター編み→4号針に替えて(可能であれば試着)メリヤス編み→トップの減目→(可能であれば試着してかぶり深さを確認)→残った目に糸を通して絞り完成→仕上げ

編み方
4号輪針で144目作り目する. ねじれないように輪にし, マーカーを入れる(以降BORマーカーと記す)
1-3段目 全て表目で編む. =メリヤス編みで3段編む.
4段目 3号輪針に替える. 全て表目で編む. 5段目 全て裏目で編む. =ガーター編みで2段編んだことになる.
4段目&5段目の2段をあと9回繰り返し, 全20段ガーター編みにする(山が10個できたところで終了).
4号輪針に替える.
(<最初の段>メリヤス編みで半周程度編んだところで試着し, サイズ感を確認しておくと安心です.)
メリヤス編みで33段編む. (上記カッコ内最初の段を含む) . 作り目より約12cm程度になる.
<準備段> (BOR), *表目24目, マーカーを入れる, *のところから合計5回繰り返し, 表目24目. (144目)
以降, マーカーは減目位置の左隣となる. 適宜滑らせながら編む.
<減目の段 -6目> (BOR), *次のマーカーの2目手前まで表目, 左上二目一度, *のところから最後まで, 合計6回繰り返す. (138目になる)
メリヤス編みで5段編む.
<減目の段 -6目>を繰り返す. (132目になる)
メリヤス編みで3段編む.
<減目の段 -6目>を繰り返す. (126目になる)
メリヤス編みで1段編む.
<減目の段 -6目>を繰り返す. (120目になる)
前の2段を あと7回繰り返す. =2段ごと6目減を合計8回行う. (78目になる)
途中目数が少なくなったところで4本針に替え, 続きを編む.
<減目の段 -6目>を 11回繰り返す. =1段ごと6目減を合計11回行う. (12目になる)
かぶり深さが十分になったら, 途中で終了し, 残った目を絞って完成としても構いません. 目数が多い場合は
その1 1目ずつとばして2回に分けて絞ると中心がコンパクトになる.
その2 ギンガ3がやや切れやすいので, 力加減に十分注意して糸を引く, または, 別糸で-たこ糸や手縫糸などの丈夫な糸を使って-絞ってもOK
<最終段 -6目> (BOR), *左上二目一度, マーカーを外す, *のところから最後まで, 合計6回繰り返す. (6目になる)
糸を20cm程度残して切り, 糸端を綴じ針に通す. 残った6目に2回ずつ糸を通して糸を引き, 絞る. 針先を絞った中心に刺して裏側に出し, 帽子を裏返して糸始末する. 編み始めの糸も始末して, 編み終わり.

仕上げ
糸のにおいや繊維くずが気にならないようであれば, 水通しをせずスチームアイロンをあてて完成としてもOK.
<水通しで仕上げる場合 – 輸入毛糸や工業用毛糸使用時など. 編み目が整い, 編み地の糸同士が馴染みます.>
ぬるま湯におしゃれ着用洗剤を洗剤の使用量に従って溶かし, 軽くたたんだ状態で押し洗いする. 2-3回水を変えてすすぐが, この時に洗い始めから水の温度がなるべく変わらないように注意する. 浸け置き洗いはしない. 何度も洗うと糸によっては急に縮む事があるので注意する.
すすぎの水が綺麗になったら, 一度作品は移して柔軟剤を使用量に従って溶かしてから, 戻して1-2分浸す.
洗濯ネットに入れて軽く脱水(1分以下), または押して水分を絞った後タオル等で水分を除き, 平らに広げて平干しする.
スチームアイロンで形を整えて完成.


サイズ感などは↓前の記事を参照願います。


作品例その2 その3の詳細は前記事こちら
着用者(私)の頭囲は58cmぐらいです。


応用作品例その1の詳細は前の前の記事こちら
こちらの着用者のの頭囲は56.5cmぐらいでした。
↑元のパターンに編み込み部分(20段程度)足しています。



Comments (2)
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シルクハセガワ ギンガ3 (ギンガ9 ^^;) の医療用帽子その2&3完成!!!

2020-05-15 11:07:21 | chemo cap

Pattern ; Ginga 3 Chemo Cap
yarn ; Hasegawa Corporation Ginga-9 /100% silk / 90m/50g
/ col. M-30 Lotus 28g / about 158m
needle ; JP4(3.3mm) for main part, JP3(3mm) for garter
tension ; 28 sts x 40 rows
date ; April 2020

前記事で後ろがたるまないタイプの、いうことで編みました。


糸は、前記事で上がっていた半端なギンガ3達でもよかったのですが、普段用ということで更なる用途に困っていた分、ギンガ9を使うことにしました。
 

オレンジ系が二色、それぞれ35gと22g
ギンガ9はギンガ3を3本撚り合わせてあるので、解いて3本に分け、巻き直しました。


糸を1mぐらいずつ出し、余計にコーンから解けないようにゴムで留めた状態で吊るし、コーンが勝手にぐるぐる回るようにして撚りを解くと簡単かなと思います。
3本を2本と1本に分けて、両手に厚紙を持ってそれぞれ巻きとりながら、吊るしてあるコーンをぐるぐるしました。
2本の方は終わってからまた1本ずつに分けねばいけませんが、、ほぼ撚りが解けた状態になっているので簡単に分けられます。

と言っても、コーンに巻かれた量が少ない場合はこれで良いと思いますが、たくさん巻いてあると重くて困難でしょうね。例えば300gの巻とかだったら…我が家は階段に吹き抜けがあるのでそこから吊るして、とかも考えなくはないのですが、両手で巻き取りながら、が重たくてちょっと無理かもしれません。時間もかかるし。
そんなわけで、撚りを解いて編むことを推奨するわけではありません。そのまま編むのが一番です。去年ぼんぼり巾着を編むのに使おうかと出したんですが、やはり色がツボじゃなくて合わせる糸が見つからず使えませんでした、


35gで二時間ぐらいかかったかも?ですが、これで一個帽子編めると思えばやるしかないですよね。


 

かぶりの深さを前記事のものより短くしただけで同じ形です。21cmぐらいの深さにしました。28g使用。1玉で2個編めると良かったけれど。ゆったり目のフィットではあるので、頭小さめの方で目数とかぶり深さをちょっと減らせば2個編めるかもしれませんね。


Pattern ; my own
yarn ; Hasegawa Corporation Ginga-9 /100% silk / 90m/50g
/ col.14 Coral 24g + col. M-30 Lotus 4g / about 158m
needle ; JP4(3.3mm) for main part, JP3(3mm) for garter
tension ; 28 sts x 40 rows
date ; April 2020
少ない方のオレンジも同様に撚りを解いてギンガ3状態にして同じように編んでいきましたが、やはり22gでは足りず、↑の残りを使ってグラデ状態にして編みました。

 
そうそう、減目ですが、パターンでは左上二目一度で作ったのですが、私はもともと左上二目一度より右上二目一度のほうが好きだというのもあって、こちらは右上二目一度で編んでいます。
皆様はどちらが得意とかあるでしょうか??

 
今回はパターンをまとめる都合上、ゲージは水通し後に確認した方がよいかな?ということで洗って仕上げました。
スチームアイロンだけでもそれなりによかったのですが(多分、ハセガワさんの方では洗って仕上げるのを推奨されている?いや、無いかも。取り扱いについてはこちら参照)糸が少し膨らんで編み地が馴染んでとても風合いがよくなりました。

かぶったところ。
仕上がりは平置きで幅26cm, 頭囲で52cmになります。
私の頭囲は58cmぐらいでした(眉の上あたりにメジャーを巻いて計測)

深さぴったりめのつもりですが、もう1-2cm浅くてもよかったかもしれません。けれど、あまりぴったりだと万人には合わないでしょうし、浅めだと(髪の無い状態では頭皮と帽子の間の摩擦力が少なそうで)脱げてしまいそうだし。
多少頭囲が大きくても横に伸ばしてフィットするようなところもあると思うので、このぐらいの深さ(21cm)でよいかな?と思います。
 

髪結んでいるので首元が不自然てのもありますが(^^;)


粘ってトップまで減目しているので、スッキリしたシルエットに仕上がっていると思います。
輪で編んでいるので縫い目も無いし、すっきりかぶれておやすみの時にもノーストレスだと思います。
かぶって寝てみましたが、ちとゆったりしたかぶり心地なので、朝は脱げていましたが(^^;)


糸足りなくて2色にした方です。

薄手なので、髪を結んでいると、前髪あたりに段差できていますが(^^;)普通に前髪切ってる人ならこうはならないんですがね。
いうことで、下ろした状態でも撮ってみています。

そうそう、髪が無くなると帽子の(ウィッグもだけど)サイズ感が変わります。
それもあって、前の前の記事のkim帽子がちょっと緩くずり落ちるようになったようで。重たい(100g)、てのもあると思いますけどね。この帽子だと28gで済んでいるし。

水通しして仕上げて、よりソフトなやさしいかぶりごこちの帽子になったと思います。
おしゃれ、というところからは少し離れますが、実用性は間違いないです。
ハイゲージ目で手間はかかりますが、作る価値があると思います。
ギンガ3は色が豊富なので、好みの色を選んでもらって編むのもよいし、ツィード調なのも編む時に楽しめると思います。
 

次回はパターンをアップしたいと思います。
すいません、このグラデバージョンはパターンに含まれません…参考パターンを使って適当にしているので(^^;)

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シルクハセガワ ギンガ3 の医療用帽子その1完成!!!

2020-05-14 15:12:28 | chemo cap

Pattern ; my own arranged from Ginga 3 Chemo Cap
yarn ; Hasegawa Corporation Ginga-3 /100% silk / 280m/50g
/ col.40 westpoint 24g & M-21 wine 12g / totally 201m
needle ; JP4(3.3mm) for main part, JP3(3mm) for garter
tension ; 28 sts x 40 rows
date ; from 13th to 16th April 2020

前記事の帽子も悪くなかったのですが、洗い替えも必要だろうと夏シーズンに向けて薄手の帽子も編むことにしました。
4月だったしまだコットンでもいいかな?と思ったのですが、薄手ハイゲージ目の帽子だと編むのに時間がかかるかな?と思っていて、そう言えば、ハセガワの福袋に入っていた半端なギンガ あったよね?あれでどうだ?と考えました。

着分ある色も2つはある(↑Tsumuzikazeの時に備忘したやつ)のですが、半端なの使えたら嬉しいしって。


4色出てきました、半端で量は24g〜と色々です。

初めて編むしどの量でどの程度編めるのかわかっていなかったので、一番少ない紺色、色番40番ウエストポイントで編んでみることにしました。
細いけど去年そのTsumuzikazeを茶々先生と一緒に編んだ時に使われていて、ざっくりめ22目のゲージで編まれていても良い風合いでした。3号でも編めるけど(手編みだし)そこまでしなくても十分では?と4号で試し編みしました。
けれどやはり中細より細めな感じで目数のゲージは28目で計算して編み始めました。

ハセガワのではないけれど似たようなシルクの糸、
silknoilh_w3
前記事でリンクしたHinagiku Hat,
aran vest
同じ糸で編んだアラン模様のベスト
frankie_w4
KimのFrankieと編んでいますが、リブ編みにしても伸びどめにはなれど伸縮性は期待できないんですよね、伸びっぱ、というか。なので、かぶり口は私が最も伸縮性のある編地と考えているガーター編みにすることにしました。針もメリヤス部分より落として3号で。

 
輪で編むガーター編みは牛歩(^^;)

自分用ならガーター編み太めが好みなのですが、前作で不評(おでこが狭いので違和感あるんだそうで。難しいですね)だったので、3cmぐらいにしました。
編み始めは数段メリヤス編みにしてくるっとするようにして、ちょっと表情をつけています。
 
4号でメリヤスにしてからはまっすぐに編んでいったのですが、ちょっと24gのみで仕上げるのは厳しそうだったので、別の色を足すことにしました。
自分用だったら縞が好きなのでボーダーにするだけだと思うのですが、普段帽子をかぶらない人がいきなりボーダーの帽子って、カジュアル過ぎに派手過ぎに感じられそうで、グラデーションっぽく色を入れられないかな?と気になっていたパターンのチャートを使って編み込み模様で編みました。

最後4gぐらい残してチャートに行ったのですが、チャート全段は編みきれず(^^;)最後ちとごまかしています。もうちょっと残せばよかったですね。
夏糸で編みこみ、はあまりやっていないのですがコレ
dora front
これしか編んでないかも(^^;)渡り糸のきつさ具合がより難しいですよね。こちらイエガーのトリニティはシルクコットンですが、シルクノイルのツィード調で今回のと似ている糸ですわ(まだ編んでいない糸がある在庫罪庫財庫備忘)

てことで編みこみの始めの方は渡り糸長めだし4目以上とぶ場合は編み包んでいるけど渡り糸緩めだし、あまり状態がよろしくないので裏の写真は割愛(-_-;)


グラデーション部分終了までまっすぐ編んで、その後トップを絞ってあります。


かぶった時にトップがたるむような感じに仕上がりました。
 
洗って仕上げたほうがよいのですが、スチームアイロンをかけたらそこそこ編み地が馴染んでソフトになったので、日程の都合もありそのまま渡しました。
地味目な色合いだったのもあり(帽子かぶらない人にとって)どうかな〜(くどいけど)心配でしたが一発で気に入ってもらえました。
薄手で軽いのも大きかったようです。2色合計で36gしかないので。既製品に近い感じですよね。
同じ素材で普段室内でかぶる用に、後ろたるまないタイプも欲しいとリクエストを受けました。

2013年編では、放射線治療はあったのだけど、ずっと入院で、その後認知症も進んでしまって本人が見た目を気にする状況になくなってしまい、あまり帽子の必要性が感じられませんでした。
2017年編では、脳の手術のためだったので、散髪ではあるけれど脱毛ではないので、髪は確実に伸びるというか肌触りにまでこだわるのは割と一時期のみ、かぶる期間も短くて済みました。
今回は化学療法なので、脱毛は避けられないし、個人差もあるけれどつるつるまで行くと医師からも説明があった通り、ある時期からざざっと抜け始めたようです。
そういう時に、帽子をかぶっておくと抜けた毛が部屋に散らばるのを防げるし、実際4月なんかだと部屋の中でも頭が寒いと感じることもあるようで、寝る時にかぶったりとか色々と帽子が必要な場面があるようです。
病院にはウィッグのカタログと共に帽子のカタログやサンプルも置いてあり、それを読んだりして医療用帽子に求められる性能を知ることができました。

既製品で色々と販売されているので、そういうのを利用してもよいわけですが、たまたま使ったシルクハセガワ のギンガ 3がその性能を発揮できていると思いました。
そんなわけで、また編んでパターンも残しておくことにします。
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