「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

明王のガラスの眼夕立来る 鈴木幸子 「滝」9月号<滝集>

2011-09-16 19:19:35 | 日記
明王は一般的に怒り相で火炎を背負い、髪は逆立ち、法具
や装飾品はあまり身に付けず、武器を手に持った姿で表現さ
れることが多い。眼は直接掘ったもの、水晶を使ったもの、黒
曜石、ガラスもあり、その眼によっておおよその時代が分かる
そうで、ガラスの眼は鎌倉時代以前だとされる。それを知った
からと言って鑑賞の助けにはならないが「ガラス」であること
で、明王が庶民の目線で夕立を感じているように思えたし、明
王を組合わせたことによって、夏季ならではの陽性の雨のあり
ようが際立つのだと思った。(H)