甘いものが大好きなブルガリアの人々です。コーヒー、チャイ(特にビルコフ・チャイ=ハーブティー)、ミルクなどのカフェメニューには必ずザハル、つまりお砂糖をルジチカ(小さじ)2~3杯ドサドサッといれます。かえって「べス・ザハル」(=砂糖抜き)というと、「ええ~、そんなのおいしくないじゃない!?(=あんたちょっとおかしいんじゃない?)」という反応が返ってきます。
ネスレ社やジェイコブ社の出している、すでに調合、加糖してあるカプチーノ、モカチーノ(ココアとコーヒーのミックス)、アイリッシュクリーム・フレーバーのコーヒーやバニラ風味、バナナ風味、のホットチョコなど、一パック一杯分の「お湯に溶かすだけ」飲料も人気です。が、人々はこれにもさらに砂糖をドサドサと入れます。さらに、友人のマヤは炭酸飲料(当然冷たい)にもお砂糖をドバッ!! 溶けるのか?? かきまぜたらシュワシュワいってました・・・
タダでさえ砂糖の消費量が多いブルガリア人ですが、それに輪をかけて、フルーツの出回る初夏~夏にかけて人々の砂糖の消費量はまた格段に上がります。なぜかというと、このフルーツを使ってジャムやコンポート(シロップ煮)を作って、来年のこの時期まで食べるようにしなければならない(!? ブルガリア人は本当にそう思っているらしい)からです。
イチゴ1kgで、わたしも去年ジャムを作ってみましたが、1kgのイチゴに対して日本人のわたしの味覚でちょうどよかったのは同量の1kgの砂糖でした。しかし!! ブルガリア人からもらうジャムやコンポートの甘さはハンパじゃないゾ!! 「保存するためにつくる」という目的のためなのか、とにかくスゴイ!!
そんな最近のある日、ラジオのトップニュースで扱われていたのは「砂糖の値段が高騰している」と言うこと。そういえばそうだなあ~。わたしは1kgの砂糖を買うと普通2ヶ月以上もつのですが、1ヶ月に何キロも買うとなると砂糖代もバカになりません。 以前は1kgだいたい80~90ストティンキ(60~70円)だったのが今では1レバ80(130円くらいかな?)と、ほぼ倍です。だからでしょうか? たまに近所のスーパーで「ザハル・プロモッツィア」(砂糖安売り)の表示があると大混雑!! そしてすぐに売り切れ!!! コマったものです。
こちらの砂糖は日本のものと風味がちょっと違う気がします。(たぶんテンサイ糖) なつかしい黒砂糖、三温糖のようなものは見かけません。でも、砂糖が高くなるとすると、代替品ってないですよね~・・・・ (ダイエット用の「パX・スィート」のようなものが小さな錠剤のようになったのをここでは見かけますが、それじゃ、コンポートはできないもんね・・・)
そんな時、友人のステフチョがステファノボという村の知り合いから自家製蜂蜜を譲ってもらっていると言うことを聞きました。ずいぶん市価よりも安いとはいえ大瓶ひとつ6レバ。本当に質のいい蜂蜜で香りもよくすごくおいしくて甘いけど、砂糖の代わりになるものではないですね。次の冬はコンポートはあきらめて蜂蜜なめて過ごそうかな・・・(悲)
最後にブルガリア人ジョークをひとつ。絶対に自分の好きな甘さのコーヒーを飲めない人の話。 その人は砂糖を2杯コーヒーに入れて飲むのが好きなんだそうな。でも、自分の家では砂糖がもったいないので1杯しか入れず、人の家にお客になったときには(人の家の砂糖なので)3杯入れるんだって。チャンチャン。おもしろかった(?)ですか?