しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

ダフ屋

2023年09月28日 | 失われた仕事

広島市民球場が原爆ドームの向かい側、基町にある頃
広島カープの試合を年に1~2度見に行っていた。

球場に入ろうとすると、見知らぬ男性から声がかかる。
その男はぼそぼそ話すので、
自分に言っているのか?それとも他の人へなのか?
聞いてほしいような、聞かれては困るような話し方なので、
何をいいたいのか?何を言っているのか?意味不明。
目立たぬ、地味な服装で、灯りが一番届かぬ場所に立っていて、
まさに”裏”という言葉が似合う男だった。

そういう男が試合が始まる前、試合が始まってからも立っていた。
「あれはダフ屋だよ」と同僚が言った。
ダフ屋のことは知っていたので、
あああれか、と男の仕事はすぐに理解できた。

それからは、
市民球場のダフ屋は、その場所へあたりまえにいる者、として普通に素通りするようにした。

 

・・・

 

「失われゆく仕事の図鑑」  永井良和他 グラフィック社 2020年発行


ダフ屋

「チケットあるよ、あるよ。」
1980年代の大阪球場周辺でよくダフ屋を見かけた。

開門2時間前に到着する客には「兄ちゃん、券余ってないか」
そう、そう仕入れの時間帯なのだ。
ゲーム開始直前、開始後に来場する客に、格安で売る。

 

堅気でない方々の影がちらつき、警察も監視を強めた。
ダフ屋は物陰に隠れた。

・・・

 

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1 コメント

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ダフ屋 (killy)
2023-09-28 14:36:37
ずいぶん昔(巨人に松井がいた頃)マスカット球場で巨人VSヤクルト?の試合があり、貸切バスに少年野球チームを乗せて行きました。
球場入り口前でダフ屋が来て「チケットは余ってないか?」と尋ねました。ネット裏を予備に2枚持っていましたが「ありません」と答えたら、遠ざかりました。
広島球場でも広島vs巨人戦で何度も同じ目に合いました。警察も近くにいたようです。
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