「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

蛇苺こつと少女の消えにけり 中川浩子 「滝」9月号<滝集>

2011-09-14 19:39:17 | 日記
 「こつ」といなくなったという少女。蛇苺の赤だけが毒々
しく残っている。蛇苺とは湿り気のあるいかにも蛇のいそう
なところに生える苺という意味だそうで、花も実も可愛いの
に、ちょっと可哀想な命名だが、消えた少女を思えばお、あ
まり想像したくないが、お腹の膨らんだ蛇がいるのかもしれ
ない。「蛇苺」のイメージが生かされた句と思う。(H)