「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

火の山の始祖鳥と化す羽抜鶏 阿部風々子 「滝」9月号<渓流集>

2011-09-09 21:00:28 | 日記
 「火の山」に、娘さんの住む鹿児島に転居を決めた作者を
思った。自分を羽抜鶏に置き換えたのでしょうか。夏のあい
だ威厳を無くした姿を晒す鶏を思えば、作者の大きな体躯が寂
しげだが、始祖鳥になって、恐竜が全盛期を迎え、シダ類や
ソテツ類が茂る未知の世界へ飛び立つ決心をした強い作者を
思いたい。飛べる羽根を得た新しい阿部風々子さんの俳句が
楽しみ。容易に会えなくなるさみしさはあるけれど、お別れ
ではありませんね。(H)