有島武郎 著
幼い兄弟の日常で起こった誤飲事故を、兄の視点で描き出す。
小さい子どもって本当に何をするかわからない。
おとなしいから今のうちにと家事をしていたら、その間にとんでもないことが
行われているというのはデフォルトである。
誤飲はその中でももっとも怖いもののひとつである。
兄は八っちゃんのことが可愛いのだけれど、いつも損をする立場に苛立ってもいる。
お母さんは“八っちゃんは弟だから可愛がるんだと仰有”るし、
婆やは“兄さん悪いじゃありませんか年かさのくせに”などという。
こんな複雑な心理描写が美しい言葉でなされる。
そして、八っちゃんへのはがゆさがピークに達したところで誤飲がおこる。
兄は婆やに異常を告げ、母の元へと走り、台所で水を汲もうとする。
弟への愛情がわかる八面六臂の活躍だ。
大騒ぎの末に碁石は飲み込まれ、翌日までには体外へと出る。
それまでの不安な心と、母の優しいながらも強い姿の描写は愛情に満ちている。
目が覚めたとき、すべてが解決しており、きちんと身支度を整えた母の姿に
安堵する場面は、本当にあたたかい。
幼年時代の無条件の幸せというものを思い出させてくれる。
幼い兄弟の日常で起こった誤飲事故を、兄の視点で描き出す。
小さい子どもって本当に何をするかわからない。
おとなしいから今のうちにと家事をしていたら、その間にとんでもないことが
行われているというのはデフォルトである。
誤飲はその中でももっとも怖いもののひとつである。
兄は八っちゃんのことが可愛いのだけれど、いつも損をする立場に苛立ってもいる。
お母さんは“八っちゃんは弟だから可愛がるんだと仰有”るし、
婆やは“兄さん悪いじゃありませんか年かさのくせに”などという。
こんな複雑な心理描写が美しい言葉でなされる。
そして、八っちゃんへのはがゆさがピークに達したところで誤飲がおこる。
兄は婆やに異常を告げ、母の元へと走り、台所で水を汲もうとする。
弟への愛情がわかる八面六臂の活躍だ。
大騒ぎの末に碁石は飲み込まれ、翌日までには体外へと出る。
それまでの不安な心と、母の優しいながらも強い姿の描写は愛情に満ちている。
目が覚めたとき、すべてが解決しており、きちんと身支度を整えた母の姿に
安堵する場面は、本当にあたたかい。
幼年時代の無条件の幸せというものを思い出させてくれる。
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