息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
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と、なんだかだらだら日常のことなども

大きな森の小さな家

2010-12-13 18:40:26 | ローラ・インガルス・ワイルダー
ローラ・インガルス・ワイルダー 著

おなじみ大草原の小さな家シリーズの最初の一冊。
この表紙は一番最初に読んだ思い出いっぱいの版。

この季節になると、読みたくなる。特に今日は寒くなったからね。

人里離れた大きな森の中にぽつんと建つ丸太小屋で暮らす5人家族。
とうさんは木を伐り、開墾をする。猟をしてその肉を食料にし、町で毛皮を売る。
かあさんはあらゆるものを手作りし、家のそばの小さな菜園で野菜を育てる。

限りなく厳しい暮らしなのだが、主人公がまだ幼いため、すべてが夢の中のよう。
子どもの幸せって、親しだいなんだなあと実感する。
そしてだからこその躾の重要さも。

一年を追ったストーリーなのに、今読みたくなるわけは、
やっぱり秋から冬の初めは豊かだからだ。
屋根裏にはカボチャや玉ねぎ、鹿肉のハム、豚肉のソーセージなどが蓄えられ、
冬支度は万全だ。
暖かい部屋の中で母親の手伝いをしたり、遊んだり。
クリスマスには親戚も集まってくる。
なんていうのか、幸せな子供時代を象徴する感じ。

ところで、とうさんがライフル銃を手入れするシーンがあるのだが、
その悠長さには驚く。弾を込めるのは一仕事なのだ。
そりゃあ、猛獣を一発でしとめないと危険なのは当然っていうか、
なぜとうさんが無事なのか不思議なレベル。
どこかの掲示板で、「時間がかかるもの」だか「いらつくもの」だかに
「チャールズのライフル銃」があがってて笑った記憶がある。
実に心に残る弾こめです。

日本だって同じだけれど、冬が厳しい地域にとって、春は飢えの季節だという。
待ちに待った春だけれど、来たばかりではまだ食べ物はなく、冬の蓄えは尽きる。
冬場は働けない、とか冬籠りするしかないって、本当に大変なことなんだなあ。

同時代だが、ローラの夫アルマンゾの子供時代を描いた「農場の少年」では
ニューヨーク近郊の豊かな農場の様子が語られる。
きっと子供時代の思い出を語り合ううちに、うらやましさも含めて生まれたの
だろうなと思う。こちらも楽しい一冊だ。

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