息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

願わくは

2015-04-10 11:27:26 | 書籍・雑誌
花の下にて春死なむ

西行の大好きな歌であるが。

妹が亡くなった。
3月3日雛祭りの朝だった。花には少しばかり早かった。
病がわかったときはもう余命が宣告されて、本人も家族も理解したうえでの終わりだった。
むしろ

ついに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを

業平の歌に思いは近い。

終わりに近いときまで、自分で動き話すことができたから、
少しずつ弱りながらも、きちんと準備を進めていた。
夫に語るべきこと、娘に伝えるべきこと、仕事の始末、家のこと。
ある意味うらやましいような、私にとっては理想の終わり方だった。

それでも喪失感は大きい。

そしてともに負ってきた生家への複雑な想いを、こんどは一人で負うのかという
不安感も大きい。とても自分勝手なのはわかっているが。

たったこれだけのことを書くのにひと月かかった。
本は読んでいる。むしろ逃げ場になっている。
でもあまりにも重いもの、心に響きすぎるものは読めない。
ここ何年か、心理的な事情から映画やドラマにそんな傾向があったのだが、
妹の死をきっかけに本もそうなってしまった。
いろいろやるべきことはある。
やりたいと思う。
でも踏み出せないでいる。
もう少し時間が必要な気がする。甘いけれど。

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