しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

「江戸参府旅行日記」番外編・青い目の見た元禄 

2021年09月23日 | 「江戸参府紀行」ケンペル&シーボルト

青い目の見た元禄より~ドイツ人ケンペルの日本見聞録~ 岡山大学長 大藤真

「岡山の自然と文化」 岡山県郷土文化財団 昭和62年発行






私は内科の医師ですが、今日は医学の話はしません。日本に最初に来たドイツ人ドクターのケンペルさんの話です。
ケンペルさんはドクターのくせに『日本誌』に、医学の話はでてこないのです。

今から296年前オランダ船に乗ってきました。
タイから日本の長崎まで約3ヶ月かかっておりますね。
元禄3年9月26日に、あこがれの日本に着いております。
2年後の元禄5年10月31日に離日し、インドネシアを経由し、ドイツに帰り、
1716年65才で亡くなっております。
ですから、39才から40才という壮年のときに日本に2年おられた。
もともとのすごい博学の上に、その一番充実した壮年の時に日本にいて、
沢山の日本のことを勉強し、かつ見聞を広めたわけでございます。


イチジク
日本のイチジクには3種類ある。
一つの種類を柿という、と書いてあるんです。これは柿がヨーロッパになく、ほんとの柿です。
あと2種類はまさにイチジクなんです。
一つは日本のイチジク、
一つはヨーロッパ人が持ってきて植えたイチジク。

大根
日本は大根が非常に多い。
肥やしをまくでしょう。大根に肥えがしみ込む、だからとても食べられないというんですね。
日本人は平気で食べる。
生のまま食べたり、煮て食べたり、
ぬかずけにしたり、
干したり、とにかく非常によく食べる。



日本人は農耕に使うけども、ミルク、バターを採ることは全然知らんと書いてある。



三毛猫が多い。どうも日本の猫はネズミをとらない。
女に抱かれてかわいがられるばかりである。


セミ
昆虫の中で大変珍しいものが日本にいる。
日本中どこに行っても、夏になったらものすごいセミの声で、これは好きだ。


フグ
日本人がこれをよく食べるけれど、よく死ぬと書いてある。
死んでも死んでも食べると。
それで、とうとうお上の方で、
「侍はフグ食うべからず」と禁止令を出した。
もしこっそり食べた死んだら、後継ぎは許さんとゆうのですから厳しいです。


農家
わらぶき、かやぶきが多い。
家の奥の方に行くとかまどがある。
清潔な畳がある。
戸がない、道具はほとんどない、目につくのはニワトリだけ。
生活は自給自足で農民は結構生活を楽しんでいる。






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