息をするように本を読む

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と、なんだかだらだら日常のことなども

狐罠

2013-01-03 10:45:15 | 北森鴻
北森鴻 著

“旗師”宇佐美陶子が活躍する冬狐堂シリーズ。
どうもこれが第一作であるらしい。
ほかのシリーズとのからみもあったりするので、冬狐堂の初出とかもろもろ曖昧。
すみません。もうちょっと調べてみます。

陶子は、同業者の橘薫堂から贋作の「唐様切子紺碧碗」を掴まされる。
自らの目だけをたよりに仕事をする旗師としてこれは屈辱。
そしてこれからの商売にも影響する。
同じやり方で目利き返しを計画する陶子。
しかし準備のさなかに殺人事件が起きる。

陶子の周囲のプロ達がすごい。
もと夫であるプロフェッサーDを筆頭にカメラマンの硝子、保険会社の美術監査部調査員。
真贋を見極める目は長い時間をかけてつくられていくだけに、
多くの人により鍛えられ、磨かれていくのだろう。

おそらく一生縁がない世界と思うが、そんな私にもわかりやすく引き込まれる。
美意識とは素晴らしい宝物。しかし維持するだけでも大変な努力が必要なのだ。

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