刺突訓練
藤田茂中将は、戦後、中国でのBC級戦犯裁判のなかで、新兵教育について
「兵を戦場に慣れしむる為には殺人が早い方法である」
「即ち度胸試しである」
「銃殺より刺殺が効果的である」
と将校に指示したとある。
ここでいう「刺殺」とは「刺突(しとつ)」と呼ばれたもので、
銃剣を構えて木などに縛り付けた人間に突進し、刺し殺すことである。
新兵に度胸をつけるために「教育」としておこなわれたのである。
15年戦争期には戦地で日本軍により一般的におこなわれていた。
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中国人ゲリラ二名はすでに四時間近い拷問でボロボロの状態であった。
拷問にかけた以上は殺してしまう、というのは当たり前になっていた。
三十代の補充兵に突くことを命じた。
「突けっ」の号令に補充兵は叫び声を上げながら突進し、銃剣を突き出した。
しかし銃剣は空を切るばかりであった。
「ちゃんと突かんか」という怒声に、補充兵は体ごとぶつかるように銃剣を突き刺した。
二度、三度と・・・。
補充兵はその後、呆然とそこに立ちつくしていた。
「満州事変から日中全面戦争へ」 伊藤俊哉 吉川弘文館 2008年発行
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