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北森鴻 著
『瑠璃の契り』に続く冬狐堂シリーズ第2弾。
店をもたない“旗師”と呼ばれる骨董屋・宇佐美陶子。
自分自身の眼だけを頼りに、様々な思惑が錯綜する世界を生き抜いてきた。
競り市で入手した二面の「海獣葡萄鏡」。ところがそのうちの一面がそこにあるはずのない
「三角縁神獣鏡」であった。
何者が張り巡らせた罠。関係があるのかないのか相次ぐ死。
ついに古物商の鑑札が剥奪されてしまう。
海千山千の世界だけに信用がないものは仕事を失う。
民俗学者、古代技術研究家、カメラマンと多彩な面々が揃い、謎解きが始まる。
そこには、明治期の県令の名を冠した「税所コレクション」が見え隠れし、
ただの骨董屋の小競り合いではないことがわかってくる。
さらには衰退した南朝方天皇家の復活などという話まで飛び出す壮大なスケール。
何よりも楽しいのは、著者の作品を読んだ人にとって、おなじみのキャラクターが
あちこちに登場すること。
しかもその個性を遺憾なく発揮し、陶子をサポートする役割としてだ。
豊富な専門知識、美への愛着。
話が広がりすぎて現実味に欠ける部分もあるものの、しっかりとした構成と
高い美意識に引き込まれてあっという間に読んでしまう。
『瑠璃の契り』に続く冬狐堂シリーズ第2弾。
店をもたない“旗師”と呼ばれる骨董屋・宇佐美陶子。
自分自身の眼だけを頼りに、様々な思惑が錯綜する世界を生き抜いてきた。
競り市で入手した二面の「海獣葡萄鏡」。ところがそのうちの一面がそこにあるはずのない
「三角縁神獣鏡」であった。
何者が張り巡らせた罠。関係があるのかないのか相次ぐ死。
ついに古物商の鑑札が剥奪されてしまう。
海千山千の世界だけに信用がないものは仕事を失う。
民俗学者、古代技術研究家、カメラマンと多彩な面々が揃い、謎解きが始まる。
そこには、明治期の県令の名を冠した「税所コレクション」が見え隠れし、
ただの骨董屋の小競り合いではないことがわかってくる。
さらには衰退した南朝方天皇家の復活などという話まで飛び出す壮大なスケール。
何よりも楽しいのは、著者の作品を読んだ人にとって、おなじみのキャラクターが
あちこちに登場すること。
しかもその個性を遺憾なく発揮し、陶子をサポートする役割としてだ。
豊富な専門知識、美への愛着。
話が広がりすぎて現実味に欠ける部分もあるものの、しっかりとした構成と
高い美意識に引き込まれてあっという間に読んでしまう。
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