趣味多忙日記

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ベネルクス国境の旅(3)ベルギーを大移動、屋根のない博物館へ

2018-09-17 23:32:02 | ★2018ベネルクス国境の旅
>>2018ベネルクス旅行の目次はこちら


■リエージュからブルージュへ

マーストリヒトからリエージュに戻ってきて、ここから今度はインターシティで

北西部の街、ブルージュ(ブルッヘ)を目指します。

カッコ内はオランダ語、ブルージュはもうオランダ語地域に入るので、併記してみました。




リエージュからブルージュまでは約2時間。ベルギー王国の国土は、日本の九州ぐらいとのことですが、

それでも九州の端から端まで2時間で行けてしまうのは、なかなか凄いです。

平坦な国土と頑丈な地質ゆえ、でしょうか。




リエージュ駅。明るくなってからのリエージュ駅は本当に美しいですね。

リエージュ~ブルージュ間はSNCB(ベルギー国鉄)の本線ともいえる路線で、約30分に1本のインターシティが結んでおり

ヨーロッパ鉄道時刻表でも最初のページに掲載されている、重要路線となります。

1日目に書いた通り、この線の始発は東のユーペン(Eupen)駅

この駅はフランス語でもオランダ語でもなく、ドイツ語地域に属するそうなのですが、そこからフランス語地域のリエージュを通り

ブリュッセルは二か国語地域(すなわち、駅での案内から街の看板まで、すべて二か国語で記載されているのです)

ブリュージュはオランダ語地域と、様々な言語圏をぶち抜いて走るのが、このインターシティなのです。

そのため、車内放送や社内の案内も、フランス語、オランダ語と様々に変化していき、

かつ各言語圏で車掌さんも入れ替わっているようで、国内列車ながら国際列車のような雰囲気をもっている

そんな列車なのでした。



↑1日目の夜の車内にて。案内はフランス語(たぶん)


【Liège-Guillemins】13:04 →【Brugge】15:10(IC 535列車 Oostende行)

ユーレイルパス利用なので、当然に1等車乗車。12両編成?の長大編成に、1等車が3両で、

食堂車こそないものの、貫禄十分です。

リエージュ~ブリュッセル①


↑客車列車ながら、結構なスピードで、飛ばす飛ばす。意外と騒々しいです。




車掌さんが検察に来ましたので、ユーレイルパスを見せて、チェックをしてもらいます。

※ユーレイルパスの使い方

ユーレイスパス(フレキシータープ)は、まず券の本体に、利用日を手書きで記入します。

次に、パスカバーと呼ばれる写真の紙に、利用区間を記載。

券の本体とパスカバーはホチキス止めされていますが、絶対に切り離してはいけません。

車掌さんは検札時に、まず本体の利用日を確認、次にパスカバーの利用区間を確認し、問題なければ

パスカバーのほうに検印を押してくれます。

(その日の最初の利用時には、本体のほうの利用日にも検印)

仮に利用日の記入を忘れていり、パスカバーの記載を忘れていたら、無賃乗車になるようです。

パスカバーの駅名欄は圧倒的に足りません、私は駅名の途中(かけるところまで)を記載して、問題なく検札されましたが

正しくはどう使うのがよいのでしょうか。

また、本来は検札時にパスポートを見せるようにと指示があります(パスポート番号が券面に記載されています)が、

これも、一度も求められませんでした。



検札が終わって、暇になったのか、車掌さん(私と同い年ぐらいの、お兄さん)が戻ってきて、

向かいの席に突然着席w

「Where are you from?」と聞かれたので「Japan!」と答えまして

そこからしばらく雑談をしていました。


彼は、日本が羨ましいという話をしていて、過去に何度か日本を旅行しているそうなのですが(すごいね

日本は、どこの地域に行っても、絶対に日本語が通じると。

だから、ベルギーよりも広い国なのに、分裂しない

ベルギーは、言葉が通じないという理由で、南北がいがみ合っていて、Very terrible(とてもひどい)

言葉が通じれば、もっとThink together(わかりあえる?)のにな~と、そういうようなことを話していました。

※後で調べたのですが、ベルギー国内でも南北を別の国にすべきという論争があるようで、

豊かな北部フランデレン地域が、貧しい南部ワロン地域を切り離そう、という運動もしているそうなのです。

日本ではそんな話、聞いたことなかったです(池上彰あたりがテレビで解説してたりするのかな?)



ちなみに車掌さんは、英語、フラマン(オランダ)語、ワロン(フランス)語、

さらにドイツ語、日本語(←これは冗談でした、スシーとオイシイイーだけw)と

(日本語はカウントせず)4言語話せるそうで、車掌になるために「かなり努力した」とのことでした。

もしかしたらベルギー国鉄の車掌さんって、超優秀じゃないとなれないのかな。

出身はワロン地域らしく、本当はワロン語で話をしたいとのこと。

最後に、Why you don't speak your language?と冗談っぽく言われましたが、

これは、なぜ日本語を話さないのか?というよりも、日本語を誇りに思いなさいと、そういう意味だと解釈しましたが

たぶん、間違ってないと思います。


今回の旅行記の中で、やたらベルギーの言語について書いているのは

実は、この車掌さんから聞いて、気になったことが大きいです。

『ベネルクス国境の旅』というテーマも、当然最初はオランダやルクセンブルクという

「目に見える国境」を越えることがテーマでしたが、

この車掌さんと話してから、ベルギー国内の“見えざる国境”にも目を向けていきたいなと、そう思ったのでした。


ルーベン到着


↑その車掌さんのアナウンス、どや顔でしゃべってんだろなw

フランデレン地域に入ったらしく、たぶんオランダ語ですね(ルーベンスタジオンって言ってるから。フランス語だとゲールルブァン)


※私の見た範囲ですが、ヨーロッパの客車列車には「車掌室」というものはないようで

仕事が終わった車掌さんは(主として1等席に)どかっと腰掛けて、お客さんと雑談していたり

のんびりジュースを飲んで休憩していたりするのが通常のようです。

アナウンスも、手元のマイクから直接音声を飛ばしているような感じでした。

発車のとき、駅のスイッチを押すことで、信号係などに発車の合図を送っているようで、駅が近づくと

アナウンスをするため、ではなく、駅のスイッチを押すために車内を移動しているようでした。

(でも、ドア扱いはどうしてるんですかね?疑問)



さてさて、かなり貴重な体験をして、列車はブリュッセルを目指します。

ICはおおむね30分に1本程度の停車。

リエージュ-<30分>-ルーベン-<30分>-ブリュッセル北、中央、南-<30分>ゲント-<30分>-ブリュージュと

だいたいこんな感じでしょうか。

ルーベンから先はさらに線形が良くなり、複々線、かつ内側2線はほぼ通過線のような扱いになっているようです。

リエージュ~ブリュッセル②



ブリュッセルが近づくと、車窓には広大なヤードが現れます。

何やら古そうな機関車も停車していました。




こちらには古そうな電車が。




ブリュッセル近郊のの線路配置は面白くて、南東から北西に抜ける列車もいったん市街地をぐる~っとまわり、

北駅、中央駅、南駅と連続停車して

南駅からまたぐる~っとまわって北西に抜けるという構造。

北駅は駅前に国連の機関があったりするビジネス街(でも治安悪い)

中央駅は観光地区に一番近い

南駅は、イギリスからのユーロスターやフランスからのタリースが停車する、SNCB最大のターミナル(でも治安悪い)と

それぞれが大きな駅なので、乗客の利便を考えてこのように回って停車するようにしているんですねきっと。



↑オレンジの太いラインがICの走る経路(たぶん)

中には、ルクセンブルクからのICなど、ピンクの経路でわざわざ北駅に回り込む列車もあるようで

始・終着は必ず南駅にしているようです。

なお、中心市街地は青色の環状道路の内側になるようです。

もともとは北駅、南駅が別駅だったのを、地下線でつないで中央駅をつくったという

名鉄と同じ手法ですなー。




スカールベーク駅

ここはブリュッセルで最初に鉄道が開通した駅とのことで

駅内に「トレインワールド」という博物館もあるそうなのですが、寄りませんw




北駅が近づくと近代的なビル街に。




どこか古めかしい北駅です。




南駅が近づくと、ビルの上に見たことのあるキャラクターが。

南駅は4年前の旅行時にちらっと見ているので、そちらを参照してくださいな。

ここも一国の主要駅にしてはなんか寂れた感じの駅でした(人はたくさんいましたが)

(南駅の記事 →https://blog.goo.ne.jp/morikawa_city/e/31cff5df5764965696aa8560914f7360


南駅でしばらく停車ののち、ICは北北西に向けて走り出します。

ブリュッセル-ゲント-ブルージュはベルギー観光のゴールデンルート。

1等車もほどほどに乗っています。




車両基地にて。これまた古めかしい機関車が客車をつないで待機していました。


ブリュッセル~ブリュージュ①


↑車両基地が見たかった…わけではなく

なんとなく沿線の街並みが変化したの、わかりますかね?感覚的なものかもしれませんが。


ブリュッセル~ブリュージュ②


↑ゲント駅通過後、廃車体の山!が

この状態で放置するなら、ちゃんと壊してあげてくださいw


ブリュッセル~ブリュージュ③


↑リエージュからブリュッセルはなだらかな丘陵地帯でしたが、ブリュッセルから先はひたすら平原。

そろそろ見飽きてきたころに、ようやくブルージュ到着です。




ブルージュ到着。

ICはこの先、港町Oostendeまで行きます。

と、ここで気が付いた。行先が、Oostendeと表記されていますが…




リエージュ出発後に撮った車内写真では、Ostendeと表記されている(見づらくてすいませんが)。

こうして目で見ると、改めて、違う言語圏に入ったんだな~と実感です。




さて、時間は午後3時。宿にこもるにはまだ早いので、荷物だけおいて、観光へいきましょう。




ブルージュは、中世に港町として栄えたところですが、

埋め立て?によって船が出入りできなくなったことから、急速に衰退。

一時は死都と呼ばれるほど荒廃したのだそうですが、そのおかげで

中世のままの古い街並みがそのまま残り、これが観光資源となって

観光地として復活したというところなのだそうです。

なるほど街並みは、どこも中世の趣。

「屋根のない博物館」という呼ばれ方もするそうです。


で、それはわかるんですが



歩けども歩けどもこんな風景…この街、でかくねぇか?w




駅から歩いて30分ぐらいで、マルクト広場に到着です。

ここではオーケストラがコンサートをやっており、非常ににぎやかでした。

もちろん世界遺産。





マルクト広場を見下ろす鐘楼。これ、16ユーロ払えば、登れます。

せっかくだから登ってみましょう。




うぉっ!




うぉぉっ!!




うぉぉぉぉっ!!!←語彙力w

ブルージュの街が、360度一望できます!


というか、やっぱりブルージュ、でけぇぇ!

これ、1日でまわるとか、無理じゃねぇか?w




ブルージュとは「橋」の意味(Brugge=Bridgeと同義語)だそうで

水辺の景色がとても綺麗なのでした。

これはさすがに紹介しないと、ブルージュの魅力の100分の1も伝えられないと思うので、記事にちゃんと書きたいと思うのですが…

長くなったので、今日はこの辺でおわり。

次回はブルージュの風景と、翌日3日目の移動を記事にします。



★宿泊したホテル

HOTEL t Bagientje

http://www.bagientje.be/

ブルージュ駅前広場を抜け、交差点を渡り左へ、

橋をわたったらすぐ右、そうすると右手に公園、左手に建物という道に至りますが、そこの一番手前のレストランです。

ホテル、というより、レストランに宿泊できますよ、といった感じ。

チェックインもウェイターさんをつかまえて行います。

なお、レストラン自体も大変人気のようなので、ディナータイムにはチェックインできません。

(Check-in : 15:00~18:00)



部屋はこんな感じ。ダブルルーム一人利用でした。

でん!とベットがあって、以上!という感じ。あ、もちろんシャワーとトイレもついてますよ。

公園沿いというか、公園と公園の間にあるような立地なので、緑が大変綺麗でした。


で、レストラン営業時間は

従業員出入口から入室するのですが、ごみ置き場のようなところにあり

ハエがすごいし、下水くさい…

これにはちょっと、閉口。

あと、部屋の前の階段に電気が無く、真っ暗の中鍵穴を探すという

これ、人に見られたら、やばいんちゃう?状態が生じていました(^^;

他に宿泊客いないのかな?と思ったら、隣の部屋にアメリカ人家族が泊っていましたね。

(おそらくですが、全部で4部屋しかない、こじんまりとした宿です)

ディナーで食べた小エビのコロッケと生ガキが絶品だったので、すべてヨシ。



観光地の駅近で、レストランもついて1泊1万円未満、は安い!

★2018ベネルクスの旅 各記事へのリンク★
(序)準備編~ドイツまで
(1)ドイツからベネルクス入国まで
(2)リエージュの吊り掛け電車達と、オランダ国境の街
(3)ベルギーを大移動、屋根のない博物館へ<本記事>
(4)芸術の駅へ
(5)芸術の街からオランダへ
(6)オランダは自由の国(いろんな意味で)
(7)風車の村
(8)フリッツァー事件
(9)アムステルダムで鉄道を見る
(10)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(散策編)
(11)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(鉄道博物館編)
(12)ドイツへ戻る。。。。
(13)コブレンツと、ルクセンブルク(前編:鉄道編)
(14)ルクセンブルク(後編:観光編)
(15)帰国日に、事件発生
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