この秋、台風19号で河川があふれ、又は決壊して、家や田畑に甚大な被害が出た。「書籍」は大切な物の象徴として詠まれ、浸水深をも語って、水が引いた後の惨状が見えるようだ。「貝となりにけり」は言うまでもなく、口を閉ざしてものを言わないという意味。本来を失っているということだろう。疲弊感さえ感じさせる雄弁な句だと思った。作者も被害に遭っており、頂いた年賀状に「お互いに台風被害大変でしたね。負けずに頑張りましょう!」と書き添えてあった。忙しさに負けて返事を出していないが『ありがとう。三山さんは私より大変だろうに、どんな時も優しいなぁ。』と思ったことであった。(博子)
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